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公開日:2021/02/15  

日本刀の買取査定にも影響あり?打刀や太刀などの形状の分類


日本刀と聞くと、時代劇などで武士が腰に差している形状の刀をイメージされる方が多いかと思います。しかし、日本刀は形状により打刀・太刀・脇差・短刀・剣などの種類に分類でき、日本刀の形状は買取査定をするときのポイントとなります。そのため、日本刀を査定に出そうか検討している場合は、まず日本刀の形状に着目してみましょう。

代表的な日本刀である打刀と太刀の特徴とは

日本刀は形状によってさまざまな種類に分類できますが、その中でも代表的な日本刀として知られているのが打刀(うちがたな)と太刀(たち)です。打刀は、室町時代以降に登場し、江戸時代末期まで活躍し続けた日本刀です。

江戸時代を舞台にした時代劇で武士が腰に差しているのが打刀で、単に刀(かたな)と呼ばれることもあります。寸法は2尺(約60cm)以上ありますが、歩兵戦で使用することを前提に製作されたものなので、後述する太刀よりも短いことに加えて、反りが少ないのが特徴です。

また、打刀は抜刀したらそのままの動きの流れで敵を斬れるように、刃を上側にして腰に差すという特徴もあります。太刀は、平安時代後期から室町時代初期にかけて広く使われていた日本刀です。国の重要文化財や国宝に指定されている太刀も多く、2尺3寸~2尺6寸(約70~80cm)前後のものが多いです。

ただし、小太刀と呼ばれる寸法が2尺未満のものや、大太刀と呼ばれる3尺(約90cm)を超えるものもあります。また、太刀は騎乗戦を想定して作られたものなので、打刀よりも反りが強いのが特徴です。

加えて、打刀は刀身の幅がほぼ一定なものがほとんどなのに対して、太刀は鍔元(つばもと)が太く切先に行くほど細くなっているものが多いという違いもあります。なお、太刀は刃を下にして腰に吊るして装備することから、太刀を身に付けることを佩く(はく)と表現します。

刀身が短い脇差と短刀の特徴について

脇差(わきさし)とは、寸法が1尺(約30cm)以上で2尺未満の日本刀です。時代劇などで武士が腰に差している短い方の刀が脇差で、長さによって小脇差・中脇差・大脇差に分類されます。1尺3寸(約40cm)未満のものは小脇差、1尺3寸以上で1尺8寸(約54.5cm)未満のものは中脇差、1尺8寸以上で2尺未満のものは大脇差と呼ばれます。

脇差は、基本的には打刀や太刀の予備の武器として携帯されていましたが、江戸時代においては百姓や町人などの庶民でも腰に差すことが認められていました。そのため、現存する脇差は江戸時代に製作されたものとされており、比較的価値が低めであることが多いです。

短刀は、寸法が1尺未満の日本刀のことで、反りが少ないもしくはまったくないのが特徴です。現在でも守り刀として使用されており、大相撲の立行司が腰に差しているのも短刀になります。また、刀身と柄(つか)の間に鍔がないのも特徴のひとつで、鞘と柄の口がピッタリと合うことから合口(あいくち)と呼ばれることもあります。

短刀は鎌倉時代から室町時代にかけては、組み打ちの際に敵の首を切り落とす際に使用されていましたが、安土桃山時代になると戦いの場ではほとんど使われなくなりました。江戸時代以降も護身用として利用されてはいましたが、江戸時代以降に製作されたものは少ないため、基本的には脇差よりも高額買取になるケースが多いです。

その他(剣・薙刀・槍)の日本刀の特徴を知ろう

剣は、古墳時代から作られてきた最も古い形式の刀です。現存数が非常に少ないことに加えて作られた地域も限られているため、非常に希少で価値が高いとされています。片刃のものもありますが、ほとんどの剣は両刃になっているのが特徴です。

また、打刀や太刀は断ち切ることや切り裂くことを目的に作られているため、刀身が薄くなっていますが、剣は叩き切ることや突くことを目的に作られているため、刀身が分厚く重量も重くなっています。

薙刀は、3~6尺(約90~180cm)ほどの長い柄を持つ武器です。平安時代に登場し、室町時代前期の南北朝時代には合戦の主役となった武器とされています。また、薙ぎ払うことを目的としているため、打刀や太刀と同じく刀身が沿っているのが特徴です。

刀身の長さについては、大薙刀と呼ばれる刃長が3~4尺(約90~120cm)を超えるようなものから、小薙刀と呼ばれる刃長が3尺程度のまでさまざまあります。槍は、長い柄に穂と呼ばれる先が鋭く尖った刃を付けた武器です。薙刀と同じく長い柄を持つのが特徴ですが、薙ぎ払うことを目的とした薙刀とは異なり、主に突くことを目的としているため真っ直ぐな刀身をしています。なお、槍が合戦の主要武器になったのは、鎌倉時代後期の戦国時代からです。

上記の通り、南北朝時代までは薙刀が合戦の主要武器でしたが、戦国時代に突入すると集団歩兵戦が行われるようになったことから、密集していても効率的に攻撃できる槍が合戦の主要武器になったとされています。また、槍は消耗品で大量生産されていたため、現在での買取金額は非常に低いものとなっています。

 

日本刀と一口にいっても、今回ご紹介したように形状によってさまざまな種類に分類されます。形状の種類は買取査定に大きな影響を与えるので、売却を検討する際はまず自身が持つ日本刀がどの種類に分類されるのかを確認しましょう。ただし、買取の査定ポイントは形状だけでなく、状態の良し悪しや銘の有無、登録証の有無など数多くあるため、それらもあわせて確認することが大切です。

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