日本刀を研磨する目的の1つは、見た目の美しさです。
切れ味を良くする目的もありますが、古くなってきた刀の見た目を良くする為に、磨いてメンテナンスするのが一般的です。
自力のメンテナンスも可能ですが、かなりの技術が必要です。
メンテナンスは、専門業者に依頼する方が無難です。
刀のメンテナンスと自力の作業の難しさ
刀が武器として使われていた頃は、主に切れ味を良くする為に手入れが行われていました。
刀を武器として使い続けていると、だんだん切れ味も落ちてきます。
いざという時に切れ味が発揮されないようでは困りますから、刀は定期的に研磨される訳です。
ただ現在では、武器として刀が使われることはほぼありませんから、主に見た目を良くする為にメンテナンスが行われます。
理由は経年劣化です。
年数が経過してしまえば、刀の見た目も悪くなってしまいます。
新品の状態なら独特の輝きがあるものの、それを長く保持し続けていれば、だんだん輝きも落ちてきます。
元の輝きを戻す為に、メンテナンスが行われる訳です。
メンテナンスの方法は、主に2つあります。
刀を持っている本人が、自力でメンテナンスすることも一応可能です。
たいていは、専用のペーパーを使用して刀を磨きます。
ただ自力のメンテナンスは、ハードルも少々高めです。
例えば磨く時の腕の動きです。
肘を軸にして手を動かす必要があり、間違った動作で磨いてしまいますと、刀の切れ味が悪くなってしまうことがあります。
それと刀を磨く時の角度です。
適切な角度で磨く必要があり、角度を間違ってしまいますと、刃が丸くなってしまう傾向があります。
見た目も悪くなりますから、角度は要注意です。
また刀には、とても鋭い刃が付いています。
やり方によっては手を切ってしまう可能性もあります。
ですから刀のメンテナンスは、様々なコツがあります。
やり方を間違えてしまいますと、かえって刀の見栄えが悪くなることもありますから、注意が必要です。
専門業者に刀のメンテナンスを依頼する
刀のメンテナンスは、もう1つ方法があります。
研磨の専門業者です。
業者によってはメンテナンスも引き受けていますから、刀を渡して代行してもらうことになります。
業者に任せるメリットは、無難なメンテナンスです。
専門業者には、刀の手入れに関する専門知識があります。
毎日のようにメンテナンスを行っていますから、総じて仕上がりは期待できます。
新品同様の輝きが戻るケースも、少なくありません。
ちなみに専門業者に代行してもらう場合、料金はかかります。
どれぐらいの料金になるかは、刀のタイプ次第です。
そもそも刀には、様々な大きさがあります。
短刀などはサイズは比較的小さめですが、料金はやや高めになります。
短刀は数万円ほどかかることが多いです。
逆に大刀ですと、数千円程度でメンテナンスを代行してくれる傾向があります。
また作業の内容にも左右されます。
専門業者によるメンテナンスの種類も、複数の種類があります。
刀のツヤを出す目的でメンテナンスしてもらう場合は、料金はやや高めになることが多いです。
ですからお金は支払うことになりますが、仕上がりに関するメリットは大きいです。
自力でメンテナンスするよりは、専門業者の方が仕上がりも良くなる傾向があります。
業者にメンテナンスしてもらう流れ
専門業者にメンテナンスを代行してもらう流れですが、まずはメールなどで業者に連絡します。
その際には、刀に関する様々な情報のヒアリングが行われます。
刀の種類やメンテナンスの希望プランや、予算などがヒアリングされる訳です。
ヒアリングの内容に基づいて、専門業者から見積もりが提示されます。
その見積もりの内容で問題なければ、専門業者に刀を渡すことになります。
渡す方法は2つあって、郵送もしくは持ち込みです。
そして業者に刀を預けると、たいてい預り証が発行されます。
それで業者がメンテナンス作業を行ってくれる訳ですが、業者によっては作業の進行状況をメールで伝えてくれることもあります。
そして業者によるメンテナンス作業が完了したら、所定の方法でお金を支払います。
たいていは銀行振込で業者に料金を支払いますが、着金が完了した後に刀が返送される訳です。
以上の流れになりますが、郵送でやり取りをしますから、メンテナンスが完了するのは数日かかることが多いです。
ただ専門業者に刀のメンテナンスを代行してもらう時は、1つ注意点もあります。
刀の登録証です。
現行の法律では、登録証がない状態の刀を所持することはできません。
もしも刀の登録証がない場合は、まず手続きを済ませておく必要があります。
所定の期間による刀の審査を受けて、まずは登録証を発行してもらう必要があります。
未発行の状態ではメンテナンスを依頼できませんから、注意が必要です。
ですから日本刀のメンテナンスは、研磨の専門業者に依頼することになります。
たいていは刀を業者に郵送して、メンテナンスを代行してもらうことになります。
その際、登録証は要注意です。
登録証がないと依頼できませんから、必ず発行手続きを済ませておく必要があります。