親族が亡くなってしまって実家で遺品整理をするときや、実家の建て替えや引っ越しなどのときには今まで存在を知らなかった遺留品が見つかることがよくあります。
片付けをしていたら何本も日本刀が見つかってしまい、まとめて売ってしまいたいと思うこともあるでしょう。複数の刀剣をまとめて買い取ってもらうことはできるのでしょうか。
要件さえ満たしていれば何本でも問題なし
複数の日本刀をまとめて手放すときにはいくつもの業者とやり取りをするよりも一つに絞り込めたほうが手間が少なくて良いと考えるのはもっともなことでしょう。遺品整理の場合には他にもたくさん処分しなければならないものがあり、あまり時間を費やしている余裕もないことから手早く簡単に売れる方法が魅力的なのは確かです。
ただ、業者が一本ずつしか買い取らないと主張するような理由がないのは明らかでしょう。二本や三本の刀剣を一緒に売ってくれればそれだけ業者は利益を上げられる可能性が高くなるからです。
基本的に業者は買い取った刀剣を整備してから販売して利益を得ています。たくさん仕入れてできる限り在庫がなくなるように売っていくのが収益を高めるための定石なので、たくさん売ってくれる顧客はむしろ歓迎されるのです。
特にまとめて同時に売ってくれる場合には顧客とのやり取りにかかる時間や手間も減らすことができ、代金を銀行振込する場合にはその手数料負担も軽減されます。あまりに数が多いとすぐに査定できないといった対応になってしまうことは否めませんが、何本あったとしても断られることはありません。
ただ、どの刀剣も取引できる要件を満たしていかなければならないのは確かで、銃刀法に基づく登録証がそれぞれ存在していることが必須です。倉庫の奥底から見つかったようなケースでは登録証が見つからないこともあるでしょう。
その場合にも警察に届け出て再発行してもらってから買取に出せば問題ありません。紛失ではなくてそもそも登録されていない場合には登録のための手続きを踏まなければならず、登録料も負担することになるだけでなく期間としても数ヶ月かかるので注意が必要です。
複数あると出張査定をしてもらいやすい
複数の日本刀を売りたいという顧客は業者にとっては嬉しい相手なのでサービスも良くなる期待できるでしょう。その一つとして出張査定を受け付けてもらいやすいと言うメリットがあります。何本もの刀剣を店頭まで持っていくのは大変で、もしかしたら運んでいる間に傷が付いてしまって価値が低下してしまうかもしれません。
しかし、電話をかけるだけで自宅まで業者に出張してきてもらえれば安心でしょう。出張査定をサービスとして掲げている業者は少なくないものの、依頼しても断られてしまっているケースも多いのが実態です。
出張に行くのは業者にとって大きなコストになるので、事前に採算が合うかどうかを確認してから依頼を受けています。一振りだけ査定して欲しいという場合には業者もかなり慎重になるのが普通で、価値が高いかだけでなく売る意思が本当にあるのかも吟味してから決めているのが一般的です。
しかし、何振りもの日本刀を持っている場合には一つ一つの価値は低めでも、たくさんまとめて買い取れれば業者は利益を生み出しやすくなります。また、複数の候補があれば売りたくない刀剣があったとしても、他は売ってもらえるので何も得られずに帰ってくるようなケースも少ないと考えられるでしょう。
このような魅力的な顧客を逃さないためにも、複数の日本刀を売りたいという話を電話やメールなどで持ちかけてくれたときには自宅まで査定に行くと業者のほうから提案してくれることすらあるのです。
他の遺品もよく調べておくのが大切
日本刀を持っていたような親族の場合にはもしかすると他にも価値があるものを取っておいている可能性があります。中には刀剣と一緒に同じ業者に売ったほうが良いものもあれば、むしろ一緒に業者に渡さなければ意味がないものもあるので十分に調べておきましょう。
例えば、日本刀が収められていたのとは別の箱から刀の鍔が見つかることもあります。鍔も高額で取引されていて、日本刀の買取業者なら取り扱っているのが一般的です。鞘や柄、あるいは刀身のみが見つかる場合もあるので周辺にある箱の中身は一通り確認しておきましょう。
一方、鑑定書が保管されていることもあり、その刀剣が本物であることを示すうえで重要な役割を果たします。売るときに一緒に渡さないと意味がないので隈なく探すのが肝心です。
遺品整理などのタイミングで日本刀が何振りも見つかったときに、特に必要ないのであればまとめて処分したいと思うでしょう。複数の刀剣をまとめて買い取れるのは業者にとってメリットが大きいので喜んでもらえるのが一般的です。出張査定をしてくれることも多いので、何振りもある場合でも気軽に買い取ってもらうことができます。
遺品の中には一緒に売れる鍔などがあったり、日本刀の鑑定書があったりすることもあるため、よく探してから依頼するようにしましょう。