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公開日:2024/03/23  

大般若長光の魅力とは?多くの戦国武将が愛した刀剣をご紹介!


大般若長光は、鎌倉時代に長光が作刀した太刀です。長光の作品には6点の国宝と、28点の重要文化財があります。唯一無二の腕前にほれ込み、徳川家康など多くの戦国武将の手にわたってきました。そこで当記事では、大般若長光の魅力について解説していきます。現在は東京国立博物館に収められているので、一般の方でも鑑賞できます。

大般若長光とは

大般若長光の特徴について深掘りしていきます。また名前の由来も合わせてご紹介します。

大般若長光って何?

大般若長光(だいはんにゃながみつ)は、鎌倉時代に作刀された日本刀です。作者は備前長船派の長光で、太刀を中心につくっていた刀工です。備前長船派の創始者である刀工・光忠を父に持ち、長船鍛治の本家を継承しています。

二代目を継いだ長光は、光忠の築いた長船派の地位をより大きなものにしました。大般若長光は、徳川家康や織田信長がこよなく愛した名刀です。国宝に指定され、東京国立博物館に所蔵されています。

大般若長光の特徴

刃長73.6㎝、反り2.9㎝、腰反りが高く、切先は中切先詰まっています。目釘孔には佩表に「長光」二字銘が彫ってあるのが特徴です。扱いやすいよう軽量化されており、実践向きの太刀として知られています。華やかな刀文が印象的な長光らしい作風です。

「太刀」と「刀」の違いですが、素人目だとあまり差を感じません。「太刀」は刃の長さが60cm以上で、反りの深いものが多いです。1mを超えるものは「大太刀」と呼びます。「刀」は刃の長さが60cm以上で、室町時代以降に作られたものをさします。太刀を短くし(磨上)、銘がなくなってしまったものも刀に分類されます。

名前の由来

刀の値段が由来になっています。室町時代、他の名刀の値段は高くても100貫ほどだった中で、600貫という破格の価値がつけられました。600巻で構成される「大般若経」になぞられたことが由来です。600貫=大般若経という発想は、当時の仏教文化からきたものです。

現在の価格で6,000~9,000万円ほど。名刀として知られている、国綱や吉光でも100貫ほどだったといわれています。

大般若長光を有していた武将たち

大般若長光という名刀は、その存在感と歴史的な価値から、数々の著名な武将たちによって所有されてきました。以下では、この名刀を手にした武将たちの来歴をみてみましょう。

足利将軍家から三好長慶へ

もともとは、室町幕府将軍・足利義輝が所持していたことが始まりです。1565年5月19日、足利義輝が重臣・三好長慶に下賜したといわれています。

織田信長から徳川家康へ

その後、織田信長の手にわたります。1570年6月の姉川合戦で、徳川家康が織田軍を助けました。その際のお礼として、家康に大般若長光をゆずりました。

徳川家康から奥平信昌へ

1576年7月、長篠の戦いの功績がたたえられ、大般若長光を奥平信昌に与えました。この戦がキッカケで、自分の娘である亀姫を奥平家へ嫁がせることにしたそうです。

奥平信昌から松平忠明へ

その後、奥平信昌の4男である、松平忠明が所持するようになりました。そのまま、忠明の家系である武州忍藩松平家に受け継がれました。

近代

大般若長光は、松平頼平氏を通じて売りにだされました。山下亀三郎氏が購入したとされています。

現在は国宝として東京国立博物館に収められている

現在は国宝になり、東京都台東区にある東京国立博物館に所蔵しています。関東大震災でのエピソードなどを紹介するので、さらに理解を深めていきましょう。

長光作は国宝が多い

長光作は、国宝と重要文化財を合わせて34点があります。身幅がまっすぐな直刃や、小さい丁子が混じった控えめな刃文があるのが特徴です。豪快さというよりは、穏やかで上品な作風が多いです。また「長光」の名前を持つ刀工は、備前だけではなく、全国に25工ほど確認されています。

関東大震災で崩れた土蔵の下敷きに

1923年、関東大震災で崩れた土蔵の下敷きになり、大般若長光は曲がってしまいました。死者・行方不明者が10万人を超え、東京都や横浜を中心に大きな被害を受けました。研師・吉川恒次郎の手によって修復されましたが、蔵品売立を行った際には親引きになったそうです。

その後、愛刀家である伊東巳代治伯爵が購入しました。1931年12月14日に重要文化財に指定。伊東伯爵が亡くなった後、1939年に東京国立博物館に買い上げられることになりました。

大般若長光は1億円以上の価値がある

伊東巳代治伯爵が、大般若長光を所持していたころのエピソードです。伊東巳代治伯爵は、農商務大臣を務めていたほどの実力者でした。愛刀家として知られ、膨大な数の刀剣を持っていました。1934年、伊東巳代治伯爵が亡くなると、所持刀は売立に出されるようになりました。

その際に、大般若長光に提示された価格は6萬円。現在の1億2,000万円の価値です。値段が大きすぎて、なかなか買い手が見つかりませんでしたが、1941年に旧帝室博物館が買いとりました。

東京国立博物館とは

さまざまな逸話がある刀ですが、現在は東京国立博物館に収められています。日本の歴史や魅力について学べる観光スポットとして人気です。刀以外にも、土器や仏像など貴重な文化財を鑑賞できます。広大な敷地内には、上野恩賜公園があるのでデートや観光に訪れる方も多いです。1億円以上の価値がつけられている「大般若長光」をぜひ見にきてください。

まとめ

本記事では、大般若長光の魅力についてご紹介してきました。作者は、備前長船派の創始者である刀工・光忠を父に持つ長光です。鎌倉時代から腕利きの刀工として知られ、織田信長や徳川家康などに気に入られてきました。数十もの国宝や重要文化財を後世に残し、代表作である「大般若長光」は1億2,000万円の値がつけられました。現在は、東京国立博物館に収蔵されているので一般の方でも鑑賞できます。

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