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公開日:2022/02/15  

近くに行ったら立ち寄りたい!日本刀を鑑賞できる場所【四国・中国地方編】


四国・中国地方には、歴史的に有名な地域が多くあります。そのため、日本刀が展示されている場所も多いです。今回は、そんな四国・中国地方で日本刀を鑑賞できる場所をご紹介します。日本刀好きの方は必見です。今後、四国・中国地方に行く際には、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

丸亀市立資料館

香川県丸亀氏にある丸亀市立資料館では、「にっかり青江」という日本刀が鑑賞できます。にっかり青江は、鎌倉時代に、現在の岡山県である備中国の青江派が作った大脇差です。日本刀を鑑賞するときは、主に「地鉄」と「刃文」を見ましょう。地鉄とは、日本刀を作る過程の1つである「折り返し鍛錬」によってできた鍛え肌や地肌の模様のことを指します。刃文は、焼き入れの際につけられた焼刃の形状のことです。

にっかり青江の地鉄は、表面が木材の板目のような文様になっており、青く澄んだ澄肌はにっかり青江の特徴。そして、にっかり青江の刃文は、大波がゆったりと波打つような文様の湾れ(のたれ)に、規則的に丸みを帯びた文様の互の目が混ざっています。さらに、刃中に出る働きの1つである逆足も入っているのです。

■「にっかり青江」の由来と歴史

「にっかり青江」という名前には由来があります。ある晩に、化物退治をしようと武士が歩いていたところ、若い女がにっかり笑いながら近づいてきたのを斬り捨てたら、翌朝石灯籠が真っ二つになって転がっていたそうです。以来化物は出なくなり、武士はその刀に「にっかり青江」と名付けました。

その後、この刀は豊臣秀吉の元へ渡り、その子どもである豊臣秀頼、そして近江国大津藩主の京極家の元へと行きました。京極家はのちに讃岐国の丸亀藩主となり、にっかり青江とともに、明治期まで丸亀城に居城していたとされます。

大山祇神社

大山祇神社は歴史的価値の高い刀が所蔵していますが、なかでも有名なのが国宝でもある「大太刀 無銘伝豊後友行(むめいでんぶんごともゆき)」です。豊後友行という刀工が作った刀とされています。地鉄は大板目肌流れで、刃文は小乱に互の目が混じっており、棒樋という一本の溝が彫られています。

■「大太刀 無銘伝豊後友行」の歴史

この刀は、南北朝時代、現在の愛媛県である伊代国の武士、大森彦七の愛刀だったといわれています。この刀の刃長は180㎝、反り5.4㎝、総長が238.5㎝というかなりの迫力。大森彦七は、この大きな刀を見事に使いこなし、湊川合戦で楠木正成を討ったことで有名です。

高知県立高知城歴史博物館

高知県立高知城歴史博物館で見られるのが、土佐藩主の山内忠義の愛刀だったとされる「太刀 銘 備前国長船兼光(びぜんおさふねかねみつ) 文和二二年乙未十二月日」です。地鉄は小板目肌で、地沸がついています。刃文は小湾れ調に互の目や尖り刃などが混じっているのが特徴です。

■「太刀 銘 備前国長船兼光」の歴史

この刀は、江戸幕府2代将軍の徳川秀忠の形見として、3代将軍徳川家光から山内忠義に渡されたものとされています。山内忠義はこの刀はとても大切にし、「土佐一国に変えても放さない」といっていました。そこから、「一国兼光」と呼ばれるようになったのです。その後も山内家で代々継承され、現在は高知県高知城歴史博物館で展示されています。

備前長船刀剣博物館

備前長船刀剣博物館で見られるのは、国宝の「太刀 山鳥毛(さんもうちょう)」です。この名前は、刃文が山鳥の羽のように美しいということからつけられました。地鉄は板目肌で、刃文は、花が咲き誇ったように華やかに見える重花大丁子です。

■「太刀 山鳥毛」の歴史

この刀は、戦国武将である上杉謙信が持っていた刀で、上杉家に代々継承されたとされています。当時、上杉家では「備前長船兼光」が作刀した刀といわれていましたが、現在では福岡一文字派が作刀したとされています。「太刀 山鳥毛」が展示されている備前長船刀剣博物館は、日本刀専門の博物館です。

このほかにも数多くの有名な日本刀が展示してあるほか、隣接している工房では、刀鍛冶や塗師が実際に仕事をしているところを見ることもできるでしょう。日本刀好きにはたまらないスポットです。

毛利博物館

毛利博物館で見ることができるのは、国宝「菊造腰刀 無銘伝当麻(きくづくりこしがたなむめいでんたいま)」です。刀の柄と鞘の部分に菊紋が描かれていることが、名前の由来となっています。地鉄が柾目肌で、刃文はもっとも基本的な刃文である直刃です。

■「菊造腰刀 無銘伝当麻」の歴史

「菊造腰刀 無銘伝当麻」は、戦国武将の毛利元就がいた毛利家に伝わっていた刀の1つです。この刀が展示されている毛利博物館は、旧長州藩があった毛利氏の本邸を、1967年に公開したもの。ほかにも、毛利家に伝わっていた文化財が多数所蔵されています。

 

四国・中国地方で日本刀を鑑賞できる場所をご紹介しました。日本刀は、同じ刀でも1つ1つ形や模様が異なります。そして見た目だけでなく、その日本刀が歩んできた歴史や、その背景にある物語も異なるもの。また、日本刀を持っていた人の思いが見えてくることもあり、とても奥が深いものなのです。日本刀が好きな方は、ぜひ四国・中国地方に行った際、歴史ある日本刀を鑑賞してみてください。

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