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公開日:2022/06/15  

【平安時代の日本刀】当時はどれくらいの価値・値段だった?


日本刀は平安時代末期から、広く使われ始めるようになりました。この頃、貴族の力が衰えることで、武士が徐々に力を持ち始めた時期となることが影響しています。また、同じころに平氏と源氏の戦が続いたことも理由になっているとのこと。今回の記事では、平安時代における日本刀の役割や価値について、詳しく解説していきたいと思います。

武家と公家で異なる役割を持っていた日本刀

平安時代の日本刀は、古刀というものに分類され、日本刀の特徴とされる反りが特徴の湾刀、鎬造りが出現しました。平安時代中期以降では、馬に乗っての戦さが増えてきたことにより、騎馬戦の時に刀を容易に扱えるよう、反りのある日本刀が多く作られ始めるようになっていきます。また、騎馬戦での利用を目的としていることから、騎乗しながら振りかざしやすく、相手の装備を打ち砕けるかが重要であるとされてきました。

しかし、刀の特徴は公家と武家ではっきりと区別されており、武家は毛抜形太刀という実戦向きの刀を使用します。毛抜形太刀とは、茎の透かし模様が毛抜の形に似ていることから付けられた名前といわれています。また、刀の形状と柄の部分が一体化していることで、柄木を用いず茎をそのまま柄とする構造になっています。そのため、力を入れやすく、握りやすいことから武家のなかで価値がありました。

一方で、公家は装飾用の刀を好んで所持していました。公家の場合、戦よりも華やかさや、刀本来の美しさを重視する傾向にあり、その価値に則って作られたのが装飾用の刀なのです。これらは、官人といわれる一定の位にあるものが、宮中で行われる儀式に使う刀のことを指します。装飾にこだわり、美しい細工がなされたものが作られ、皇族の人々の象徴となっていたのです。これらの価値は、高位貴族の証でもあり、宮中における地位と権力の象徴でしたが、平安時代の中期を過ぎると貴族の地位が落ち始めていきます。そのことから、高位ではあっても財政的に苦しい一族が増え始めると、細太刀へと変わっていき始めます。

以上のように、平安時代では、武家と公家では役割の違った刀を所持していたことになります。

平安時代当時の日本刀の相場は?

平安時代の日本刀の価値は、一般的な日本刀では、1本の値段が70万円から100万円ほどだったと言われています。しかし、これは一般的な作りの場合であり、刀の材質が良ければその分、高価となり、逆に素材が悪いと安価になります。もちろん、上位にいくほど価格も跳ね上がります。

また、正宗や村正など人気のある刀鍛冶の場合は需要が高いですが、当時はすべてが職人の手で作成していたため、需要に追いつかないことから価格は高騰します。しかし、無名の刀職人でも質や切れ味によっては高値が付くこともあったようです。ほかにも「拵え(こしらえ)」という柄や、鞘そして鍔などの日本刀の外装もポイントになっていきます。見た目が美しい日本刀には、飾りや権力の象徴としての価値も高い傾向にあったのです。

上記で有名な職人の場合は、価値が高いと説明しましたが、実は有名な刀鍛冶が毎回のように名刀を作るわけではないのです。なかには失敗作になる場合もあり、その場合はそこまでの値はつかず、一般的な金額で販売されるようになります。有名な刀匠が作った日本刀は、銘とよばれるものがあり、いわば現代でいう芸名のようなものです。一見すると、見た目は同様でも、銘が刻まれた在銘か銘の無い無銘かによっても、日本刀の価値は大きく異なってくるのです。日本刀の売買における当時相場として今の金額で表すと、約数万円から一千万円前後が一般的になっています。有名な職人の場合では、数千万から億まで幅広く存在しています。

平安時代の日本刀の現在の価値・相場は?

現在の日本の場合、重要刀剣として指定されている日本刀であれば数百万円から数千万円程度の相場ですが、価値が低いものなら100万円以下のこともあります。

一方では、希少価値があり、名の通っているものであれば、数千万円もの価値がつくこともざらにあります。そして、現在の値段相場の付け方ですが、日本刀の相場には主に2通りあります。

1つは、昔からある最上大業物、大業物、良業物、業物というランク付けでの判断になります。この判断基準から、上物の場合であると高値で取引されている傾向があります。

2つ目は、同様に昔からある出来の良さによるランク付けで最上作、上々作、上作、中上作と分類される評価になります。この場合は価格への反映が大きい傾向にあり、同じ職人が生み出した日本刀でも、ランクが1つ変わるだけで数十万円以上の差が生じる場合も多々あります。

このほかに、日本刀のサイズであったり、装飾であっても多少の価値の変化はあります。もう一方の装飾は、芸術的価値の高さによって価格が変わります。鞘や柄、刀に由来した装具に刺し色が施されていたり、さまざまな細工が行われていたりする場合は価値が上昇し、価格も同様に高まるのが一般的となっています。

現代においては、日本刀を使用する機会は皆無なので、有名な職人や、芸術的な価値の高いものが値段を上げていることが多いです。このような数多くの要素が価格を左右することが、個々の日本刀の価格に大きな差が生じる原因とも言われています。

 

いかがでしたか?日本刀は、日本の歴史を知れる美術品の1つとなっています。今の日本では、昔と同じ刀を作ることは難しいです。自宅に日本刀を美術品代わりに所持している人は、傷や錆びがつかないように大切に保管をする方が多くいるのではないでしょうか。以上の解説を参考に、日本刀に触れて昔の日本を感じてみるとよいでしょう。

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