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公開日:2021/09/15  

日本刀は古いものほど高く買い取ってもらえる!古い時代に作られた上古刀とは


両親や先祖から受け継がれてきた日本刀を、査定・買取してほしいと考えていませんか?高額査定になるのは、有名な職人の作品であったり、重要文化財や博物館クラスの作品であったり、認定書がついているものといわれています。この記事では、奈良時代以前に中国大陸から伝来し、湾刀誕生以前の刀である上古刀について紹介しましょう。

上古刀とは

刀剣の世界では新古の時代区分を室町末期においており、文禄以前に作られたものが古刀と呼ばれています。さらにさかのぼって奈良時代以前に作られ、考古学の対象とされる刀剣が上古刀なのです。上古時代とは歴史時代を三分した最初を指し、文献記録をたどれる最初の時代とされています。

奈良時代以前に発見された刀や正倉院御物などとして知られていますが、上古刀は平造りの直刀で刃文なども素朴なのが特徴です。もともと中国大陸から伝来したとされており、徒歩で戦うときに使用するものとして、突いたり斬ったりすることで攻撃できました。古墳から発見されたと聞くと、さび付いていて魅力的ではないものを創造するかもしれません。

しかし、実は古墳時代にすでに柄に紐を巻いて漆をかけた拵や大刀があっただけでなく、現在とそれほど変わらない研磨技術もあったとされています。焼き入れしたときに自然に表れる焼き反りが見られる大刀が正倉院などで見つかっていることからも、上古時代に日本刀の土台が作られたことがわかるでしょう。

折り返し鍛錬の有無は、あきらかに鍛え肌が確認できるものとできないものがあるため断定はできません。しかし、外装は大陸文化の影響を受けた環頭や円頭大刀や日本で考案されたといわれる圭頭や頭椎大刀など、把の形で分類されています。

上古刀の歴史

鉄器が日本に伝わったのは縄文時代後期から弥生時代初頭といわれていますが、その時期に青銅器も伝わりました。青銅は低温で溶けて加工しやすいため、剣などの武器や祭祀用の道具が多く作られたのです。鉄製の武器として5世紀頃に長短さまざまな大刀や刀子が見つかっていることから、これらが5世紀頃から使われ始めたことがわかります。

4世紀後半に日本でも製作されるようになった素環頭大刀は、柄の頭に環状の飾りをつけたもので、中国が起源となっているのです。古墳時代後期以降の直刀は装飾付き大刀ともいわれ、銀装や金装、金銅装などのきらびやかな装具を装着しており、さまざまな形態があります。

また、6世紀後半から7世紀頃に切刃造りを使ったものが出土しており、注目されているようです。綾杉模様のように、柾目肌が波打った文様が特徴の埼玉県の古墳で見つかった大刀は、すでに日本刀としての特徴を持っていました。

平安初期に坂上田村麻呂の儀仗として使われていた黒漆剣や兵仗用の刀が現存しています。全体に少し浅い反りがあることから考えると、平安時代初期にかけて兵仗が直刀や湾刀へ変化する過程のものと推察されているのです。上古刀の作り方に関しては、鉄鉱石を原材料にした鉱石系箱型炉という小型の炉を使っていたことが判明しています。

上古刀の有名な作品

朝鮮半島より伝来した技術製法による上古刀は、反りのない直刀で刺突に適しています。上古刀の有名な作品をいくつか紹介しましょう。

七星剣

現存する最古の刀剣で、飛鳥時代のものです。中国の道教思想に基づく直刀で、聖徳太子が佩刀していたとされます。名前の由来である北斗七星、七星文のほかに竜頭や白虎、雲形文などが描かれているのが特徴です。四天王寺所蔵の七星剣や法隆寺にある銅七星剣、正倉院の呉竹鞘御杖刀も挙げられるでしょう。

そのほか、稲荷山遺跡で発見されたものや高知県の一宮神社に所蔵されているものもあります。実際の戦で使うものというよりは、魔除けや国家守護の目的で作られているようです。

金銅荘環頭大刀

7世紀前半に作られ、高知県日高村にある小村神社の御神体として1000年以上祀られています。1958年に国宝に指定され、出土品ではなく伝世品では日本最古といわれているのです。長さ70cm弱の直刀で、柄の部分には2頭の龍を透彫にした金銅製の環頭が飾られています。通常は非公開ですが、毎年11月の大祭で一般公開されるケースがあるようです。

水龍剣

正倉院に刀身だけが所蔵されていたもので、聖武天皇の佩刀と伝えられています。刀剣愛好家であった明治天皇が、正倉院宝物修理の際にこの直刀を気に入り、当代随一の彫金家に拵を製作させたそうです。剣と号されていますが、片刃の直刀で、長さ約62cmの直刀となっています。現在は東京国立美術館に所蔵されており、1957年に重要文化財に指定されました。

 

先祖から受け継いだ、購入したがなかなか手入れの時間が取れないなど、さまざまな理由から日本刀を放置しておくことで徐々にさびてしまいます。古い時代に作られたものは、年代によっては非常に価値のあるものもあるのです。押し入れに収納したままになっているものに、思わぬ価値があるかもしれません。気になる人は、1度買取の査定に出してみてはいかがでしょうか。

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