侍が常に身につけていた日本刀には職人技術が必要なことからも、今では日本のみならず海外でも人気になっているのが現状です。
また一から作るには様々な工程があり、仕上げの段階になると焼き入れというのがあります。
歴史から見る刀の意味があります
近年は日本刀のブームが広がりを見せていて、職人技術を見学したいという人も多く見かけるようになりました。
作っている過程をみることで、より深い意味を知ることができますし、美術品としての品格も高くなっていることがわかります。
世界には種類がいろいろな刀が存在しますが、日本刀の特徴は美しく反り曲がった刃と、片刃だというのがあります。
美しく反り曲がった刃では、その反り曲がりがあるからこそ切れ味が鋭くなり、昔の剣豪なども自分の好む形にこだわりがあったといわれています。
もちろん時代背景が戦国時代では、人を殺すための殺傷能力が十分になくてはいけないので、刀としての価値はとても重要度が高かったと推測できます。
長いものから短いもの、使い勝手はシーンによって違いがあり、馬の上から使うものでは長尺な刀でなくてはいけません。
反対に地上で戦う場合にはあまりに長いものでは戦いにくいこともあったので、自分の身長なども考慮に入れる必要がありました。
ではある程度長いほうが戦いにおいて有利に働くと考えがちですが、実は短刀も持っておくことで戦場では相手に止めをさすためにも使われることが多いといえます。
また剣術の流派なども歴史が深まることによって、より多く派生していきましたし、今では剣道などのスポーツや武道としての側面が、精神鍛錬としても人気があります。
温度の差を感じなくてはいけません
ではそれだけ歴史が古い刀を作っていくには、長年の熟練した技術が必要となります。
作る工程の中でも「焼き入れ」というのは、美しい模様をつけるためにも重要な場面だといえます。
ではどのような状態で行うのかというと、刀の仕上げ前の段階となりますので、外形は作られている状態です。
光が入ってこない状態で行う必要があるので、夜に作業することが基本となります。
特殊な工程をたどっていきますが刀を焼くには火炉に入れることになり、その中で800度程度まで上げることから始まります。
そして水槽の中に入れ急速に冷やすことで柔らかかった焼き入れを硬くすることができます。
実は温度の見極めが難しく、高すぎると亀裂が入りますし、低すぎると焼きが入らない状態となります。
この段階で失敗をしてしまうと刀として成り立ちませんので今までの成果がムダになってしまいます。
またそのために温度は色で見分けることが技術として必要となります。
美しい反りを出すために必要です
日本刀の美しい反りはどうやって出来上がるのかというと、刃土を厚く塗った棟側はそのぶんゆっくりと冷えていきます。
ゆっくりと冷えていくことによって焼きが入らないで硬化することがないです。
そして、時間をかけて冷やされると作用として縮む現象がおきます。
そのゆっくりと冷やされることによって、独特の反りが出てきますので美しいフォルムになっていくことが可能です。
反対に薄く塗ると刃側は、急激に冷えるようになるために焼きが入りやすく硬くなります。
これらのことからいい刀には柔軟性が必要となりますし、様々な場面でも殺傷能力もある鋭い切れ味を作ることができます。
実際には環境や温度によって難しさがあることから、硬度の差が生じることが技術力をつけることができ名刀ができる所以です。
また硬度の差によって刃紋が浮いてくるので刀匠独自の模様をつけることも可能になります。
いうなれば焼き入れという作業こそが、日本刀を名刀にするための最大に難しい点でもあり醍醐味ということがいえます。
繊細な感覚を持つ日本人が誇っていい技術でもあり、現代では刀の技術が包丁などの日常的に使うものにも生かされていることがわかっています。
古くなった日本刀が自宅から出てきたときには、しっかりと甦らせることもできますし専門業者に買い取ってもらうこともできます。
戦国時代でも刀というのは、その場面によって使い勝手が違いましたし必要性が高いものでした。
今では熟練した技術を持った刀鍛冶師などが、作っていますがその中でも焼き入れをすることが難しく、作っていく工程の中でも醍醐味となっています。
温度を見極めて夜に作業することが基本なので、より難しさも出てきますし、刀との向き合い方も意識的に変っていきます。
そして、ゆっくりと冷える部分と急速に冷える部分の違いがあることで、美しい反りを作り出すことができます。
それだけ繊細な感覚が必要なので、技術としては世界に誇ってもいいです。