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公開日:2021/10/15  

打刀とはどのようなもの?特徴や歴史、種類などについて具体的に解説


日本刀(にほんとう)といえば、みなさんイメージできると思いますが、打刀(うちがたな)といわれてピンとくる方は少ないでしょう。打刀は一般的に呼ばれている、日本刀と同じ刀剣のことなのです。武士が腰に刀を2本差していますが、その長い方が打刀となります。今回は打刀の由来や種類などを詳しく解説していきましょう。

打刀とは?

打刀(うちがたな)とはいわゆる日本刀のことで、武士が持つ2本の刀の長い方を指して呼んでいます。刀といえば武士のイメージが強いのですが、歴史は弥生時代まで遡ります。最初は中国などから伝わってきた刀身に反りがまったくない「直刀」が用いられていました。刀として定着したイメージである、弓なりの反りのある刀が使われるようになったのは、平安時代からといわれています。このころは打刀でなく太刀と呼ばれていました。

打刀(うちがたな)になったのは室町時代中期から

太刀については後で詳しく解説しますが、打刀は太刀から作り直されたものもたくさんあります。打刀が使われるようになったのは、みなさんがイメージする武士が刀を2本持つようになった「大小2本差」が主流になってからです。

腰に差して持ち歩くので軽量化された

太刀は馬に乗ったまま戦えるように作られていましたが、腰に差して持ち歩くようになったので、刀身の厚さを薄くして軽量化を図り、反りを浅くして抜刀しやすいように改よされてできあがったのが打刀です。

騎馬での戦いから徒歩での戦いに

打刀が誕生した由来には、戦の形式が変わってきたことも挙げられます。馬の上で戦いやすく作られたのが太刀なのですが、時代の移り変わりと共に戦い方も変化して徒歩での戦いが主流になってきたのです。足軽兵など前線に人を配置して戦うには、大きな太刀では戦い難いので軽くて人間が持って戦える打刀が開発されました。

太刀を「磨上げ」して打刀に代えた

打刀が使いやすいといっても、すべての太刀を捨てる訳にはいきません。太刀の中にも名工と呼ばれる刀工が作った素晴らしい刀も存在します。そこで「磨上げ」と呼ばれる改造を太刀に施し、打刀として生まれ変わらせた刀もたくさんあるのです。

打刀の種類

打刀には、銘のある物がたくさん存在しています。有名なところでは「妖刀村正」でしょう。有名な刀工の一振りにはいろんな噂がついていますからね。ここでは、著名な刀工による打刀をご紹介しましょう。

村正

室町時代から江戸時代初期にかけて、現在の三重県桑名市で活躍した刀工です。伝説として語り継がれているのが、徳川将軍家に災いをもたらしたといわれる「妖刀村正」を作った刀工という話ですね。もちろん「妖刀」の話は作り話ですが、それだけ素晴らしい打刀であった証ともいえるでしょう。

長曾祢虎徹(ながそねこてつ)

「虎徹」もよく耳にする呼び名で、江戸時代に活躍した刀工です。甲冑師から転職した刀工ですが、人気があったゆえに偽物もたくさん出回ったことも語り継がれています。

堀川国広(ほりかわくにひろ)

刀工一派「堀川一門」の祖として広く知られている、安土桃山時代に活躍した刀工です。特徴としては打刀に不動明王像や梵字が彫られていることです。堀川国広の打刀、7振が重要文化財に指定されています。

長船住近景(おさふねちかかげ)

明智光秀が佩用していた「明智近景(あけちちかかげ)」を制作した刀工です。「備前長船近景(びぜんおさふねちかかげ)」は、大太刀を磨上げにて作り直した打刀として有名です。

打刀と太刀の違いとは?

最後になりますが、打刀と太刀の違いを解説しておきましょう。先に少し触れていますが、太刀は馬の上での戦いに特化した刀です。そして、打刀より古くから存在していたのも太刀なのです。まずは太刀について解説しましょう。

太刀とは長さ約80cmの刀のこと

太刀(たち)とは、長さ約80cmの刀剣のことで、馬での戦いに合わせて作られた刀です。騎乗用の武器としてもっとも使用されたのは、刃長が約90cm(3尺)以上ある大太刀(おおたち・おおだち)です。大太刀を使う者は身分が高い者のみなので、戦場では従者が運んでいました。

騎馬の戦いから徒歩の戦いに

ここは先にもお伝えしたとおりとなりますが、戦の方法が騎馬から人への移り変わりによって、太刀の使用もなくなっていきます。そして、戦いで使う刀も「太刀」から「打刀」に代わっていったのです。

打刀と太刀の違いその1身に着け方が異なる

打刀を身に着ける時は、刃を上にして身に着けますが、太刀の場合は刃を下向きにして身に着けます。これは、それぞれの使い方の違いが理由となっています。打刀は抜刀して素早く相手を斬るために刃を上向きに身に着けています。

一方で、太刀の場合は馬の上から、大きく振りかぶって断ち切るように斬りつけるのが特徴です。なので、太刀は刃を下向きで身に着けるのです。

打刀と太刀の違いその2身に着ける呼び方が異なる

太刀を持ち歩くときは「刀を佩く(はく)」と呼びますが、打刀を持ち歩く際には「刀を帯びる(おびる)」と呼びます。

打刀と太刀との見分け方

打刀と太刀を見分ける方法は、銘(めい)の彫ってある位置で見分けます。打刀の銘は差表(さしおもて)といって、刃を上に向けて差した時に体の外側になる面に銘が彫ってあります。太刀の場合は、佩表(はきおもて)といわれる刃を下に向けて佩いた時に、体の外側になる面に銘が彫ってあるのです。

 

今回は打刀(うちがたな)について、詳しく解説してみました。日本刀のことを打刀と呼ぶとは、知らなかった人の方がきっと多いはずです。ただ、ワープロでも「うちがたな」と入力して変換するときちんと「打刀」と出てくるので驚きです。打刀を語るには太刀を外すことはできません。太刀と打刀の関係はとても深いもの。手元に打刀や太刀がある方は、一度査定し、その価値を正しく理解しましょう。記事内で紹介した有名な刀工の一振りで、高価で買取してもらえるかもしれません。

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