中国の刀剣にまつわる神秘的な伝説や知識に興味を抱く方も多いでしょう。中国の刀剣は紀元前から存在し、その壮大で鮮やかな歴史を歩んできました。歴史を知ることで、その時代を追体験することができるでしょう。そこで今回は、日本ではあまり知られていないエピソードや歴史的な背景を交えて、刀剣の世界を詳しく探っていきます。
豪壮かつ華やかな中国刀剣の歴史
時代の進展に伴い、実戦の場面が増え、新たな戦い方に適した武器が生み出されるようになりました。これらの武器は現代の戦争でも使用されています。
長い歴史を誇る
中国刀剣の歴史は、紀元前17世紀から11世紀にかけて続いた殷の時代にまでさかのぼります。この時代には既に青銅の生産が行われていましたが、資源の制約や技術力の偏在などから大量生産は実現されませんでした。
しかし、春秋戦国時代になると資源豊かな地域での生産が増え、職人の数も増加したことで大量生産が可能になったのです。これまでの2500年以上の間に、中国刀剣はモンゴルやベトナム、日本などにも伝わり、武術において広く使用され親しまれてきました。
時代のニーズに合わせた進化
中国刀剣は、殷の時代から現代までの間で形状が多様化してきました。数々の戦闘経験から、その時代に求められるニーズに合わせた武器が作られてきたのです。春秋戦国時代から漢の時代にかけては主に剣が使用されましたが、騎兵の台頭とともに直刀が広まりました。
宋の時代には、重装備の騎兵に対抗するために大刀が登場。この大刀は重い刃を備えており、重装備の騎兵の胸を突くことができました。また、1937年の日中戦争でも使用されたのです。中国刀剣は常に軍隊のニーズに合わせて進化し、既存の武器を改良してきたという歴史があります。
武器の分類方法
武器は、火薬を使用する銃や大砲などの火器と、火薬を使用しない弓矢や刀剣などの冷兵器に分類されます。さらに、戦闘距離に応じて3つのカテゴリに分けられるのも特徴です。これらの武器は、成人男性の眉の高さを基準としており、身長には個人差があるため、境界はあいまいでしょう。槍などの長い武器から、至近距離での戦闘に使用されるものまで、さまざまな種類の刀剣が生み出されました。
中国で最古の刀剣とされる「中国剣」とは
中国剣の起源は紀元前までさかのぼり、2,500年以上の歴史を誇ります。この技術は日本の武器にも取り入れられました。
古代からの伝統
中国では漢の時代まで大量の剣が生産されていましたが、その後は刀が軍事で使用されるようになり、実戦での使用は減少しました。しかし、儀式や武術においては今でも使用される習慣が残っています。
多機能な剣身
中国剣は戦闘時にさまざまな機能をもつ剣身に分けられます。剣根は相手の剣を受け止める際に使用し、中刃は大きく斬ったり剣を払ったりする際に活躍するのです。剣鋒は相手を突き刺したり素早く斬ったりする際に使用されます。
滑り止めの剣柄
中国剣の剣柄は滑りにくいように表面がざらざらとしています。これにより握りやすくなっているのです。また、装飾が施された美しい剣柄も流通しています。
両手に1本ずつもつ武器
中国では両手に1本ずつ剣をもって戦うスタイルも存在します。これは一部のカンフー映画でもよく見られるシーンです。敵に1本の剣であると誤解させることがその目的のひとつとされています。このスタイルは清の時代に考案されました。
中国剣にまつわる神秘的な逸話
こちらでは中国剣にまつわる3つのエピソードを紹介します。これらは日本人にはあまり馴染みのないものなので、ぜひご一読ください。
1つ目の伝説の剣
「含光」という剣は、今でも不思議な伝説として語り継がれています。この剣は目で見ることも触れることもできないといわれているのです。そのため、剣を振った本人に自覚がなく、斬られた人も傷を負わないと伝えられています。永遠に痛みを感じることがないとされている剣です。
2つ目の伝説の剣
「承影」という剣にまつわるエピソードも語り継がれています。この剣を夜明けや夕暮れに北を向いてかざすと、その姿ははっきりとは見えなくなるといわれているのです。わずかにぼんやりと姿が確認できるだけで、剣に触れるとわずかな音が響くといわれています。しかし、斬られた人は痛みに気づかないという伝説が伝えられている剣です。
3つ目の伝説の剣
「宵練」という剣も代々受け継がれる逸話となっています。この名剣は、昼間は目にすることができず、姿を消してしまうといわれているのです。しかし、夜になると光を放ち、その姿が見えなくなってしまうといわれています。剣で斬られると、切り口がすぐに塞がってしまい、斬られた人が一命を取り留めるとされているのが特徴です。そのため、決してとどめを刺すことができない剣として知られています。
まとめ
中国剣は、最初の生産段階では生産量はわずかであり、技術力も高くはありませんでした。漢の時代までは剣が主流で使用されましたが、その後は刀が主要な武器となっています。しかし、儀式や武術の文化においては今もなお使用されており、現代の人々にも馴染みのある存在です。また、カンフー映画などでも頻繁に使用される武器もあるので、関心がある方はぜひ調査してみてください。