古いものを大切にするのは日本の文化です。不要品を安易に処分せずに、その価値を再認識することも必要です。自分では価値がないと思うものでも、歴史的価値のあるものが含まれていることさえあります。押入れや物置などにあるものを全てチェックして専門家による査定を受けてみましょう。
日本刀を見つけたら専門家に相談しよう
引越しや片付けなどで押入れの奥から思いもよらぬものを見つけてしまうことがあります。その1つが日本刀です。そのようなものを見つけても、どうしたらよいのか困ってしまいます。
日本刀は鞘に収まっていても錆びからは逃れられず、時間の経過と共に朽ち果てていきます。そうなっては価値がどんどん下がっていくばかりです。中には高値で取引されているものがあるので、なるべく早く専門家に相談してみましょう。
しかしこのようなものを扱う買取業者は数が非常に多いので、どこを選んでよいのか分からないのが現実です。高額で買取ってもらうためには、日本刀の基本についてあらかじめ学んでおくことが必要になります。
そして日本刀と言えば武士道精神を思い浮かべる人も多いです。美と強さを兼ね備えているだけでなく日本人の歴史や精神をも表しています。日本刀は美術品として室町時代の頃には既に鑑定法が存在していたことが推測され、体系化されていたとも言われています。
日本刀は柄や鞘など各部位ごとに名称がありますが、手元に近い部分にあるのが鍔です。この部分は自分の手を敵の刃から守るだけでなく自らの手が刃のほうへ滑らないようにする役割があります。鍔は作られた時代や地域などの影響を強く受けた独特の形状や図柄をしていることが多く、美術品としての価値もあります。
刀ごとにさまざまな種類があり、この部分だけでも買取の対象とする業者があるほどです。自分の日本刀に付いている鍔がどのようなデザインによるものか調べてみましょう。
鍔にはさまざまなデザインがあることを知ろう
鍔は中央部の穴が茎穴で、その周辺部が切羽台です。銘が刻まれる切羽台は刀身を固定させます。そして14世紀の室町時代から戦国時代にかけて多く見られるのが刀匠鍔です。主に残った鉄の再利用により作成され、注文品に添えて納められていました。
簡単な透かし彫りを加えただけのシンプルなデザインであることが多く飾り気がないのが特徴です。しかし年月の経過と共に味わいや深みを増しながら魅力を放つようになります。実戦向きのデザインとして人気を集めています。
そして小田原や京都で多く作成されたのが鎌倉鍔です。この名称は地名や時代を指し示すものではありません。これは鎌倉彫りの技術が応用されたことによるもので、明治時代に付けられたものです。菊や唐草などの文様が鋤出彫りされ、切羽台や外側の耳と言われる部分を高く鋤き残すのが特徴です。
この種類に関しては鉄の鍛えについて決して上等とは言えません。しかし絵柄や構図に魅力があり後の職人へ少なからず影響を与えています。
そして実戦向きのデザインに飽きた上級武士向けに作成されたのが甲冑師鍔です。桜や蝶などの地透かし彫りだけでなく仏教に由来する教訓的な言葉や縁起の良い言葉も彫られています。
しかも凝った装飾が施されているだけでなく丸鍛や渦巻鍛、五練鍛などのいわゆる肌物鍛が考案されるようになります。このような高度な技術を持つ甲冑師が手がけた高級品は鎌倉時代から江戸時代まで、長い時代にわたり作られました。
そして同じように甲冑師の技術の流れを汲むのが応仁鍔です。この鍔は切羽台とその周辺に真鍮を用いて縁取りしたものと真鍮象嵌した据金物をはめ込んだものがあります。真鍮は当時としては非常に貴重なものなので、応仁鍔は高級品の1つとされています。この他にもいくつかの種類があるので、買取査定の際に参考としましょう。
信頼できる買取業者を見つけるためにも情報を集めよう
安心して取引のできる業者を見つけるのは簡単ではありません。買取業者を選ぶ際には日本刀の買取を専門にしているところを選びましょう。このような業者の中には老舗と言われる業者も多く存在しており、リサイクルショップとは比較にならないほどの高値で買取ってくれることがありま。
もし業者選びで迷ったら、国などの依頼を受けているところや各種メディアで紹介された実績を持つ業者を選ぶのが無難です。そのような業者なら市場価格に合った査定額を提示してくれます。
さらに最終判断材料として口コミサイトや人気ランキングサイトの評価を参考にするのも得策です。多くの利用者から常に高い評価を受け続けている業者なら安心して依頼できます。
日本刀の価値を素人が判断することはできません。単なる不要品と考えず、プロの査定を受けることが必要です。しかし全てを業者任せにせず、日本刀について学んでおいたほうが、何かとメリットがあります。少なくとも各部位の名称や価値のある部分についてあらかじめ知っておきましょう。
そして業者選びでは各種メディアで紹介されるような知名度のある業者の中から選んだほうが無難です。中でも口コミサイトなどで高い評価を受けていれば安心です。