日本刀・刀剣を売りたいけれど完全な状態で残っていないということもあります。鞘だけ、刀身だけといった状態の場合にも部位ごとに売ることができるのでしょうか。日本刀や刀剣の買取事情について理解して処分できるかどうかを判断できるようになりましょう。
日本刀や刀剣は部位だけでも売れる
日本刀や刀剣を売りたいと思って見てみたら不足している部分があるというときや、倉庫の中を見ていたら鞘だけ見つかったというときに、これだけでも売れるのかというのは疑問になるでしょう。日本刀や刀剣の買取専門店に話を持ちかけてみると買い取ってくれることもあります。
本当に完全な状態で全てが揃っている日本刀や刀剣しか扱っていない場合もありますが、そもそも歴史のある日本刀や刀剣の場合には完全な状態で残っていないこともあるでしょう。その骨董品としての価値を考えると、たとえ部位だけであっても十分に高いと考えられるので積極的な買取をしていることもよくあります。刀身だけ、柄だけといった形でも売れますが、刀装具についても売ることが可能です。
特に日本刀や刀剣の鍔は骨董品価値が高くてコレクターも多く、市場での取引価格はかなり高めになっています。鍔が見つかったというときには安易に捨ててしまわずに買取店に相談してみた方が良いでしょう。
ただし、日本刀や刀剣は部位だけでも売れますが、基本的には全てが揃っている方が価値は高いので高額買取をしてもらえます。あえて部位ごとに分解して売る意味はあまりありません。もし日本刀や刀剣を持っていると管理が大変だから手放したいけれど、骨董品としては魅力的だから手元に置いておきたい気持ちもあるというときには刀身だけ売ってしまうというのも良い方法です。
模造刀に作り変えてもらってしまえば凶器として使われる心配もなくなり、銃刀法上の管理も必要なくなります。また、保管場所に困るけれど少し価値のあるものを手元に残しておきたいというときには鍔だけ手元に置いておいて残りは全部売り払ってしまうということも可能です。しかし、全てが残っているときには買取店としても全部売って欲しいという話をするのが常です。日本刀や刀剣の価値を下げてしまわないように全て売ることは、一度検討した方が良いでしょう。
部位だけを売るときに気をつけたいこと
部位だけ売るときに気をつけておきたい点が二つあります。
一つは鉄砲刀剣類登録証との兼ね合いです。その表記上でどのような日本刀や刀剣を所持しているかがわかります。登録性は銃刀法違反にならないために発行してもらう必要があり、所持だけでなく買取のときにも欠かせません。銃刀法との兼ね合いが問題になるのは刀身部分なので、刀身を売るときには登録証を持っていることが必須です。
もし日本刀や刀剣の一部が見つかって刀身がないというのであれば、登録証がなくても売ることができます。しかし、刀身があるときに登録証がなかったら、登録証を発行してもらうことになります。警察署に連絡して日本刀や刀剣が見つかったことを知らせ、その日本刀や刀剣と印鑑、身分証明書を持って警察署に行って手続きをしましょう。そして、教育委員会から審査会の通知が来るので、それに従ってその日本刀や刀剣を持っていって状態を確認してもらえば登録証が手に入ります。刀身がある場合にはこのような手続きをしなければならない場合もあるので注意が必要です。
もう一つ気をつけておきたいのが買取店の違いです。どの部位を売りたいのかによって相談すべき買取店に違いがあります。日本刀や刀剣を専門に扱っているところでないと刀身については扱ってもらえない可能性が高いですが、鍔や鞘、柄だけであれば骨董品店や美術品店、工芸品店などで買取をしてくれる可能性もあるでしょう。
芸術的価値が高いものが多いのが日本刀や刀剣の特徴で、刃物でないとなると買取店としても管理が容易になります。そのため、日本刀や刀剣を全てそのまま売ろうとしても取り扱ってくれない店であっても部位だけにすれば買い取ってくれることがあるのです。むしろ鍔のように人気がある部位の場合には専門的に取り扱っている買取店もあります。このような買取店を探して売るというのも検討した方が良いでしょう。
部位だけ売るときに高く売るためには
部位だけ売りたいというときに少しでも高く売るには相見積もりが大切です。骨董品としての価値をどう判断するかが大きなポイントになるので、買取店によって買取価格が大きく異なる場合があります。そのため、できるだけ多くの買取店に査定をしてもらい、比較検討した上で売った方が良いでしょう。
日本刀や刀剣は部位だけでも売ることができます。鍔のように骨董品としての価値が高い部位は骨董品店や美術品店などでも高額で買取を行っているので、査定を受けてよく比較して売りましょう。
ただし、基本的には全て揃っている状態で売った方が高値になるのは覚えておくと良い点です。特に一部分だけ残しておきたいという理由がない限りはあえて分解して売る必要はありません。