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公開日:2022/11/15  

有名な戦国武将はどんな刀を持っていた?前田利家の愛刀をご紹介!


「加賀百万石」といわれる加賀藩の礎を築いた戦国武将・前田利家。大河ドラマから「堅実派」「愛妻家」といったイメージをもつ人も多いかもしれません。そんな前田利家はどんな刀を持っていたのでしょうか。この記事では、前田利家の功績をはじめ、前田利家にゆかりのある刀と現在の行方などについて紹介します。

前田利家とは

戦国武将・前田利家とはどのような人物だったのでしょうか。まずは前田利家の人物像や功績を簡単に紹介します。

織田信長に寵愛された槍の名手

加賀百万石を治める前田家の基盤を築いた前田利家は、尾張国の土豪の家に生まれました。14歳の頃から織田信長に仕えていた前田利家ですが、青年期は晩年のイメージとは異なり、大胆で派手好き、けんかっ早い性格であったといわれています。6メートル以上もの派手な槍を持ち歩いており、槍の名手でもあったことから「槍の又左」と呼ばれ恐れられていました。そんな前田利家は、織田信長の寵愛していた茶坊主を斬ってしまった「笄斬り」という事件により追放された苦難の時期を乗り越え、数々の戦いで手柄を立てることで織田信長を支えました。

豊臣秀吉を支えた加賀百万石の大名

織田信長が本能寺の変に倒れた後は、古くからの親友であった豊臣秀吉につき、五大老の一人として豊臣秀吉の天下に大きく貢献します。前田家が仕えていた柴田勝家と豊臣秀吉の戦いである「賤ヶ岳の戦い」では、一度は柴田側についたものの結局は戦わずに撤退するという決断で豊臣秀吉を勝利に導きました。

これをきっかけに秀吉の利家に対する信頼は絶大なものとなり、加賀百万石の礎となる国2郡の領地が与えられたのです。前田家の繁栄は利家の妻「まつ」による功績も大きく、その聡明さや夫婦仲のよさは大河ドラマにもなったほどです。利家の没後も11人の子どもたちにより加賀国は守られ、前田家は幕末までその名を残す貴重な存在となりました。

前田利家の愛刀

そんな前田利家にゆかりのある刀を3つ紹介します。

大坂長義

大阪長義(おおさかちょうぎ)は正式名称を短刀銘備州長船住長義正平十五年五月日(たんとうめいびしゅうおさふねじゅうちょうぎしょうへいじゅうごねんごがつひ)といい、備前の刀工・長義が作った短刀です。重要文化財に指定されているこの短刀は、豊臣秀吉の愛刀が前田利家に譲られ、前田家の家宝として長く伝来したものとされています。

大典太光世

大典太光世(おおてんたみつよ)は平安時代の刀工・典太光世の作で、前田家の家宝とされてきた日本刀です。もとは足利家の家宝だった刀が秀吉の手にわたり、前田利家に贈られました。国宝に認定されている刃長66cmの刀で、1792年に江戸千住の小塚原で行われた試し切りでは、積み重ねた死体2体を切断し、3体目の背骨まで達したという記録が残されています。

切刃貞宗

切刃貞宗(きりはさだむね)は相模国の刀工・貞宗によって作られた刀で、大鋒・大切先で地沸の厚く付いた勇壮な作風が特徴的です。切刃貞宗は豊臣秀吉の晩年に前田利家へと贈られ、前田家で所蔵されたのち、前田利恒により江戸幕府3代将軍の徳川家光に献上されたといわれています。その後紀州徳川家に下賜され、5代将徳川綱吉の代に再度徳川将軍家へと戻されました。

前田利家の愛刀の現在

戦国武将・前田利家にゆかりのあるこれらの刀は現在どこにあるのでしょうか。さきほど紹介した刀は国宝や重要文化財に指定されており、現在は次のような財団で所蔵されています。

一般財団法人刀剣ワールド財団

一般財団法人刀剣ワールド財団は東建コーポレーション株式会社によって設立された財団法人で、日本刀や甲冑などの伝統工芸品を収集、保存、展示することで日本の伝統文化を守ることを目的としています。2020年に開館した名古屋刀剣博物館には、前田家の家宝である大阪長義をはじめとするさまざまな刀剣が所蔵されています。

公益財団法人前田育徳会

公益財団法人前田育徳会は、前田家が収集した文化材などを保存・公開する公益財団法人です。前田家の家宝とされた大典太光世をはじめ、前田利常に献上された短刀・前田藤四郎(まえだとうしろう)などの名刀も前田育徳会に所蔵されています。前田育徳会には収蔵品を展示する施設は属しておらず、収蔵品は石川県金沢市の公益財団法成巽閣または石川県立美術館にて観覧が可能です。

東京国立博物館

東京国立博物館は1872年に設立された日本最古の博物館です。所蔵品の総数はおよそ11万7,000点におよび、国内最大の規模を誇ります。前田家にゆかりのある切刃貞宗をはじめ、徳川将軍家に伝承された国宝の太刀・三日月宗近(みかづきむねちか)など国内屈指の刀剣が所蔵されています。

まとめ

「加賀百万石」の前田利家について、その生涯とゆかりのある刀を紹介しました。博物館では前田利家をはじめ数々の武将が手にした刀剣を目にできます。また刀剣一つひとつのエピソードを詳しく知れるのも醍醐味のひとつでしょう。もし自宅に古い日本刀があるのなら、その刀もまた味わい深いエピソードをもっているかもしれません。鑑定していない刀がある方は、ぜひ一度専門家の鑑定に出してみてはいかがでしょうか。

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