日本の刀は、大きく分けて2種類あるとされています。そのうちの1つが、直刀と呼ばれるものです。これは、日本刀の中でも比較的古い形になります。これに対して、湾刀と呼ばれる日本刀もあります。比較的博物館などに飾ってあることが多いものです。では、この2種類の刀に関しては製造時期が分かるでしょうか。
直刀の歴史はとても古いことを理解しておく
日本刀の中でも、直刀と呼ばれるものは非常に歴史が古いものになります。大抵日本刀を扱っているお店でもあるいは床の間に飾ってある方でも、この直刀を飾っていることはまずありません。
博物館に行っても、やはりこの種類の刀はそれほど見かけないのが特徴です。なぜ見かけないかと言えば、時代が古いことが考えられます。この刀が利用されていたのは、弥生時代や古墳時代そして奈良時代位までです。
つまり、今から1200年以上前に利用されていた歴史があることが分かります。例えば、古墳時代の出土品から刀剣が出てくることがありますが、その方が曲がっていることはまずないでしょう。
当時の時代の権力者の方のものは、まっすぐだったとされています。実際に、そのようなものしか出土していないと言うことは、日本人の多くが知っている湾刀ではなく、それよりも昔から利用されていた直刀の方が当時は主流だったことが理解できます。
湾刀が出てくる時期はいつぐらいになるか
日本刀の歴史の中で、ほとんどは湾刀と呼ばれるものが主流になっています。その理由の1つは、まず時代が新しいことです。新しいといっても、平安時代あたりから使われていたとの記録がありますので、平安時代のものは新しいわけではありませんが、少しずつ形を変えて、江戸時代位まで使われ、その後明治時代以降に戦争に行く場合にも日本の刀を持っていったことを考えれば、比較的手に入れやすいものと分かるでしょう。
特に江戸時代以降のものに関しては、決して珍しいものではありません。湾刀の中でも、手作りで作られるものもあれば、機械で作っているものは存在しています。例えば、日本軍人が太平洋戦争のときに持っていった刀の多くは、機械で作られたとされているのです。
実際の切れ味のほうはそこまで良くなかったと言われており、職人が作って初めて価値があると言えるわけです。このように、湾曲した方とは、珍しいものもありますが、比較的どこの博物館に行っても見かけるものになるでしょう。
ちなみにどのようにして丸くしているかと言えば、刀の材料となる鉄を溶かして、専用のトンカチで叩いていきますが、このときに曲がります。
それぞれの特徴時代背景を見ながら考える
直刀そのものは、湾曲している方に比べると、切れ味は良くないとされています。ただ、人によっては使い方次第ではそれなりの切れ味を発揮したのではないかと言う意見もあるほどです。この刀の特徴は、西洋の刀と同じように、人を切ると言うよりも、戦のときに突き刺すことが主流だったと言われています。
そもそも、まっすぐの場合には、突き刺す以外に方法がないといえます。あるいは、バットのように振り回すこともあったと言えるでしょう。このような種類の刀を持っている人は、一般庶民ではなくかなり身分の高い人だったことが分かります。
それだけ鋳造する技術もあまりなかったことが理解できます。戦などに使っていた日本刀ですが、次第に形が変わっていったのは奈良時代が終わって平安時代に入る位です。平安時代になると、湾曲した湾刀と呼ばれるものが広く利用されるに至りました。
なぜこのような刀が利用されたのかを理解するために見ておくと、馬に乗って戦をすることが多かったからです。馬に乗って戦をする場合には、上から下に向かって刀を振り下げますが、このときまっすぐ直線で長い刀は使いにくかったとされています。そこで、馬に乗って戦をするときのために、刀の形が徐々に変わってきたのです。
そして平安時代の中頃には、すでに湾曲している方が主流になっており、戦をする場合でも刺して相手を倒すのではなく切って相手を倒すことが多くなりました。江戸時代などは、武士しか刀を持っていなかっただけでなく、そもそも戦自体がおこなわれていません。
このようなときは、以前利用されていた方法をそのまま継承し、湾曲した刀を使い続けることになったわけです。当時はすでに、鉄砲も出てきており馬に乗りながら相手に突撃するような戦い方はあまりしていません。そのため、わざわざ刀の形をそれ以上改良するきっかけもなかったわけです。
日本刀には大きく分けて直刀と湾刀の2種類があります。前者の刀は弥生時代や古墳時代そして奈良時台位まで利用されていた刀で一種になります。
これに対して、湾刀は平安時代位から近代まで利用されていた刀です。もともとはまっすぐな刀が主流でしたが、平安時代位から馬に乗って戦をすることが多くなり、まっすぐな刀ではあまり使い道がありませんでした。
そこで、湾曲した刀を使うようになったとされています。しかも、この刀は機械で作ったものよりも手打ちでおこなったもののほうがはるかに価値があることが理解できるでしょう。