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公開日:2023/07/01  

アフリカの雄大さが宿る!特徴的な刀剣たちの世界を解説!


歴史を学ぶ際、しばしば注目されるアイテムに刀剣が挙げられます。刀剣は国・地域によって異なる魅力を持つため、見た目や剣身などにフォーカスを当てて違いを学ぶのもよいでしょう。今回は、土地も広く、さまざまな民族が暮らすアフリカのバリエーション豊かな刀剣について、種類ごとの特徴などを詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

北アフリカの特徴的な刀剣

北アフリカの一部はイスラムに支配されていたため、刀剣にもイスラムの特色が強く出ているのが特徴です。ここでは、北アフリカで使われていた刀剣のなかでも、代表的な3つの種類について解説します。

フリッサ

フリッサは、北アフリカのなかでも、とくに北西側の地域である、モロッコなどで広く使用されていました。剣身は、刃の先端に近い部分から少し曲がったような形をしており、持ち手部分には、さまざまな装飾が施されています。刃先は、幅が細く鋭利であることから、鎧を貫通することもできたといわれています。

ニムシャ

ニムシャは、持ち手の上部に、釣針のような形状の装飾がついているのが特徴です。ニムシャの剣身には、ドイツ・イタリアなどで作られていたブロードソードが使われています。ブロードソードは、対象物を断ち切ることを目的とした刀剣であり、ブロードソードという名前には「幅広の剣」という意味があります。

タコーバ

タコーバは、北アフリカのなかでもサハラ砂漠を拠点として生活している、トゥアレグ族が使用する刀剣です。デザインは非常にシンプルであり、持ち手部分がクロスモチーフになっているのが特徴です。タコーバは今もなお、トゥアレグ族向けとして製作・使用されています。

西アフリカを象徴する刀剣

西アフリカで使用されていた特徴的な刀剣に、「アダ」が挙げられます。アダは、剣身の先が大きく広がったアルファベットの「J」のような形をしているのが特徴です。西アフリカのイフェとベニンは、それぞれ工芸に力を入れていた国であり、アダは2つの国が、それぞれの技術を交わらせるなかで、ともに作り上げたことでも知られています。もともとは、儀礼行為に使用するために生産され、エド人の暮らすベニン王国の君主が所有していました。

亡国アシャンティ王国の宝剣

アシャンティ王国の宝剣にはさまざまな種類があり、見た目などに異なる特徴があります。以下では、それぞれの刀剣の特徴や魅力などを詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

アフェナ

アシャンティ王国で使われていた刀剣として有名であるのは、アフェナです。アフェナは、剣身の先が大きく曲がっており、幅も太くなっているのが特徴的です。剣身部分は鉄製、持ち手部分は木製であり、持ち手部分にはボール状の丸い装飾が施されています。アシャンティ王国は、今のガーナの森林地帯一帯を支配していた王国であり、奴隷貿易による繁栄の結果、一時はイギリスと同等の勢力を持つといわれていました。

アソンフォフェナ

アソンフォフェナは、アフェナから生まれた新たな刀剣であり、アフェナと並んで、アシャンティ王国の宝剣のひとつとされていました。アソンフォフェナは、アンシャンティ王国の王に仕える者が使用していたのが特徴です。アシャンティ王国では、王だけでなくアソンフォフェナを持つ使者に対しても、敬意を払うべきであるとされていました。

アフェナテネ

アフェナテネは、儀礼行為に使うために生産されていた刀剣であり、3つの剣身が合わさって、外向きに広がっている形が特徴です。それぞれの剣身には、彫刻や透かし彫りなどの多様な装飾が施されており、持ち手が蛇のモチーフになっているデザインのものもあります。

アフリカでもっとも異色な刀剣

アフリカの刀剣のなかでも、ほかの刀剣とは異なる特徴を持つのが「カスカラ」です。カスカラは、これまで挙げてきた刀剣とは異なり、ヨーロッパで使われていたブロードソードと、デザインや作りがほとんど同じであることから、ヨーロッパのキリスト教徒による、十字軍がアフリカに運び込んだのではないかといわれています。カスカラは、アフリカのなかでもとくに、スーダンで使われており、国を代表する刀剣です。

カスカラの剣身は、18世紀までは西洋からの輸入品が中心であったものの、19世紀以降はほとんどがスーダンにて作られています。19世紀以降のカスカラにも、刀剣を作った職人のシンボルマークが刻まれていますが、刀剣としての値打ちを上げるために、ヨーロッパの職人のシンボルマークを、スーダンの職人が彫っているのが実際です。

まとめ

今回は、アフリカの歴史のなかでも、特徴的な刀剣について詳しく解説しました。アフリカの歴史のなかで使われていた刀剣は、エリアによっても種類が異なります。北アフリカでは、フリッサやニムシャなどの刀剣が、西アフリカでは見た目が特徴的なアダなどが生産されていました。また、アシャンティ王国の宝剣には、アフェナやアソンフォフェナなどがあります。

さらに、アフリカの刀剣のなかでも異色なものとして知られているのは、ヨーロッパの刀剣に酷似しているカスカラです。それぞれの刀剣は見た目や剣身、素材、装飾、使用用途などが大きく異なります。アフリカの刀剣について知りたい人や興味がある人は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。

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