日本刀を作る技術は、今も昔も変わっていません。中には展示物として機械で作ることがあるかもしれませんが、日本刀はやはり手作りに限られるでしょう。刀を1本作るには、1~2日でできるわけではなくさまざまな作業工程が必要になります。作業工程の中の1つに、火造りと呼ばれるものがありますが、これは一体どのようなものでしょうか。
まず鉄の材料を集めてそこから火造りをする
日本刀を作るときの材料は、言うまでもなく鉄になります。現代の鉄は、海外の鉄鉱石を輸入しているのが現状になりますが、当時の日本では、鉄鉱石を輸入するようなことはありませんでした。
日本国内でも全く鉄鉱石が取れないわけではありませんが、刀を作る場合は砂鉄を用いてたたらと呼ばれる製法で作っていたのが特徴です。砂鉄は、砂場なのに磁石を持っていくと磁石の先端にくっつくものです。
公園や学校の砂場に行けば、いくらでも砂鉄が取れることを見ればわかる通り、実は身近にもたくさんの鉄の元となる物質が存在していることが理解できます。早くからこれに気がついていた日本人は、この砂鉄をどのようにして純度の高い鉄にするかを考えたのです。
そして出来上がったものを3日位かけて砂鉄と木炭をする方法でした。窯を使うことで、高温になりそれがやがて日本刀の素材の純度の高い鉄になったのです。そして、このような流れを経てようやく火造りがおこなわれます。
まず、たたらから抽出された純度の高い鉄の塊を、長細い棒のような形にしていきます。そして、炎の中にしばらくの間入れることで鉄は真っ赤になり、叩けば叩くほど形が変わっていくわけです。火造りのポイントはまさしくこの部分で、鉄は熱することで形を変えることができる点に注目されています。
現代では、トンカチより少し大きめのハンマーを使い、鉄を売っていく作業をしばらく繰り返します。鉄は伸びるといっても、いくら熱したところですぐに伸びるわけではありません。かなり硬いもののため、ハンマーで叩いたとしてもほんの数ミリだけ凹む程度です。
これを何百回あるいは何千回と繰り返していき、刀の原型となる形に仕上げていきます。火造りをする場面では、同時に水を使っていきます。水を使うことで、より硬さを維持することができるからです。つまり頑丈な刀にしたければ、後で熱することとハンマーで叩くこと、そして適度に水をつけることも重要になります。
また、水は、温度調整としての役割があります。日にかざしてハンマーで打つときのことですが、可能な限り昼に浮かせることが重要です。1番楽な姿勢としては、片手で鉄の塊を持ち、炎の中に入れて赤くなったところを作業台に置きその上からハンマーで叩く方法です。
ですが、この方法だと作業台に熱が伝わってしまい熱が逃げることから、鉄の温度が冷めるスピードが早くなります。そうすると、いくら力強くハンマーで叩いたとしても、すぐに熱が冷めてしまい作業効率が悪いです。
また思った通りの形にすることができなくなってしまうでしょう。そこで、作業をする場合には、作業台から少し離してハンマーを当てるときだけ作業台に叩きつけるようにします。
厚みを変えていくこともとても大事になる
日本刀を見たことがある人は気がついているかもしれませんが、日本刀はすべての部分が同じ厚みでできているわけではありません。先端の部分が薄くなっているのがポイントといえます。
また、刀の1番中心部分は、最も頑丈な部分と言われており、厚みもそれなりにあるのがポイントです。これは、火造りのときに職人が厚みを調整し、ハンマーの角度や打つ回数なども場所によって調整することより実現可能になります。
反りを出すために必要な作業工程
火造りの作業で反りのある日本刀を作ることができると考えている人もいるかもしれませんが、実際にはそのようなことはなく、その場面ではまっすぐな方のしか作ることができません。
火造りが終了した後に、粘土を塗っていきます。この粘土を出るときに粘土の厚みを変えることで刀をしなわせることが可能になります。反りを出すためには、熱を覚ます速度を変えれば良いのです。熱を早く探したい場合には、その部分に塗る粘土を厚くすることが必要になります。
火造りとは、刀を作るための作業工程の1つです。よく、刀を作っている人が、鉄を真っ赤にしてその真っ赤になった鉄の部分をハンマーで叩いている場面を見たことがあるでしょう。これが火造りと呼ばれる作業になります。
この作業は、刀の形を整えていくことと頑丈な刀を作ることが目的になっています。この段階では、日本刀特有の反りが生まれることはありません。反りを出すためには、炎の熱がある程度冷めた後に表面に粘土を塗ることが重要になります。粘土の厚みを変えることで、反りを自由に作り出すことが可能です。