海外の人々が日本に抱く印象としては武士文化ですが、その武士文化の象徴といえば日本刀です。
現在では骨董品の価値が見直され、国内の買取業者では偽物であっても年代物であれば高い価値で取引されています。
そんな刀を国外に持ち出して売りに出せるのか気になるところです。
なぜ日本刀が人気になっているのか
日本刀は海外でも買取してもらえるのかについては、ショップに持ち込めば高い評価で買取が出来ます。なぜ海外でも取引される場所が増えているのかというと、イベントやインターネットが関係しているのです。
日本が海外に発信する文化クールジャパンによって、日本の忍者文化や武士文化が人気になっています。そのためアメリカやヨーロッパの一部では友好のあかしという意味合いもありますが日本風公園というものが設置されており、京都や奈良にあるような庭園が再現されているだけでなく古来の建物が建てられています。
さらに日本風建築に興味を持った外国の人々が、自宅の一部もしくは別荘をリフォームする際に日本建築の技術を取り入れた部屋を作るのも増えているのです。実際に建てた際に、こだわりのある人間にとっては外装だけでなく内装も重視したいという人がいます。そんな日本風建築の内装もこだわりたい人にとって、雰囲気を醸し出せる日本刀は是が非でも手に入れたい代物です。
もちろん雰囲気を醸し出すために手に入れたいと思う人だけでなく、単純に見た目がかっこいいという観点からインテリアアイテムとして持ちたいという人もいます。そういう形でニーズが高まっていることによって、これまで日本の代物を扱うことのなかった取引場でインテリアアイテムになることがわかったことにより日本刀は高い価値で取引されるようになっています。
実際に持ち出すには輸出監査証明が必要
日本刀は海外でも買取してもらえることが分かったところで、実際に持ち出す際の注意点としては輸出監査証明が必要という点です。輸出監査証明というのは文化庁が発行する持ち出し許可書のことで、持ち出し禁止でない美術品であるかどうかを確認するために必要な書類になります。なぜ輸出監査証明という書類が必要なのかというと、国外に重要文化財や貴重とされているものを持ち出してしまい紛失してしまうのを避けるためです。
日本刀を持っている人の多くは、基本的に代々受け継がれてきたものを所持している形で持っているのが通例になります。そのような形のため特に鑑定を受けずに持っているという理由になっていますが、実際に鑑定を受けてみると刀の中には相当な手練れの武士や武将が持っていた名高いものだったということがよくあるのです。
そういった本来国宝になるべき名高いものが、本来の価値を見いだされずに海外に持ち出されてしまうと2度と戻ってこないか、知った後に戻そうとしても交渉するための資金が必要になる場合があります。そのため国宝級の代物が紛失をするのを防ぐために、国外にもっていく前に文化庁に買取に出す刀を送り鑑定してもらって輸出を禁止されていない美術品であることの証明する必要があります。
そして輸出を禁止されていない美術品と証明ができれば、後日輸出監査証明が発行され届きます。その発行された書類を、刀を入れた箱に張り付けておけば海外の通関も通るので持ち運びができるのです。
どうやって輸出監査証明をもらうのか
持ち出すのに必要な輸出監査証明をどうやってもらうのかというと、東京の霞が関にある文化庁文化財部美術学芸課で輸出監査証明の申請が行えます。実際に東京に出向かないと申請が出来ないのかというと、文化庁文化財部美術学芸課には窓口で行うだけでなく写真送付込みの郵便での申請も可能なので安心してほしいです。
申請が完了をすると後日必要書類が自宅に届くので、その必要書類に情報を記載して文化庁文化財部美術学芸課に送り返すだけです。ただここで注意してほしいのが、送られてきた必要書類に漢字や住所で記載間違いをするのはご法度です。この書類は国内外の通関を通るための大切な証明書なので、申請内容に不備があると通関を通らないだけでなく最悪の場合虚偽申請と受け取られてしまい事情聴取を受ける可能性があります。
そのため自信がない人は、事前に別の紙に申請内容を書き記して問題がないか確認をしてから記載するという方法を取るのが良いです。それでも不安があるのであれば、自治体に申請すると輸出監査証明を書いてくれる代行サービスを紹介してくれるので利用料金を支払って利用するのが安全です。
不備が無く輸出監査証明が完了すれば、2週間前後で届きます。これで輸出監査証明の作業が完了ですが、その前に必ず確認してほしいのが輸出する通関の日程を確認することです。この輸出通関の日程と輸出監査証明の時期を合わせないと、せっかく証明できても品物を送ることができないので予定を合わせる必要があります。
最後に海外のショップでも価格には違いがあるため、しっかりと見積もりをもらって納得のいく金額を提示したショップに売ることも重要です。
日本が海外に発信する文化クールジャパンによって、インテリアアイテムとして日本刀が人気になっています。そのため海外でも買取で高い価値がありますが、実際に行うには輸出監査証明をもらう必要があり、申請書は丁寧に記載して作成する必要があるのです。