遺品の整理など、思わぬかたちで軍刀を見つけた時はどうしますか?
扱いに困り、処分のため売却を検討する人もいるでしょう。
軍刀でも遺品の場合は、買取を依頼する際に注意しなければならないことがあります。
そこで今回は、軍刀を買い取ってもらう方法やその注意点についてご説明します。
軍刀の買取はどこへ依頼する?
軍刀とは刀剣類の中でも軍用に作られたもので、明治維新以降の軍隊で用いられるようになりました。軍用といっても戦うための道具ではなく、正装や礼装の際の装飾品の1つとして身につけられます。
そのため、刀でありながらも刃がつけられていないものも多くあります。 日本の軍刀には、サーベルタイプと日本刀タイプがありますが、これは用いられていた時代によって違います。
当初は西洋からの影響を受けていたため、サーベルタイプといわれるヨーロッパの片刃の刀が主に使われていましたが、西南戦争後は日本刀の存在が見直されるようになり、日本刀タイプが一般的となりました。現代では軍隊で刀が常に身につけられることはなくなり、自衛隊の儀礼刀としてのみ使用されます。
これら軍刀を買い取ってくれるところは、刀や軍装品、骨董品などを専門に扱う買取専門店やネットオークションがあげられます。ネットオークションで買取手を探す場合には、売却する刀についての知識が必要になります。
ネットでは実際にものを見ることができない分、正確な情報を提供できないことには売るのは難しいでしょう。そのため、まずは専門店で査定してもらうことが必要です。
一方で、買取専門店であれば、鑑定をしてから買取を決めるので、価値や値段も適切に判断してもらうことができます。ただし、中には悪徳な業者も存在するため、1つのお店だけでなく複数店で鑑定してもらうことをおすすめします。
価値はどこで決まる?
買い取ってもらう時に気になるのが、価値の有無ではないでしょうか。今では見かける機会があまりないですが、昔は今ほど珍しい存在ではありませんでした。
軍隊の中でも多くの階級の人が所持していたため、ある程度の数の刀が存在していたのです。そういった中で価値の判断基準となるのが、いつの時代にどの階級の人が使っていたものかということです。
階級が高くなるほど人数は少なくなり、希少性は高まります。さらに、年代が古くなるほど現存しているものが貴重となるため、価値もその分高くなっていきます。
大量につくられたものなのか、それとも希少性が高いものなのか、この差は大きなポイントとなります。買い取ってもらう時には、それを証明する証明書や鑑定書があると、さらに価値のあるものとして認められやすくなります。
それ以外にも、保存状態も価値の判断には大きく影響します。年数が経っているものだと、錆などの経年劣化はある程度は仕方がないものだともいえますが、刀の価値としてはマイナス評価になってしまいます。有名なものであっても保存状態が悪すぎる時には、価値が下がってしまうことも珍しくありません。
一方で、無名のものでも状態が良く綺麗なものであれば、ある程度評価してもらえることもあります。遺品でも状態が良く保管されていたものであれば、場合によっては高く買い取ってもらえることもあるかもしれません。
遺品の軍刀を買取に出す時の注意点
遺品の軍刀を買取に出す際には、いくつか注意しなければいけない点があります。日本では、刀を所有又は売買をする際には、各都道府県の教育委員会によって登録された登録証が必要となります。
この登録証のないまま所持や売買をしてしまうと、処罰の対象となってしまいます。そのため、遺品で見つけた時にはまず登録証の有無を確認しなければなりません。万が一、登録証がない場合には警察へ行き届け出をする必要があります。 個人の所有が認められていなければ、もちろん売買することはできません。
買取の依頼は、基本的には登録証があることが大前提となります。遺品の刀を買取に出す場合には、この点は気をつけて確認するようにしましょう。 基本的に登録証は必要なのですが、場合によっては登録の対象とならないものもあります。
服飾品の1つでもある軍刀は、他の刀と違って飾りとしての意味合いが強くなります。そのため、工場で大量に生産されたものなどは、届け出をしなくても構わない場合もあります。また、錆や傷がひどく、全体がかなり劣化しているものも登録の必要はないとされています。
実際に見つけた刀に登録証が必要なのかどうかというのは、素人では判断が難しい部分があります。ですので、遺品で見つけた場合にはまず専門家に見て判断してもらうことが望ましいです。その判断をしてもらってから、買取に出すようにしましょう。
軍刀を買い取ってもらう方法やその注意点についてご説明しました。希少性の高いものや状態の良いものは、高く買取されることもあります。しかし、買い取ってもらうためには、遺品で見つけたものでも所持や売買に必要な届け出が行われていなければなりません。その確認や判断が難しい場合には、まず専門家に相談しましょう。