海外で購入した刀を日本に持ち込むことや、海外で販売している刀を購入し日本に送ってもらうことは可能なのでしょうか。
刀を購入する為に知っておくべき法律や、買取のルールなどについて詳しく解説していきますので是非参考にしてください。
海外で購入した刀の持ち込みはどうすればいい?
海外で魅力的な刀に出会い、日本に持ち帰りたいと思った時に気になるのが税関です。まずは、その刀に磁石が付くかチェックしてみてください。磁石が刀身部分に付かなければそれは模造刀扱いになり、税関を難なく通過することが可能です。
ただし、サイズに関しては法改正が行われて、15センチ以下から8センチ以下と定められていますので注意してください。これ以上の長さになる場合は、機内への持ち込みもしくは、日本への持ち込みができない可能性があります。
税関の荷物検査の段階で、持ち込みしたい旨を伝え、空港内に在中している警察に連絡をしてもらい申告してください。この際に警察が持込み許可証というものを発行してくれるので、それをしっかり書いてもらいましょう。この持込み許可証がない場合は違法所持扱いになってしまいますので没収されてしまいます。
これは海外で購入した場合だけではなく、日本から輸出する際にも同じ手順を踏まなければなりません。また、磁石が刀身に付くような場合は税関で引っかかってしまい、持ち込みができない可能性も出てきますので注意しましょう。
中には、この許可証がなく税関を通そうとするスタッフなどがいるのですが、違法行為になってしまいますので、スタッフに伝えて必ず持込み許可証を発行してもらうようにしてください。ここには、刀の長さや種類などが詳しく記載されることになりますので、しっかりチェックしてもらいましょう。
どんな種類でも持ち込みができるのか
基本的にはどのような種類であっても持ち込みは可能と言われています。ただし、登録審査課で日本刀の定義から外れるものは登録が不可となり、破棄の依頼が出てしまう可能性がありますので注意してください。この場の破棄というのは、没収という意味合いです。定義というのは、材質が和鉄であり鍛錬によってつくられたものとされています。
洋鉄の場合は登録できない可能性がありますし、海外で作られている日本刀の模倣品はすべて同じ扱いになるでしょう。登録審査会というものが存在していて、万が一洋鉄のものを買取し、持ち込んだ場合にそれを和鉄であると申請したとしても、目利きの人達がそれを審査する為、嘘はすぐに見抜かれてしまいます。
所持すること自体は誰でも問題ないとしています。鉄砲のように規制というものはありません。
どんな種類であっても基本的に許可証が出るものであれば持ち込みは可能としていますが、例外もありますのでその点には注意が必要です。他の国で販売されているものを買取する際にも、日本に持ち込んで問題ないものかどうかを事前に確認しておく必要があります。
買取した後、輸入できませんでしたではお話になりませんし、場合によっては違法行為としてみなされてしまうこともありますので、最善の注意を払って購入してください。その点を把握していないと後で困ったことになってしまいますので気を付けてください。
海外から買取する場合の注意点とは
海外から輸入する場合は、外国貿易法等に基づく許可というものが必要となります。日本国内であっても、銃砲刀剣類所持等取締法というものがあり、「銃砲刀剣登録証」というものが必須になります。これを事前に行っておくことで輸入も可能です。ただし、個人的に所持することを目的としている場合は別ですが、博物館に展示する為や演劇などに利用する為の場合は、それぞれの用途に合わせた許可が必要となります。
美術品として所持する場合も稀にありますが、これは日本刀に限られていますので洋鉄で作られたものは対象外です。
また、日本から海外へ持ち出す場合は文化庁に古美術品輸出鑑査証明の申請を行ってください。国によっては輸入許可がでないこともありますので、事前に確認しておきましょう。文化庁に申請してから約2週間程度で証明書が発行されます。時間がかかることですので、余裕をもって申請してください。
海外からの輸入であっても、輸出であっても、事前にしっかり準備をしておくことで、問題なく持ち込むことが可能です。その手間を惜しんでしまうと、空港で没収されてしまったり、持ち込むこと自体ができなくなってしまいます。そのようなことがないよう、準備を怠らないことが大切です。分からないことがある場合は文化庁へ問い合わせてみてください。持ち込み許可証があれば基本的に困ることはないと言えるので、条件に該当しているかどうかチェックしてみましょう。
他の国から依頼を受けることも可能ですし、日本への輸入もちゃんとした手続きを行えば問題なく持ち込むことができます。証明書類をしっかり用意しておくことが大切です。また、違法行為に該当しないよう配慮することも必要になってくるでしょう。