日本刀を集めることが趣味である人なら、何本もコレクションしていることもあります。その際に刀身に自分で彫刻を増やして、見た目を変化させていることもあるかと思います。
そのような日本刀の刀身に彫刻を増やした場合に買取してもらえるのか、その点を知っておくことが必要です。
日本刀に傷がついていても買取してもらえる
日本刀を買取してもらおうと考えた場合に最初に目につくものが傷になりますが、どのように美しい日本刀であっても小さな傷はついているものです。これは鍛錬する際に付くものもあれば鞘に入れて保管したり、手入れの状態によって大きく変化するものです。
手入れをする際に砥石の角度を間違えてしまうと、光の反射が違ってきてその部分だけ見え方が違ってくることもあります。また刀身の表面に黒っぽいものが付着することもあります。これは錆びであり保存状態によって多く出てきてしまうことも多々あります。
ではこのように傷が付いていたり錆びが発生したりしている日本刀は買取してもらえるかというと、それは可能といえます。日本刀自体が価値のあるものなので、多少の傷や錆びなどであれば問題なく取引することができます。しかし注意しなければいけないことがあり、それは状態が悪ければ価格も低くなるということです。
綺麗に手入れされているものと汚い状態の物では、当然綺麗に手入れされている物の方が買い手にとっては嬉しいものです。また業者によっては傷などがある物は買取していないこともあるので、売りたい場合は事前に連絡を入れて確認しておくことがとても重要なことになります。そうすることにより査定してもらう際に買取が不可になり無駄足になることを防ぐことができるのでしょう。
自分で刀身彫刻をすることは大きな傷を作ることになる
日本刀はそれ自体が完成品であり、一つの美術品でもあります。そのため刀身の輝きや美しさなど、作られた状態に近ければ近いほどその価値があります。彫刻などが施されているのであればそれがしっかりと確認でき、溝などがすべて残っているものが価値があるといえるでしょう。
そこで注意したいことが自分で彫刻を増やしたらどうなるのかということです。それは美術品を傷つける行為になるため価値を大きく下げることになります。絵画でいえばとても価値のある物なのにその上から素人が絵の具で色を付け足したことと同じで、本来の価値を失うことになります。
特に日本刀の場合には金属を削るということになり、修復不可となってしまうため注意しなければいけません。 このようなことから刀身彫刻を行うことは、大きな傷を作ることになるため買取価格を下げることに繋がります。
さらに素人が自分で行うことであるため、通常の傷よりも厄介なものになり買取を拒否されることもあります。売りたいと思った場合には、業者にどのような状態なのか知らせたうえで確認するようにしましょう。
せっかく価値のあるものを無価値なものにしないためにも、自分で彫刻するなどの余計なことは決してしないことが大切になります。
自分でしたものではない彫刻がある場合は
日本刀を制作する場合には刀鍛冶が最初から最後まで作るものですが、そのあとに別の誰かが手を加えている場合もあります。本物であれば数百年前にできたものもあるなど、残っていれば長い時間が経過しているものもあります。そのような場合に綺麗な状態で残っているものもあれば、錆びでボロボロになっているものもあるなど品質は様々です。
長い時間が経過したものは色々な人の手に渡っている可能性も多く、その際に何か手を加えられていることも考えられます。その際に彫られて模様が変わっているものがある可能性もあるので、注意が必要です。
そこで製造されてから誰かの手で彫刻されたものは価値がないかというと、一概にそうとは言えません。当然素人がしたものであればただの傷でしかないため、本来の価値を損ねることになるのは言うまでもありません。
しかし有名な芸術家が施したものであれば、話は変わってくる可能性があるのでその点に注意しておくことが大事です。日本刀自体の価値がなくても、芸術家が施したものであればそれだけで価値が跳ね上がることもあります。
芸術的な価値がありそうだと感じた場合には、買い取り専門店で見てもらうだけでなく、しっかりとした古美術の鑑定士に見てもらうことも選択肢の一つです。そうすることで一見無価値に思えるものでも、価値のあるものに変わってくれるかもしれません。
日本刀はそれだけで十分な価値のあるものなので、自分で刀身を彫刻するなど余計な手を加えるのはやめましょう。買取してもらいたいのであれば普段から錆びないように基本的な手入れをしておくことが価値を損ねないためには必要となります。