現代、日本刀は骨董品や美術品として展示されることが多くなっていますが、本来の刀の役割は戦うための武器です。実際に真剣勝負という言葉があるように、真剣で戦うケースもありました。効率的に戦うためや強くなるためにいろいろな流派が存在した歴史もあり、刀の斬り方にも豊富な種類が存在するのです。
日本刀はシンプルな斬り方が強い
日本刀は日本で昔に実際に武器として使用されていた歴史がありますが、武士達が日々それぞれの流派で鍛錬を積み、いろいろな斬り方を編み出しました。一番シンプルな斬り方としては唐竹が該当しますが、唐竹は刀を両手で持った状態で頭上まで持ち上げて、そのまま真っ直ぐに斬り落とすスタイルになります。
現代でもこのスタイルは残っており、剣道でいう所の面がこの唐竹に該当してきます。唐竹は刀を扱って間もないような新米でも対応しやすいので、多くの武士が取り入れていた斬り方です。動きがシンプルなのと、敵に刃が当たったときに大ダメージを与えることができますから、強い剣豪でも戦術の一部に取り入れていた基本のスタイルになります。
唐竹は鍛錬の場でも活用され、刀を力強く振るために必要な腕力を鍛えるためや、刀を振ったときにどのような動きになるのかを習得するためにも効率的だったと考えられます。剣道でも面でトレーニングを積むケースが多いように、基本を忠実に習得した人間のほうが強かった可能性が高いです。
しかし唐竹は頭上に刀を上げた状態になってしまうので、相手に腹の部分などを高速で斬りつけられてしまうと何もできないまま負けてしまうリスクも存在します。攻撃力は強いですが、防御力には弱点があるので、基本的には大人数で少数の敵と向き合うときに活用すると便利な斬り方だと想定できます。大人数で取り囲むように唐竹のスタイルを取られてしまうと、敵は恐怖の余りに負けを認めるしかなくなるでしょう。
袈裟に由来する斬り方も存在する
唐竹はシンプルな日本刀の使い方ですが、若干モーションが攻撃に偏っており、防御面で劣る特徴がありました。その弱点を解消しつつ、効率的に敵に致命的なダメージを与えられる斬り方が袈裟斬りです。袈裟は僧侶が身につけている衣装のことですが、一般的に袈裟は右肩から斜めに着用されているケースが多く、その袈裟に合わせて斬るのが袈裟斬りです。
つまり右肩の部分から腹の部分にかけて斜めに斬り込むスタイルになるので、完璧に斬られてしまうえば致命的なダメージを負うことになります。流派によっても若干の違いはありますが、袈裟切りをすることにより、鎖骨を効率的に折ることができるだけでなく、近くに大きな動脈があるので、大量出血を招くことができると想定されています。
現代で日本刀を使用して誰かを斬りつけるような真似はできませんから、実際に袈裟斬りが致命傷を与えられるのかは想像するしかありませんが、ただでは済まないことは簡単に誰でも想像できるかもしれません。また袈裟斬りのメリットとして、唐竹よりも刀を持ち上げずに相手に斬りつけることができる点があります。
このメリットにより防御をしながら相手に斬りつけるプレッシャーを与えることができますから、多くの武士が使用した斬り方です。袈裟斬りに工夫を与えた斬り方もあり、逆袈裟斬りは肩から腹に向けて斜めに斬るのではなく、腹から肩に向けて斬りつける方法になります。
逆袈裟斬りは抜刀をした瞬間に斬りつける特徴があり、相手に奇襲を仕掛ける際にも役立ったと考えられます。逆袈裟斬りで首の部分に刃が当たれば、その時点で勝負が決する可能性も高いですが、抜刀からの逆袈裟斬りは最初の初手にしか基本的に出せない技ですし、攻撃を外してしまうと一気に不利な状態になる可能性も高いです。
袈裟切りも逆袈裟切りも斜めに斬る特徴があることを理解しておけば、知識としては問題ないと思います。また現代でも日本刀で試し斬りができるサービスはあり、ゴザを真剣で斬ることを多くの人が経験できますが、ゴザを斬るときに袈裟斬りが使用されるケースが多いです。そのため日本刀の試し切りのサービスを利用すれば、袈裟切りを実体験することもできます。
斬るだけでなく突くような技もある
日本刀は基本的に振ることで相手に刃の部分を使用して斬りつけていきますが、突きとして刀の先端の部分を相手に突き刺すようなスタイルもあります。先端が鋭くなっているので、攻撃の一部として突きを導入すると相手に脅威を与えられたと考えられます。突きで狙う場所は顔の目の部分や首などになりますが、胴体の部分や足にやられても脅威だった可能性が高いです。
突きを攻撃のバリエーションに含めることで、袈裟切りが決まりやすくなるなどの工夫が与えられていたことが想定できます。刀は真っ直ぐ斬ったり、斜めに斬ったり以外にも突くことでダメージを与えられますが、現代では鑑賞用として楽しむのが普通です。
日本刀の買取店なども存在しますし、そのような店を利用すれば美しい刀を自宅に飾ることができます。美しい刀を眺めるとき、それが歴史のある刀であれば「いろいろな斬り方で戦われていたんだな」と、想像するのも面白いかもしれません。
日本刀は従来武器として使用されていましたが、いろいろな斬り方が存在します。一番シンプルなスタイルが唐竹になりますが、唐竹は剣道の面と同じように刀を振り落すスタイルで戦うことになります。袈裟斬りや逆袈裟斬りもありますが、斜めに斬りつける特徴があり、現代でもゴザを斬るときに活用されるケースが多いです。
また、突きとして刀を突くような方法もあるので、いろいろな使い方が存在します。買取店などを利用すれば日本刀を購入できますから、自宅に飾るときに昔の戦う光景を想像しても面白いかもしれませんね。