不要な日本刀や刀剣を持っていて、管理をするのも大変だから手放したいというときがあります。
このときに廃棄処分するのが本当に良い方法なのでしょうか。
買取業者に依頼して買い取ってもらった方が、メリットがある可能性もあるので検討してみましょう。
処分するにはどのような手続きが必要か
日本刀や刀剣は鉄砲刀剣類所持等取締法の管理下にある品物なので廃棄処分するときには注意が必要です。
単純に不燃ごみや粗大ごみとして捨ててしまうと厳罰を受けるリスクがあるので注意しましょう。
〇日本刀や刀剣を処分するときには
警察署に持参するのが常套手段です。
警察署では鉄砲刀剣類所持等取締法に該当する日本刀や刀剣を安全に廃棄処分してくれます。
ゴミ捨て場に捨てたものを誰かが拾って殺傷するようなことがあると大事になってしまうのは明らかでしょう。
それを防ぐために警察署に廃棄を任せるのが基本なのです。
ただし、そのために所持していなければならないのが鉄砲刀剣類登録証です。
日本刀や刀剣を所持するためには登録証が必要とされているので、持っていない場合には法律に違反していることになって処分の対象になってしまいます。
懲役や罰金といった処分を受けることになるので、登録証を持っていない場合には速やかに手に入れることが必須です。
そのときに発見したという扱いにして警察署に電話などで連絡し、現物と印鑑、身分証明書を持参して手続きをしましょう。
そして、教育委員会によって開かれる登録審査会で手続きをすれば登録証を発行してもらえます。
ただし、この際に6000円と消費税の発行費用を支払わなければなりません。
登録証を持っているときには警察署に依頼して廃棄するのに費用はかかりませんが、もし登録証がなかったとしたら6000円少々の費用がかかることは覚悟しなければならないのです。
買取を依頼するときに必要なこととは
処分したいというだけなら警察署に持参すれば終わりですが、買取の場合には手続きがやや異なります。
まず、処分のときと同様に登録証がないと買取も依頼できないので予め発行してもらっておくことは必須です。
そのため、この時点で6000円少々の発行手数料がかかってしまう可能性がある点では違いはありません。
しかし、買取を依頼すればある程度のお金を手に入れられます。
日本刀や刀剣の買取相場はおよそ販売価格の40%〜70%程度になっていて、数百万円という価格が付いているものもあると考えると買取を依頼した方が良いと考えられるでしょう。
状態によっては買取価格が低くなってしまうこともありますが、それでもいくばくかのお金で引き取ってくれるのが一般的です。
〇買取を依頼するのに必要な手続き
それほど複雑ではありません。
①日本刀や刀剣を扱っている買取店に持参
②その場で査定
③その査定価格に納得したら買取を依頼するというのが簡単な方法です。
・登録証と印鑑、身分証明書を持っていればその場で現金に引き換えてくれるでしょう。
・一方、わざわざ店舗まで足を運ばなくても買取を依頼できるサービスも行われています。
出張買取サービスは代表的なもので、電話やメールなどで連絡をすると日程調整をした上で自宅まで業者に来てもらうことができます。
そして、その場で査定をしてもらったり、一度店舗まで引き取ってもらって査定結果を連絡してもらったりすることが可能です。
・一方、宅配買取を行っている業者もあり、予め日本刀や刀剣を売りたいということを伝えた上で、宅配便で送ると査定をしてくれる仕組みになっています。
このような方法を使うと手軽に日本刀や刀剣の買取を依頼できるでしょう。
警察署に出向くのに比べても手軽な方法なので買取を選ぶのは賢明です。
芸術的な価値も考えて買取を選ぼう
もう一つ廃棄処分と買取の違いとして考慮しておきたいのが、日本刀や刀剣の芸術的価値です。
現在ではもはや同じ日本刀や刀剣を打てないと言われるほどに秀逸な出来栄えのものが古き時代から制作されてきました。
その芸術品としての価値があるからこそ売買価格も高くなっています。
警察署に持って行って処分してもらうと、その芸術品が世の中から一つ失われてしまうことになるのです。
その価値を高く評価してくれる人も大勢います。
貴重な日本の財産をなくしてしまわないようにするためにも、安易に廃棄を考えずに業者に買取を依頼しましょう。
錆びついていたり、傷だらけになっていたりしても需要があるので、少なくとも引き取って適切な手入れをしてもらうことができます。
〇まとめ
★日本刀や刀剣の処分をするには登録証が必要で、もし持っていないのなら警察署に発見の届出をして教育委員会の登録審査会を経て発行してもらう必要があります。
その登録証があれば警察署に持参するだけで安全に処分してもらえます。
★しかし、買取を依頼すればかなりの金額で買い取ってもらえる可能性があり、店舗に持ち込む以外にも出張買取や宅配買取も行われて手間があまりかかりません。
芸術品である日本刀や刀剣が世の中から失われないようにするためにも買取を検討しましょう。