国内外の買取において、現在日本で古くから存在する骨董品が高価に取引されるようになっています。そんな日本の雰囲気を出す骨董品において、入手したいと要望が多いのが武士社会の象徴ともいえる日本刀です。ここでは日本刀のお手入れとして研磨する方法を紹介していきます。
日本刀は熟練の技でできている
日本刀は玉鋼と呼ばれる特殊な鉄を用いて、それを薄く延ばすことでできる刀剣です。玉鋼を伸ばすだけと言葉だけでいえば簡単ですが、実際におこなうのは熟練の経験が必要になります。玉鋼というのは鉄を何度も高温で熱して純度を高めた鋼に、鉛を加えて同様に高温に熱して同化させたものです。
この高温で熱して一緒にするという作業自体も、熱する際の温度設定や火からおろすタイミングを間違えると郷土のある刀剣にできないので重要なポイントになります。そして玉鋼ができたら次に再び高温の熱で熱して柔らかくし、日本刀づくりで最も重要な作業である打ちに入ります。
これは柔らかくなった玉鋼を、専用の金づちで打ち続けることで薄く延ばす作業です。熱しては打つという作業を何度も繰り返すことで薄く延ばすのですが、少しでも打ちが弱いと刀が歪んでしまい使い物にならなくなるので熟練の経験が必要になります。
そして打ちの作業が終わったら。それを研磨するための石で何度も擦ることで切る部分にギザギザの無数の凹凸を付けるのです。これらの一連の作業をすべて終わるには1ヶ月以上がかかるのも、国内外で高価買取される理由でもあります。
保存状態が悪かった場合の対処法を紹介
日本刀のすばらしさの一つとしては、他の金属や鉄類と違って品質の劣化が遅いことです。金属や鉄類が劣化をしてしまうのは、空気に触れることによって酸化してしまうのが理由になります。
酸化というのは金属の内部に空気が入り込むことで、鉄分と酸素が引っ付いて化学反応を起こした状態です。これは長い年月をかけて徐々に侵食していき、最終的には錆として現れることで強度を失わせてしまいます。
日本刀の場合は、先にいった作業工程で高温の火で加熱することによって密度が高まります。密度が高まると空気が入り込む隙間が少なくなるので、空気に触れても錆びにくいので見た目がきれいな状態を維持できるのです。
ただし見た目がきれいな状態を維持できるからといって、まったくさび付かないというわけではないので注意が必要になります。管理方法が悪かったり、水気などの作用を受けてしまうと錆がついてしまいます。
買取の場合品質が大事なので、もし錆や切れ味が悪くなっていると査定に影響を与えてしまいます。そのため少しでも錆もしくは切れ味が悪いと感じたときには、すぐに研磨することが重要になります。研磨をするには専用の研ぎ石を使います。
研石を水で濡らして滑りやすくした後に、日本刀の刃先を奥から手前に引くように何度も擦るのです。研石で研ぐことによって、錆びた断面が削れることできれいになるだけでなく切れ味を生み出すギザギザが元の状態に戻るのできれいになります。
自信がないときには専門家に依頼するのが重要
錆びがついたり切れ味が悪くなった日本刀は研ぎ石できれいにすれば良いといいましたが、実際に実行する際には注意がいります。なぜなら研ぎ石で研磨するという作業は、見た目以上に難しい作業だからです。これまで研ぎ石を使ったことがない初心者が、日本刀を研磨してしまうとやり過ぎてしまって強度を落としてしまう恐れがあります。
さらに錆があまりにもひどい場合において、ヘタをすると折れて使い物にならなくなる恐れもあるのです。何度もいうように買取というのは、あくまで品物が健全な状態を維持しているのが絶対条件になります。
もちろん少なからず不備があっても買取をおこなってくれる場合もありますが、もしあまりにも品質が悪いと引き取ってもらえない場合があるのです。研磨は難しい作業なので、素人が無理をしておこない品質を落とすようなことがあればこの事態にある可能性が十分にあります。
もし錆や切れ味がおかしいと感じたときに、自分では研磨をしたことがなく手に負えないと感じたときには無理をせずに近くの専門店に依頼するのもいいでしょう。専門家に依頼すると鑑定をおこなって、現状の状態を経験値から把握してもらえます。そこで研磨は無理と分かればその段階で買取に出し、もし実行してきれいになると判断されれば研いでもらうとよいです。
日本の雰囲気を出す骨董品において、入手したいと要望が多いのが武士社会の象徴ともいえる日本刀です。日本刀は玉鋼と呼ばれる特殊な鉄を用いて、それを薄く延ばすことでできる刀剣です。玉鋼を伸ばすだけと言葉だけでいえば簡単ですが、実際におこなうのは熟練の経験が必要になります。
そのため買取に出すと高価な理由なのですが、ただ錆や切れ味の悪さは価格に影響を与えるので、もし研磨をするときれいになるので査定額の変動を抑えられるのです。しかし研磨には技術が必要なので、もし自身がないのであれば無理をせずに専門家に依頼するのが大事といえます。