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公開日:2020/11/01  

日本刀に利き手は存在する?


日本刀は国内でなく海外でも人気があります。西洋の剣は片手で扱うことを前提とした造りですが、日本刀は両手で扱うことも多くあります。片手でも扱うこともできますが、両手の方が安定感があります。そこで、刀に利き手は必要なのでしょうか。あるとしたらどの点が違いがあるのでしょう。まずは気になる点をいろいろ挙げてみました。

侍には左利きがいないのには理由があった

日本人の大半は右利きです。だからといって左利きの人がまったくいないわけではありません。男性の方が割合が高いものの、男性3.6%で女性は2.7%です。侍が刀を持つときは右利きや左利き、関係がなく左腰に差していました。これは右手で抜刀するためでした。先にも記載した通り、日本人にも左利きは若干、存在します。

左利きは突然、あらわれるのではなく身内に左利きがいれば、左利きが生まれることがあります。つまり、侍にも左利きが存在したはずです。左利きなら、刀を右にさしたほうがよさそうですが、右にさすことはご法度でした。理由はお互いがすれ違うときに刀がぶつからないようにするためです。

侍が道を歩くとき、左側通行でした。刀をさすところを決めておけば、ぶつからないというわけです。そのため、侍は左利きだった場合、右利きに矯正されました。

ドラマなどで左利きの侍を見たことがありますが、あくまでもドラマ上の話です。実際の侍は左利きがいないと思っていた方がいいでしょう。ちなみに左利きだと小さいうちに右利きに矯正する風習は武士だけでなく庶民にも広がっていきました。最近では「左利きは右利きに矯正すべき」という考えは下火になり見かけなくなりましたが、古くはこうした風習があったのです。

左利きの剣士は存在していないのか

左利きの人は案外、器用な人が多く右利きだけでなく両手利きになる人もいました。それでも、右利きにしたら不器用で何もできなかった人も存在したはずです。幕末の話になりますが、左利きの剣士は存在しました。天保の三剣豪、大石種次(おおいしたねつぐ)の勇姿をご紹介します。先にも記載した通り、彼の両親も左利きだと矯正したはずです。

彼の家は代々剣術師範をつとめていました。彼もまた、幼少から祖父から新陰流剣術と大島流槍術を学びました。不器用で何をやってもうまくいかないので愚鈍、それが彼でした。ある年の正月の御前試合で敗北した彼は剣の修行に力を入れるようになりました。ひたすら、突き技を研鑽し、胴切りや利き腕である左腕を利用した独自の左片手突きを考案したそうです。

彼は十八歳で独自の流派を開き、九州から江戸に出て活躍しました。新選組の志士の一人である斎藤一も左利きという話をきいたことがあります。しかし、現存している彼の絵や写真は通常の侍同様に左側に刀を差しているので真実かどうかわかりません。矯正の件もあるので左利きの剣士はほとんど、史実に残らなかったのでしょう。

日本刀は両手で持つのが基本である

日本刀の持ち方はいくつかポイントがあります。ちなみに竹刀とは若干、持ち方が違います。基本的には右手は刃の側で握り、左手は自分の体の側を握ることになります。とはいえ、日本刀は両手で持ちます。片手で持つには刀は重いからです。片手で振り回すにはかなり、腕力を鍛えなくてはいけません。両手持ちなので実際に、日本刀に利き手があるか疑問が残ります。日本武術では、新陰流の系統で左太刀というのがあります。左太刀では握り方が逆です。

ただ、日本刀本来には右利きや左利きと区別されていません。理由は「左利き」という概念がなかったからです。筆も箸も刀も右手で扱うのが「作法」として当たり前でした。左利きだと幼少の頃に矯正してしまうので問題がでなかったからです。

ところが鞘を見ると右利きか左利きかわかります。鞘はひもを通すところがあり、右用、左用では逆についています。右利きなら、左の腰に刀を差し、左利きなら、右にさすならでっぱりが逆でないと困るからです。とはいえ、侍は左側通行であったために利き手で刀をさしているとすれ違う際にぶつかってしまいます。

あくまでも左利きは少数派でしたから、左利きでも右利きに合わせたのでしょう。刀身でも右利き、左利きを見ることができます。理由は研ぎが違うからです。ただ、圧倒的に左利きは少ないので左利き用の刀も少ないです。見分け方も一般の人では区別ができません。現在、市場に出回っている刀はほとんどが右利きです。

 

古い家を処分するとたまたま、日本刀などが出てくる場合があります。刀を所持する場合は警察などに申請する必要があります。申請手続きはそれほど、面倒ではありませんが。保管などを考えると処分した方がいい場合があります。処分といってもゴミとして出しては勿体ないです。

専門家などの査定を受け、しかるべき鑑定をつけてもらいましょう。理由は素人では刀の価値がわからないからです。保存状態によっては高額で取引できます。買取も一般のリサイクル店では買取すら断られる場合があります。安心、信頼のおける専門店などで買取をしてもらうことをおすすめします。

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