日本刀は元々、武器として作られた物です。
そのため、実際には所持する場合は銃砲刀剣類所持等取締法、いわゆる銃刀法の規制範囲となっています。
なので、一般人が持っていることは許可なしにはできないと考えられがちです。
では実際の所、一般の人でも自分の物にすることができるのでしょうか。
またそのためには何か特別なルール等が適用されるのでしょうか。
銃刀法とは一体どういった法律?
銃砲や刀剣類を何もルールを決めることなく所持していると、もしかしたら何らかの危害が発生してしまう可能性があります。
そこで、昭和33年に銃砲や刀剣類の所有に関して、それを所持することによって発生するかもしれない危害を予防する目的で制定された法律が銃砲刀剣類所持取締法、いわゆる銃刀法と呼ばれる物です。
この法律によって、銃砲や刀剣類の所持は一般的には禁止されており、法令によって職務を推進するために所持するために都道府県公安委員会の許可を受けた人だけが例外的に認められるということになっています。
だから、拳銃等の輸入も禁止しており、さらに美術品や骨董品として価値があるとされる刀剣類の登録や製作の承認に関しても規定している法律です。
また現在では拳銃を使用した犯罪が増加することに対応するため、1991年には法律の一部が改正され、よりその規制が強化されている状態です。
日本刀の所持は銃刀法違反になってしまうことはないのか
銃砲や刀剣類の所持に関しても規制している銃刀法があるので、一般的には銃砲や刀剣類の所持は禁止されているのではないか、もし個人が持っている場合、実は銃刀法違反になってしまうのではないかと心配する人もいます。
しかし実は、日本刀を持っていたとしても、銃刀法違反になることはありません。
もちろんどんな場合であっても合法とみなされるわけではなく、登録証が付いている日本刀を持っている場合や、自宅で発見した物を所有している時に限ると言う条件付きで合法とみなされています。
そもそも日本では、真剣の所持自体は昭和26年から法律で許可されているので、専門家だけでなく一般の人が持っていたとしても問題視されることはありません。
また現在日本で流通している刀に関しては、都道府県の教育庁文化財保護課が発行する登録証が付いている状態です。
もちろん家の蔵とか押入れとかから急に登録証がない物が発見されたとしても、すぐさま罰せられるというわけではありません。
まずは最寄りの警察署の方に発見届を申請し、その後基準を満たしていると判断された場合は登録証を発行してもらえます。
ただ基準を満たしていないと判断された場合は武器とみなされてしまうので没収ということになります。
だから、ただ単に持っているだけであれば銃刀法違反となることはないので、安心して自分の物にすることができます。
基本的には誰でも手に入れることができる
実は、日本刀を所有する場合は、銃砲とは違って資格などを求められることはありません。
だから、法律上本当にその人が所有しても大丈夫かどうかとい言う審査が行われることもないので、基本的には誰でも手に入れることができるようになっています。
もちろん年齢も関係なく、成人していたとしても、未成年だったとしても、また前科がある人だったとしても区別されることはありません。
もちろん、武器として保管管理しているのではなく、あくまでもその刀自体が都道府県教育委員会によって、美術的な価値が認められて登録証が発行されていなければなりませんが、言い換えれば登録証があれば個人で持っていたとしても問題ないということになります。
ただ、登録証があれば後は何をする必要もないというわけではなく、実際には誰の物なのかということが変更した場合は登録証を発行した教育委員会の方に届け出る必要があります。
また、基本的には誰でも持つことができるとなっていますが、都道府県によっては未成年が持つことは禁止しているという所もある可能性があります。
この場合、法律では認められていても条例では認められていないということになるので、該当する都道府県に住んでいる未成年に関しては、成人するまでは自分で持つことはできないということになるのです。
もちろんこのような条例の存在があるので、業者としても販売に関しては誰に対しても行っているわけではなく、年齢制限を設けている場合も多々あります。
基本的には美術品、骨董品としての価値が認められて登録証が発行されている物に関しては、年齢等関係なしで誰でも自分の物として保有することができるようになっています。
とはいえ、条例等によっては年齢制限が設けられている場合もあるので、100%誰でもOKというわけではありません。
またあくまでも美術品とか工芸品として鑑賞する場合に限って銃刀法にも関係なしで自分の手元に置いておくことができるのですが、それを使って街中で振り回したりすると、もちろん銃刀法違反となってしまうので注意しましょう。
あくまでも個人で鑑賞するだけであれば持っていても良いということになっているのを理解しておくことをおすすめします。