オンラインゲームや映画の影響で日本刀がブームになって久しい時間が過ぎました。
今なお日本刀を購入しようする方は多く市場も賑わっています。
高額のイメージがある日本刀ですがその値段はさまざま。
歴史上の名刀と言われるものから近代、現代の日本刀までそれぞれの時代や銘によって大きな開きがあります。
それでは、これらの日本刀の値段の相場はどれくらいのものなのでしょう?
また、最高の値を付けた名刀とは?その値段はいくらだったのでしょう?
こちらでは日本刀の値段について紹介していきます。
日本刀の値段、相場
日本刀は絵画などと同じく投機対象として取引されることが多く、値段は時代によって大きく異なります。
かつて数千万円といわれたものが数百万円に下がったり逆に上がったりということもあり、一概に言えません。
それでも、歴史上の名刀、名工による作品は揺るぎない価値を維持し続けており、それぞれの日本刀における相場というものもあります。
続いて、種類やサイズ別に日本刀の相場について簡単に解説します。
①鑑定書の種類による違い
日本刀を評価するにあたり、現代では「公益財団法人 日本美術刀剣保存協会」が発行する鑑定書が重視される傾向にあります。鑑定書は、評価の高い順に以下の4段階に分けられています。
特別重要刀剣…相場は500~1,000万円以上。
重要刀剣…相場は100~500万円。
特別保存刀剣…相場は30~300万円。
保存刀剣…相場は10~100万円。
②サイズによる違い
日本刀は、以下のように刃の長さによって呼び方が異なります。一般的刃渡りが長いものほど高値が付くことが多く、脇差は太刀の半分、短刀は太刀の3割ほどの金額が相場と言われます。ただし、短刀でも鞘や柄の部分に細やかな装飾が施されているものであれば美術品としての価値が評価されるケースもあります。
太刀(刀)…刃渡り2尺(約60cm)以上
脇差…刃渡り2尺未満
※1尺8寸(約55cm)~2尺未満のものを大脇差、1尺3寸(約40cm)~1尺8寸未満のものを中脇差、1尺3寸未満のものを小脇差と言う
短刀…刃渡り1尺(約30cm)未満
③刀匠や制作年代による違い
高名な刀匠によって造られた日本刀は価値が高く、人間国宝級の刀匠によるものであれば200万円以上の値段がつくこともあります。また、保存状態にもよりますが、制作年代が古ければ古いほど高値になる傾向があります。
日本刀を購入する場合の値段
日本刀はまさにピンからキリまで、時代や保存状態によって値段にも大きな開きがあります。
購入する場合に注意すべきことは、ご自分が日本刀に何を求めるかということです。
多少傷ついていても著名なものが欲しいのか、あるいは頻繁に鑑賞して輝きを楽しみたいのか、家宝のひとつとして子々孫々に受け継いでいくものとして購入するのかなどをよく考える必要があります。
いずれ高値でとりひきされるかどうかは誰にもわからないことですが、予算と目的に見合ったものを探し出さなければなりません。
① 古刀と新刀以降との値段の違い
日本刀の中でも江戸時代以降の新刀とそれ以前の古刀とでは大きく値段が変わります。
長く反りかえった太刀を主流とする古刀は安いもので100万円くらい、相場としては300万円と言われています。
名刀と呼ばれるものが多く数千万円するものもあります。
対して、江戸時代以降の新刀になると100万円くらいが相場となり、安いもので50万円前後になります。
新刀でも切れ味や銘によっては数百万円の値が付きます。
② 現代刀工による日本刀の値段
日本刀を購入する場合の目安として取り上げられるのが100万円という値段です。
根拠として考えられるのは江戸時代以の刀・打刀の標準値段ということです。
大業物や鑑定書付きになると値段は高くなりますが、時代が新しくなるほどに安くなる傾向にあります。
安いからと言って必ずしも品物が劣っているわけではありません。
日本刀の値段には歴史と伝説が加味されているのです。
現在は10万円前後で購入できる日本刀も多くあります。
「形だけでも…」という方に模造刀
日本刀が欲しいけれど値段が高すぎるし、登録申請が面倒だという方におすすめなのが模造刀です。
切れない非鉄金属というものを使用し、1万円前後で購入することができます。
見た目は立派な日本刀!床の間に飾っておくと落ち着いた雰囲気を醸し出します。
自分だけのオーダーメイド日本刀
日本刀の販売には、注文に応じてオリジナルの日本刀を作ってくれるオーダーメイドでの受注もあります。
時代も伝説も関係ない、自分だけの日本刀が欲しいという方の夢を叶える選択肢のひとつとして、あるいは贈答品として喜ばれています。
値段は刀匠によりますが刀で55万円~、脇差で45万円~が相場となっています。
日本刀の値段、歴代最高金額
日本刀には切れ味ごとのランク付けがされており、その中でももっともランクが高いものを最上大業物(さいじょうおおわざもの)と呼びます。
最上大業物に分類される日本刀の値段は1千万円前後が相場といわれ、室町時代の名工、和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)の刀で1,700万円ほどの値が付きます。
これまで日本刀に付けられた値段のうちで最高金額は1億5千万円、「江戸三作」のうちもっとも人気の高い源清麿(みなもとのきよまろ)の刀に付けられました。
現代の刀匠
刀匠と呼ばれる方の数は2004年調査で350名、その後減少傾向にあります。
どのような職業においても言えることですが、技術を向上させるためには数をこなすこと経験を積むことが大切です。
けれども、根強いファンに支えられているとはいえ一般需要の少ないのが日本刀の世界、数をこなすことは難しく1人前と言われる前にその世界から去っていく方も少なくありません。
長く厳しい下積みを経た刀匠の一振に数百万円の値がつくこともあるのは肯ける話です。
現代の名工としては真鍋純平や高見圀一などが人気を集めています。
日本刀が高価である理由
歴史上の名刀は別として、日本刀が比較的高価とされているのは刀工の少なさと高度な制作技術、そして一般需要の少なさによります。
刀鍛冶と呼ばれる方々は刀を打つ際、何度も何度も折り曲げて重ね、薄く細く強じんな刀身に仕上げていきます。
その高度な技術は世界的に有名な「ドイツのカミソリ」が参考にしたと言われています。
その上に目抜きや鍔(つば)、最後の鞘(さや)にいたるまでそれぞれに専門の職人がいて技術の髄を尽して日本刀が作られるのです。
しなやかな切れと強じんさ、日本美の集約された日本刀は高価であって当然、リーズナブルな日本刀に出逢ったら幸運としか言いようがありません。
まとめ
今回は日本刀の値段と刀の種類について紹介しました。古くから受け継がれている最高峰の刀は、数千万円以上することが分かったと思います。
しかし、世に出回っていない刀もまだまだたくさんあり、それ以上の値段がつくかもしれません。身近に余った日本刀を持っている方は、一度買取業者へ依頼してみてはいかがでしょうか。当サイトでは日本刀・刀剣買取業者をカテゴリ別に比較・厳選していますので参考にしてみてください。