日本刀は、美術品としての価値が高く国内外から需要が高いです。買取においても、明治時代以前のものほど高い価値があります。そんな明治時代以前の日本刀の中には、特別な力を持つ日本刀というものが存在するのです。その特別な力を持つ日本刀というのが、過去から現在まで語り継がれている妖刀といわれるものです。
妖刀は持ち主に幸運と不幸を招く力があります
明治時代以前に存在した妖刀において、その代表格と言えるのが村正シリーズです。この村正シリーズが妖刀といわれる所以として、戦国武将の三英傑の一人である徳川家康が未来永劫徳川と関係しないように伝書を出したのが理由になります。
なぜ徳川家はそんな伝書を残したのかというと、村正シリーズは当時の名工が作った最高品質の刀です。徳川家康の父は村正シリーズの美しさと性能に惚れ、小刀と日本刀の2種類をもっていたのです。
しかし陰謀渦巻く戦国時代において、家康の父は道中に敵の奇襲を受けてしまい命を落とします。その命を落とすときに、家康の父が切られたのが奇襲をした人間が持っていた村正シリーズだったのです。それから徳川家と村正シリーズは、血塗られた運命を共にします。
先に言ったとおりに村正は切れ味が鋭く刃こぼれしにくいことから、購入するのに高価であったために他の三英傑や真田家などの財政が安定している武将にこよなく愛されることになったのです。
徳川家は家康の父が村正によって命を絶たれた後に、その兄や兄嫁もまた戦国時代の動乱によって命を落としたときに使われたのも村正シリーズが関係していたといわれます。さらに所有していた織田家は本能寺の変で信長が死去し、さらに配下だった豊臣秀吉も大坂の陣で滅ぶ結果になります。そして関ケ原の戦いで真田家と徳川家がぶつかったときも、この妖刀村正の小刀が家康の命を奪おうとした経緯もあるのです。
戦国時代が終わり、徳川家はすべての大規模の戦乱の裏には必ず村正が関わっていたことを知り、あの刀は人間の生き血を吸うための妖刀として考えるようになります。そのため村正シリーズは徳川家に不幸を呼ぶものとして考え、今後の使用と普及をさせるのを禁止する伝書を出す結果になったのです。
もちろん不幸を呼ぶ刀だけでなく、妖刀といわれるものの中には幸運を呼ぶ刀も存在します。その刀の代表格といわれるのが、正宗シリーズと宗三左文字という刀です。正宗シリーズは村正シリーズと同様に最高品質の刀として語り継がれる名刀であり、その切れ味は抜群で戦国武将がこぞって入手したいと渇望した刀になります。
そんな名刀正宗が妖刀といわれる所以は、この刀を入手していた武将は勝ち負けをしても命を落とすことがなかったことが所以です。正宗のエピソードとして、枯葉を切ろうとしたが枯葉が無風状態にもかかわらず刃をよけるということが繰り返されたのです。それを見た所有主が、この刀には守護する力があり命を刈るものではなく守る力があると感じたのです。
その伝承が各地に回っていき、正宗シリーズは戦争で使うよりも命を守るお守りとしてこよなく愛される刀になります。
そして宗三左文字と刀は、村正シリーズや正宗シリーズに比べて知名度は少ないですがこれも幸運を呼ぶ妖刀として扱われているのです。この刀を持つ者は、どんなに苦境な状況に追い込まれてもなぜか事態が急変し命が助かるもしくは勝負に勝ってしまうということが起きてしまいます。その結果を聞き入れた三英傑を含めた武将たちがこぞって入手し、勝負に勝てる幸運を呼ぶ刀としてこよなく愛されます。
妖刀といわれる刀でも買取に出せます
不幸と幸運を呼ぶとされる刀ですが、そんな謂れを持つ刀を入手した場合において買取ができるのか気になるところです。結論から言うと、全く問題なくどんな謂れのある刀であっても買い取ってくれます。
そもそも謂れの多くは、偶然が重なった結果妖刀といわれることになっただけであって刀自体に特別な力が宿っていると考えてはいないです。なにより名工が鍛えた刀であること、そして現代に語り継がれる刀なので一般の刀よりも評価が高くなります。
妖刀を買取に出すときにも注意点がいります
買取に出せることが分かったところで、実際に出品する際にはいくつか注意点がいります。まず買取に出すということは、相手としては良い状態のまま受け取りたいと考えるものです。買取に出す前に一度鞘から刀を出して、さびや汚れがついていないか調べます。もしさびや汚れがついていた場合には、無理をせずに専用の修理業者に出してとってもらいます。
もしさびや汚れが取れないというときには、その旨を業者に伝えて買取をしてもらえます。そのうえで専用の箱と証明書があれば、それも同封するとより信頼度が増すので覚えておくとよいです。
日本刀の種類の中には妖刀といわれるものがあり、これは所有していた人間が幸運と不幸を受ける結果になったことで名づけられています。そんな謂れのある刀は買取が可能なのか疑問になるところですが、そもそも刀にそんな力があるというわけではなく、何度も言うように偶然が重なった結果謂われるようになっただけです。
そもそも最高の名工が作成した刀なので、芸術品としての価値も相当高いです。そのため謂れに関係なく、もし所有しているのであれば品質を調べたうえで安心して買取に出しても大丈夫といえます。