自宅などに鎧兜を保管していて査定に出すことを迷っている人に、今回の記事はおすすめです。鎧兜は時代や鎧兜の状態などで買取価格に差がつきますが、鎧兜に精通している買取スタッフがいる専門店で査定を受けてみましょう。鎧兜の見どころと鎧兜を買い取ってもらうときのポイントなどを紹介します。ぜひ参考にしてください。
鎧兜の見どころ
見どころについて紹介します。特徴として、実用性に長けているだけではなく、華やかさもあわせて持っていました。
小札
鎧を構成するもっとも基本的なものといわれています。大きさは5~7cmで、革や鉄が素材として用いられています。小札の大きさは小さいですが、表面には黒漆、朱漆、金箔、銀箔が塗られていました。これは装飾という意味のほかにも、防錆や補強のためだったといわれています。なお、鎧兜の中には2,000枚の小札を使用していたものもありました。
かわどころ
皮革で作られた部分をかわどころといいます。こちらは装飾用を重視した部分と実用性を重視した部分があります。代表的なかわどころとして、黒漆塗十二間大円山の鎧兜があります。見どころは、華やかな絵かわの付けられた部位です。絵かわは、大鎧、胴丸、腹巻にも使用されています。
おどしげ
毛引おどし、縦取おどし、素懸おどしが存在します。おどしげは、小札を綴り付けるために用いられました。組紐やかわのことを指します。日本独自のものとなっていて見どころがあります。
金具まわり
金具まわりは、主に体を防護するために装着されていたといわれています。素材は、鉄や革となっています。弓矢や刀から体を防護するだけではなく、貫通力が高い槍や火縄銃からも体を防護していました。
金物
実用と装飾の意味で使用されました。金、銀、銅が素材となっています。きめ細やかな技術が結集している金物は、鎧兜の全体に散りばめられているので、華やかに装飾しています。
時代にともなう鎧兜の変化
戦い方の変化や使用する武器の変化に伴い、鎧兜も変化しました。
概要
新たな武器の使用や戦法の変化の影響を受けて、鎧兜も時代とともに変化しました。主な鎧兜の種類は、大鎧、胴丸、腹巻、腹当、当世具足があります。
平安時代の鎧兜
日本的な鎧兜が登場したのが平安時代です。平安時代を象徴する貴族社会は武士にも影響を与えました。実用的な鎧兜と華やかな鎧兜を融合させたデザインとなっています。平安時代に用いられたのが大鎧と胴丸です。
鎌倉時代から室町時代の鎧兜
源平の合戦以降、1対1の戦いは終わりを告げます。その後は、より機能的な動きができるような鎧兜が登場しました。平安時代と比較すると胴丸は発展しました。また、腹巻や腹当とよばれる新たな防具が登場しました。
戦国時代以降の鎧兜
体の隙間をなくすような鎧兜が戦国時代の主流になりました。戦国時代は槍と火縄銃を使用した戦い方となっているので、体の隙間をなくす必要がありました。また、これまでよりも頑丈な鎧兜が誕生しています。そして、西洋から送られてきた胴が武士の間で流行しました。さらに、小札の制作過程もこの機会に見直され、より効率的に鎧兜が作られるようになった時代でもあります。
鎧兜を買い取ってもらうときのポイント
人気の鎧兜は高値で買取される可能性があります。たとえレプリカであっても査定を依頼してみましょう。
代表的な鎧兜の買取相場
早乙女家久の鎧兜は15~30万円です。時代の鎧兜は10~30万円です。鎧兜は5~10万円です。江戸時代の鎧兜は15~20万円です。明珍の鎧兜は20~50万円です。
兜の立物の有無
兜の立物によって制作年代が判明します。立物があると高値で買取される確率が高まるでしょう。
時代背景と流派の違い
基本的に高値で買取されるポイントは、時代が古いことが条件になります。また、室町時代の鎧兜は数が少ないため、希少価値が高いといわれています。しかし、時代が古くてもレプリカの場合は価値が低下するでしょう。そのため、レプリカよりも江戸時代の鎧兜のほうが高い評価を受けることが多いです。
甲冑師の認知度
明珍派、春田派、岩井派は有名な甲冑師です。甲冑を制作することで生計を立てていた人は、人気の甲冑師でした。その人が制作した鎧兜であれば高値で買取される確率が高まるでしょう。
鎧兜の状態
汚れや傷が目立つような場合は減額となってしまうでしょう。柔らかい布でこするだけでもメンテナンスになります。何もしないよりよいので、査定前にメンテナンスを行いましょう。
まとめ
平安時代から登場した鎧兜は大きな変化を遂げてきました。美術工芸品のような繊細な作りは、見る人を驚かせるものがあります。膨大な時間を費やして制作されたものだからこそ、価値が大きいことが分かります。鎧兜を査定に出すときはポイントを踏まえておきましょう。メンテナンスはしないよりしたほうがよいですが、鎧兜を過度にメンテナンスするとよさが失われてしまうことがあります。やり過ぎには気を付けましょう。不明な点は、買取専門店のスタッフに質問してみてください。さらに、買取専門店のホームページなどに鎧兜の買取方法などの詳細が記載されているので確認してみましょう。