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公開日:2022/09/01  

二刀流はどんな戦い方?あまりメジャーじゃないのはなぜ?


「二刀流」と聞くと多くの人が宮本武蔵をイメージするのではないでしょうか?しかし宮本武蔵以外で有名な二刀流の武士は少ないですよね。二刀流は扱いが難しそうなのは分かりますが、それ以外にも二刀流が少ない理由がありそうです。そこで今回は二刀流とはどんな戦闘スタイルなのか、またなぜメジャーではないのはなぜかついて解説します。

二刀流とは

二刀流とは左右に刀を持って戦う戦法のこと。二刀流は基本的に、大刀と脇差(小刀)を使用し、戦闘を行います。しかし二刀流は一刀流に比べて、習得が難しく実践で使うには強靭な肉体とセンスがいることから流派が少ないのが現状です。さらに実際の戦闘では不利な場面が多く、弱いとも言われています。

二刀流の歴史を見てみよう

二刀流=宮本武蔵と考える方が多いかもしれません。しかし宮本武蔵が二刀流を作ったわけではないことが、大日本剣道史によって分かっています。大日本剣道史には「二刀の剣法は、武蔵の二天一流より古くから諸流あった。

現に京流の山本勘助は天文十五年に二刀形を5本、新陰流の慶長十五年の博書に三本いずれも図になっている。故に二刀流を主にしたのが宮本武蔵であり、二刀流の元祖ではない」と書かれています。そのため二刀流を初めに作った流派は、京流、新陰流ということになりそうです。この他に寶山流にも存在するという説もあります。

二刀流は弱いからメジャーじゃない?

剣道の試合を見ても、二刀流で試合をしている映像は珍しく感じられますよね。二刀流は弱いからあまり見られないのでしょうか?ここからは実戦と剣道にわけて二刀流は弱いのか見ていきます。剣道をやっている方で、二刀流を極めたいと思っている方は心の準備をして読み進めて下さい。

実践の場合

実践でも二刀流を使っていたとされる宮本武蔵ですが、実は宮本武蔵も1対1での戦闘では一刀流を使っていました。また二刀流を使用したのは相手が格下であり、1対多数で戦わなければならない時に限られていたようです。

さらに宮本武蔵が生きていた時代は平均身長が150cmでありながら宮本武蔵は180cmもの身長があったことから、扱うのが難しいと考えるのが妥当だといえます。また一刀流よりも二刀流の流派が圧倒的に少ないこと、片手で刃筋を立てることが難しいこと、(刃筋と力の方向を合わせないと簡単に刃が折れてしまいます) 同じ力量であれば一刀流のほうが剣を振るスピードが速いこと、などから二刀流は実践向きでない事が分かります。

剣道の場合

実戦の場合では二刀流は向かないということになりましたが、剣道の場合はどうでしょうか。剣道の場合ルールが決まっているため、多少有利になるかと思った方もいるかもしれませんが、結論、二刀流は剣道でも強くありません。剣道では真剣よりも遥かに軽い竹刀を使っているのにも関わらず、二刀流で戦っている方の竹刀が落ちてしまうことも珍しくありません。

また剣道のルール上、竹刀を落とすと、反則になり2回で1本取られてしまいます。二刀流を極めようとしている先生方は一刀流の方よりも腕や握力のトレーニングを積んでいるにもかかわらず竹刀が落ちてしまうのは二刀流の弱さと言えるでしょう。

また両手をバラバラに動かすのが難しいことも二刀流が弱いとされる所以です。たとえば、右手で三角形を書きながら、左手で四角形を書けるでしょうか?多くの方が途中から右手左手が同じように動いてしまうでしょう。大体の人間の脳は左右の手をバラバラに動かすことに適していません。そのため右手と左手をバラバラに動かすことで真価を発揮する二刀流は難しく、攻撃が単調になりやすいデメリットがあります。

二刀流は剣道の試合に出られる?

先程の見出しで二刀流の剣道についてお伝えしましたので、二刀流で剣道の試合に出られることは分かっていると思います。ではここでは二刀流で優秀な成績を収めた方はいるのかについて見ていきましょう。

二刀流で大会優勝は可能か?

現在のルールでは二刀流で試合に出られますが、日本では二刀流が禁止されていたこともあり、指導者・競技者が少ないのが現状です。そのため二刀流が使用可能になってから現在に至るまで、大きな大会で優勝した二刀流の方はいませんでした。それほど二刀流は難しく、強いと言われない理由が分かりますね。

まとめ

今回は二刀流について解説しました。二刀流は左右の手を動かすのが難しく、重たい剣を片手で操る必要があることから実戦でも剣道でも弱いことが分かりました。二刀流で名の知れた宮本武蔵ですら一対一では一刀流だったことに驚かれた方も多いと思います。このように歴史や記録から理由を見つけていくと新たな発見があって面白いですね。剣道では二刀流で優勝した方がいないため、これから二刀流で優勝する方が出てくるとすれば宮本武蔵を超える剣術の達人と呼ばれるかもしれませんよ。

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