日本刀にも他の品と同じように偽物やレプリカなども鋳造されていることは多いです。そこで気になるのが偽物でも買取がしてもらえるかです。また、本物との見分け方はどうやってしているのでしょうか。
ちなみに日本刀でないものを偽るものは殆どなく、経験を積んだ専門家でなくても詳しければ一目で見破られます。
刃文が似ているものだと見分けがつきにくい
日本刀の買取でも本物かどうかを見極めることは重要ですが、刀の持ち手部分で普段は柄に隠れている茎（なかご）と言われる部分には刀匠は自分の名前を彫っています。これが「銘」と言うもので、ただ、これも様々な事情で彫らないことも多くこれが無銘の刀です。
偽物の多くはこの銘の部分へ何かのフェイクを仕掛けていて、買取の鑑定士もですが目利きが多くいるのでただ銘を掘るだけだと騙せないので、前提として刀そのものが中でも刃文が本物と似ていることが必須になります。日本刀の買取で査定や鑑定をして調べるときは、刀の姿（体配）・鋼の質と模様（地鉄）・刃へ浮き出る焼き入れの跡（刃文）の三つです。
中でも最も重要なのが刃文で、工程の最後で真っ赤に熱した刀身を一気に水に入れて急激に冷やすことで鋼の硬度を増します。これを焼き入れといってここで出来るのが刃に浮き上がる色々な模様です。
この模様を刃文といい刀匠や流派の個性を示すもので、専門家もこれを重視して鑑定をします。有名な刀匠によく似ている刀があってそれに刀匠の銘が入っていると、偽物でも見きわめるのが難しいです。
ただ、専門家はそれでも基本的には見破ることが出来ると言っていて、これは柄と連結する持ち手の部分、茎（なかご）をしっかりと調べて、偽った刀だとどこかへ加工跡が残るそうです。
最もわかりやすいのは跡が不自然な場合で、異常に周囲が盛りあがっているものが当てはまります。茎全体の形と傷もで、茎だけ折り返すように打ち直して元を消したりしますが、見れば大体わかります。
日本刀には偽物がとても多いのが現状
買取の査定で鑑定士が重視してみるのが茎の錆で、作られて百年以上経つような刀の茎はだいたい錆びていて研ぐことはないので当然です。その錆が実は安易な偽銘を防ぐことになっていて、加工をするには自然についている錆を取ることになります。
贋作者は薬品で人工的に錆色を茎に付加しますが、良く出来た偽銘工作でも人口の錆色を厳しく調べると見抜けるので錆色の知識は大切だと専門家は言います。 茎の綿密な調査と刃文や刀の体配の印象も全てあわせて専門家は本物を判定します。
本物を見分ける厳しい目を持っている目利きが多くいますが、日本刀には偽物が大変多くあって減ることがありません。これは名匠の名まえが入っていると本物だと認められると買取でもかなりのか高額になるためで、贋作者が現在の技術を使って巧妙な加工を行っていて中にはその道のプロもいるようです。
刀匠の中にも経済的なことから贋作に関わる人もいたりします。有名な刀匠の刀が購入出来るとしたらその時は疑った方がよいです。よく鑑定書が付いているから安心だと言う人もいますが、実はこの鑑定書も偽物だったりします。
信頼できるものは日本美術刀剣保存協会という財団法人が発行しているもので、ここで発行された鑑定書の茎の写真だけを貼り替えたりして別の刀の物に変更するという方法があります。
刀は既に登録済みの刀を加工し新しい物として登録証を取ってから、偽の鑑定書と一緒にして売り出します。業者も丁寧に刀自体は見ないで流通させたりするので、そのままで売られていることも珍しくないです。
日本刀が本物でなくても買取はしてくれることも
他の古美術や骨董品と同じように日本刀は多くの贋作が出回っていて、その割合も想像以上にたくさんあると言われています。憧れの刀を購入するときや買取を依頼するときにも、刀が本物か贋作かを細心の注意を払って確認する必要があります。
特に加工銘が刻まれている刀は要注意で、愛好家の購買意欲に付けこみ紛らわしい偽物を本物の標準価格よりわざと安い価格をつけて掘り出し物として販売したり、売却で本物を偽として安く買い取ることもあります。
また、他の美術品だと本物でないと全く価値がないことが多いですが、日本刀は偽でも本物の日本刀には違いないので中には出来が良いものが銘柄を入れられてしまい低い評価を受けていることもあります。実際に値段が付くかは査定をしてもらうのが一番です。
本物かどうかを見分けるためには多くの刀を見て、普段から鑑定することに慣れておく必要があり、知識と経験がなくては鑑定することは難しく間違った判断をしてしまいます。これから購入しようとするときや、持っている日本刀が本物かどうか鑑定したい時や買取業者へ査定を依頼するときにはやはり刀剣に関した専門家に鑑定してもらうのがもっとも確実です。
失敗がない日本刀の売買をするには、購入先や売却先、目的の業者へきちんとした専門家がいるか、納得が出来る説明が受けられるかを確認してから実際に買うかや売却を考えることが大切です。
日本刀はとても贋作が出回っていて、専門家でないと正確な判断をするのは難しいです。ただ、偽物やレプリカでも状態などによっては買取が出来ることもあります。本物よりはやはり価値は下がってしまうので、まずは鑑定の知識や経験を積んで見きわめる能力をあげることが必要です。