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公開日:2021/01/01  

日本刀買取における軍刀の評価とは

旧日本軍が採用した軍刀は、大量生産されていたことから評価が低いと思われがちです。しかし、実際には査定して買い取ってくれる業者も多くあります。採用した陸軍や海軍、その目的や製作年代によって種類もさまざまで、中には買取査定で高く評価される場合もあるようです。ここでは。軍刀の買取について触れていきます。

旧日本軍が採用した科学的な日本刀

軍刀に対する一般的な認識として、伝統的なたたら製法ではなく近代的な鋼材と製法を用いていたことや機械鋳造によって大量生産されたため、粗悪品のイメージがあります。確かに日本刀とは異なる姿をしていますが、近代化が推し進められた明治・大正・昭和期において活躍しました。

その種類には大きくわけて陸軍と海軍の2種類があります。有名なのが陸軍軍刀や陸軍三式型、海軍軍刀と海軍短剣、サーベルスタイルの海軍指揮刀などがあり、それぞれに初期型(標準型)後期型といったように製作年代によって装飾やサイズが違ってきます。

装飾には日本刀のデザインをベースにした柄・鍔に加えてストラップのような刀緒がついている場合もあります。刀身には、スウェーデン鋼と和鋼を合わせた素材を採用しており、開発に関わった村田経芳陸軍少将の名を冠して村田刀と呼ばれていました。その特徴として明治初期に導入されたサーベルよりも鋭い切れ味があり、同時に寒冷地での戦いにおいて折れることもありませんでした。つまり「科学的に分析され開発された日本刀」が軍刀の本当の姿であり、多くの方がイメージする粗悪品とは事実とは違います。

また戦中末期に制作されたものは、外装が簡略化されたり、刀身に特殊鋼を用いるなど資源の少ない中でのやりくりされました。とくに昭和19年以降になると廃鉄なども使われるようになったため、質が低下しています。この戦争末期に作られた軍刀が、ネガティブな評価につながっていると考えられます。

買取査定で評価されるポイントとは

伝統的な日本刀であれ、旧日本軍が開発した軍刀であれ、美術的価値の有無が評価されるポイントになります。現在では銃刀法に規定されており、基本的に美術鑑賞目的以外で所有することは禁じられているからです。そのため買取査定で評価されている軍刀も美術品としての価値がポイントになります。

具体的には、保存状態のよさが査定評価に大きく影響します。付属品である鍔や旧日本軍独自の刀緒などがある場合は、それらも揃えておいてください。また鑑定書がある場合は、それも一緒に査定に出すと有利になります。これに加えて素人判断で補修などをしてはいけません。たとえば柄の部分にほつれがあるからといって自分で直したりすると、評価が下がる可能性があります。問題がある場合は、専門家に修理を依頼することをおすすめします。

よくあるのが、刀身に錆があるといった状態です。もし軍刀が身近にある場合は、戦後70年以上も現存していることになります。物によっては100年近く保管されている可能性もあるため、サビが出ていても不思議ではありません。そんなときでも素人判断でサビを取ろうとしないでください。市販されているサビ取り材、研ぎ石などを使って落とそうとすると状態が悪化してしまいます。専門的な知識がなければキレイにサビを落とせないため、必ず日本刀や軍刀を扱う古美術商などに相談してください。

買取で評価されない軍刀の特徴と評価ポイント

買取店が評価できないものもあるため注意してください。よくあるのが本身入りで未登録のものです。本身とは鉄などの鋼材で作られた刀のことであり、実際に武器として使えるものを指します。いわゆる真剣と呼ばれていて、銃刀法の対象となることから未登録だと査定評価してもらえません。未登録の場合は、新たに登録手続き後に買取査定に出すと評価してもらえます。この他にも盗品などのように、法令により所持・譲渡売買できないものであれば難しくなります。

登録については最寄りの警察署に相談してください。各警察署の窓口にもっていき、発見した経緯と事情を伝えると登録手続きを教えてくれます。また発見した場所の最寄りの警察署に軍刀を提示します。実家の家族に不幸があり遺品整理中に発見したが、東京や大阪など他、現在居住している場所の警察に届け出てはいけません。あくまで「発見した場所の最寄りの警察署」に届け出なければならないため、注意してください。

評価されるポイントも紹介しておきましょう。旧日本軍が採用した軍刀には、所有者の階級によって大きく違ってきます。階級が低いほど大量生産されたものとなり、その分だけ価値も下がります。また階級が高くなるほど価値が高くなり、とくに華族や将校向けのものは高値査定を期待してよいです。もちろん刃が錆びていない、付属品や鑑定書がついていることも重要なポイントになります。

 

買取における軍刀の評価について紹介しました。粗悪品イメージがありますが、戦中末期に作られたものに限られていて、明治以降に製作されたものの多くが良質であり、科学的に開発された日本刀といってもよいでしょう。もし手元にある場合は、買取査定に出してみてはいかがでしょうか。

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