近年、日本の文化は外国人にとってたいへんな人気を得ていて、古来からある日本刀についても、その良さがクローズアップされてきています。日本刀を鑑賞する上で、肌立つ、肌詰むという表現を聞くことが多くなってきましたので、今回はその意味をご紹介します。
日本刀の魅力はどんなところでしょうか
昔からある日本刀は、その時代によって姿を大きく変えていました。しかしその姿が変わっても、非常に頑丈でシンプルという一貫性は変わっていません。
西洋の刀にはさまざまな装飾がほどこされています。しかし日本の刀はシンプルであっても、その美しさは類を見ません。刀の反り方や刃文を見ても、各時代の刀工の技術によって独特の違いが見受けられます。刃文にも、そのさまざまな模様が浮かび上がっており、日本独特の文化を感じることでしょう。
また刀の真剣を使って、試し切りをしてみたいという外国人の方々もいらっしゃいます。そのような体験をすることができるスポットもありますので、一度確認しておくことをおすすめします。外国人と一緒に日本文化を共有し共感することで、自分自身も国際人の一人だと実感することでしょう。
刀自体ではなく、刀の鞘だけを購入する外国人もいます。鞘だけを購入することでも、日本の文化の香りを実感するとともに、その文化や時代を感じ、学ぼうとする意識の表れではないかと考えられます。
肌立つ肌詰むはどのような意味でしょうか
日本文化を代表し外国人を魅了している日本刀を鑑賞する際、肌立つ、肌詰むという表現があります。
肌立つという意味はその刀の地肌の模様が、しっかりと見て取れるということです。刀の表面には独特の模様が浮き出ており、刀工の技術や思い入れなどによって模様は変わってきます。刀を鑑賞していると、その模様を見るたびに、いわゆるわびさびを実感することでしょう。ここに日本の心があらわれています。また肌詰むですが、これはその模様のきめ細かさを表現している言葉です。
普段は日本刀を特に意識していない方々にとって、このような表現を聞いてもどのような状態を表現しているのか、まったく想像すらできないかもしれません。しかしいったんその意味を知ると興味が深まり、実物を見てみたいという要求が心の底からわき上がってくるのではないでしょうか。
日本刀は鉄を熱して伸ばし、叩いて作ります。この製造方法を鍛造と言います。数種類の鉄を合わせて作っていくため、強度が増して強くなっていくのです。この製造のときに、刀の真ん中に柔らかい鉄を入れることでしなやかさを作ることができます。頑丈で硬く、またしなやかさを合わせ持った刀は、鑑賞用とともに切れ味もするどいものになっています。
日本刀には専門用語がたくさんあります。肌立つ、肌詰む以外には無地風という言葉もあります。新しい刀に多いのですが、一目見て模様がわかりづらいときに用いられる表現です。またそれとは別に匂という言葉があります。刀は焼き入れをおこなって作られますが、その焼き入れ工程で発生する金属成分の結合状態をあらわしており、匂の状態によっては玄人が絶賛する刀に仕上がります。
買取をしてもらいたい場合どうしたらよいでしょうか
もし日本刀を持っていて売りたいと思った場合、どのようにしたらよいでしょうか。最近ではいわゆる終活で、自宅の整理をされている人たちが多いです。そのようなときに、古い刀が出てくればそれがどのくらいの価値を持っているのか、誰でも興味を持ってしまうことでしょう。
保管状態が良ければいいのですが、錆が出ていたり、一部分が損傷していたりする場合もあります。その場合はやはり専門の業者に相談することをおすすめします。自分で判断することは非常に難しいため、豊富な鑑定実績を持った業者であればすぐに買取をしてくれます。登録証が見つからない刀でも、業者へ相談すれば登録証の取得方法などを含め、親切なアドバイスを示してくれます。すぐれた刀であれば、かなり高額で買取してくれる場合がありますので、自宅に保管せず専門業者へ相談してみることが大切です。
日本には古来から日本刀という貴重なものがあります。昔はあまり注目されていませんでしたが、最近では外国人の人たちからその良さを絶賛されており、海外へも盛んに紹介されています。
しかし、私たちはこのような大切な日本文化を外国人に十分説明することができるでしょうか。そのためには、肌立つや肌詰むなどという独特の表現を持った刀の魅力を勉強していかなければなりません。
日本刀と一口に言っても、それぞれの刀には刀工の心が込められており、また技術や伝統、表現力も合わせ持ちながら時代を経てきました。このような技術やクラフトマンシップを次の時代へ伝えていかなければなりません。
ぜひ日本刀に興味を持ち専門のお店に相談や見学に行くことをおすすめします。それまでの刀に対する認識ががらりと変わると思います。