日本の歴史に興味を持っている人の中で、実際に使われていた日本刀や甲冑などに興味を持ち、実際に購入する人がいます。コレクターと呼ばれる人達ですが、このような人がいるおかげで日本刀や甲冑が高く売買されるようになったわけです。では、買取ショップに売却する場合、日本刀と甲冑のセットで売ることができるのでしょうか。
日本刀専門店に行く場合のポイント
買取ショップの中でも、日本刀を買い取ってくれるところは少し特殊なところになります。たとえば、昔からあるショップの中でも中古品の買取専門店が存在しますが、そのようなところで古銭と同じような感覚で日本刀を売却しても買い取ってくれない可能性が高いです。
なぜかといえば、日本刀売却するにはそれなりの特殊な手続きが必要になるからです。たとえば、その刀の証明書などを携帯していかなければなりません。このように、古銭や古着などとは少し異なり、扱いが全く別になるわけです。そうすると、少なくとも日本刀に関しては専門店で売却しなければあまり意味がないことがわかります。
ただ、専門店に行ったとしても必ずしも甲冑を扱っているとは限りません。なぜかといえば、人気度といえばやはり甲冑は刀に比べると劣るからです。もちろんだからといって、安値で取引きされるわけではありません。要するに、市場に出回っている数が少なく愛好者の数もそれに比例して少ない傾向にあり、扱っているお店も少ないといえるでしょう。
なぜ二つの扱いが大きく異なっているのか
刀に関しては、比較的広い範囲で取引きされています。もちろん、取引きをするための条件はあります。手続きなどが必要になるもののそれでもインターネットなどで調べてみれば専門店は各都道府県にいくつか存在するわけです。ところが、甲冑に関しては絶対数が少ないためマイナーなイメージがあるわけです。
そもそもなぜ、数が少ないかといえば利用してきた期間が異なるからといえるでしょう。刀の場合、戦国時代から江戸時代まで武士が愛用してきたものや事務的に携えてきたものが存在しています。そのため、武士の数の分だけ刀が存在していたといえるでしょう。
武士は、日本の人口の5パーセント程度といわれていますが、それでも当時の江戸時代の人口が3000万人ぐらいと考えても150万人ぐらいはいる計算になります。もちろんすべての刀が残っているわけではありませんし、そもそもその中でも価値のあるものを所有している人はそれほど多くなかったはずです。ですがそれでも甲冑の数に比べるとずいぶんと利用されてきた期間が多いです。
甲冑に関しては、戦国時代にはよく利用されていましたが江戸時代以降はほとんど利用されていません。なぜなら、平和な300年間だったからです。初期のころに少し利用された程度で、それ以降先祖のものが蔵の中に入っていたりする程度で増産されたことはありませんでした。
このように考えると、もともとの数がずいぶんと違うことに気がつくはずです。あくまで、倉庫の中に入れっぱなしの状態か部屋の中に飾るものとして利用されていたのか、あるいは常に携帯されていたのかの違いにあるといえるでしょう。
ちなみに、江戸時代から明治時代になったときに戊辰戦争が勃発していますが、このときにも刀を使ったものの鎧や兜などはほとんど使っていませんでした。もはや、それだけでは太刀打ちできない重火器が出回っていたからです。
それでも両方買取してくれる店はある
このように、日本刀と甲冑ではずいぶんと現存が違うため、現代においても取り扱いの仕方が異なるわけです。ただそうはいっても、両方とも同時に買い取ってくれるようなところが存在するでしょう。数は少ないですが、もし同時に買取をしてほしければ遠くの店でもよいので連絡を取ってみるのがよいです。
ちなみに、よろいや兜などはすべてのパーツが揃っていることで価格が大きく跳ね上がりますので、一部でも欠けている場合には買取不可能になることも頭に入れておくべきです。たとえば、具足のみがない場合などは買取価格は下がってしまうと考えてよいでしょう。
日本には、日本刀と呼ばれる独特の頑丈な刀がありますが、比較的買取ショップなども少なくありません。もちろん、古着屋などの買取に比べると少ないですがそれでも各都道府県にいくつものお店があるはずです。
一方で、よろいや兜になると数自体も少ないだけでなくお店自体も少ない傾向にあります。そのため、両方同時に売却することが難しい可能性が高まります。甲冑が少ない理由は、江戸時代以降にほとんど利用されていないからです。300年間の歴史の中で、もはや必要ないと考えて売却してしまった人もいるぐらいです。このように考えれば、現代でも取り扱う数が少ないのはうなずけるでしょう。