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公開日:2020/04/15  

日本刀を鑑賞する際に押さえておきたい注意点とは?

日本刀は見た目にも美しく、飾っておくこともできます。しかし、素人が扱うにしても注意点があるはずです。ただ漠然と見るだけでなく、知る楽しさも含め、見るためにはどんな点に注意をしたらいいのかを知りましょう。

美術品としての価値を落とさないこと

日常ではなかなか触れることのない日本刀ですが、伝統的な骨董品でもあり、その歴史は10世紀頃ともいわれるほどで、老舗となる買取店も数多くあります。戦前より販売をおこなうほどの老舗は実績もあり、博物館や美術館との取引も少なくありません。

そうした信頼できる業者には鑑定士も籍をおきますし、豊富な知識を持つ店主もいます。そこでならば、日本刀の展示もおこなわれているでしょうし、鑑賞する際に押さえておきたい注意点なども教えてくれるでしょう。

もしも、自宅に保管しているのであって、鑑賞用と考えているのならば、まずは、見る楽しみよりも知ることを優先させましょう。作品としても美しく飾るだけでなく、保護することも考慮しなければなりません。貴重なものでもありますから、守るためには照明を暗くしたり、保護のためガラスケース内に展示をしたりするほどのコレクターも少なからずいらっしゃいます。

鑑賞する際に押さえておきたいことといえば、照明に照らされることでも損傷が進むこと、空気に触れるだけで錆ついてしまうなどに注意しなければなりません。設置の際は、照度計を用いり、適切な明るさに調整したところで鑑賞しましょう。もちろん、転倒防止のためにも専用の刀掛けを用いるか、テグスなどでジャマにならないように固定するようにしましょう。

また、押さえておきたいのは『美術的価値』です。ですから、彫刻も施されています。もちろん、興味がない人であっても、鞘から刀身を抜くことがあるかもしれません。ですが、空気に触れることにより、錆びがつくこともあります。

鑑賞用として手元に置いておきたいという場合には、手入れ・メンテナンスをすることも必要なことです。もちろん、手垢がついたり、ハンドクリームなどの油分が付着するのを防ぐためにも、触る際には白手袋をはめることも必要でしょう。

ちなみに、錆びつかないためには刀身に油をまとわせる方法が用いられますが、油も経年劣化を引き起こすので、数ヶ月ごとに塗ってある油を拭き取り、塗り直しましょう。また、錆ついていたとしたら、ムリに鞘から引き抜くことは避けましょう。

光へのあて方も劣化させないポイントになる

見た目の美しさは鑑賞用としては重視されるわけですが、買取となる場合には重視されるわけではないようです。素人が汚れや錆びなどを落としても最終的には手をかけるのは職人だからです。

武器としての機能だけでなく、芸術・美術品としての価値もありますから、その切れ味、外見も優れているものは評価も高いようです。押さえておきたいのは、高名な刀鍛冶によって作られたということで、歴史を知る、その日本刀のことを知ることで楽しみ方も広がります。

また、直線状の直刃、うねりを持つ乱れ刃、こうした芸術性も持つ刃文もありますし、地艶も細かい部分が評価されているようです。また、査定額のポイントのひとつに『沸や匂』があります。刃紋を構成している部分なのですが、焼き入れされた鉄の結晶構造(マルチンサイト)を光に反射させる鑑賞の楽しみ方もされていますが、照明にあまりあてすぎないことにも注意が必要です。

また、ムラ、染み、滲みなどがないほうが美しいと評価されるようですから、やはり日頃の手入れ・メンテナンスは大事になるでしょう。

飾る場合の向きや置き方にも注意しよう

日本刀を鑑賞する際に押さえておきたい注意点は、人がいるところでは鞘から抜かないことです。また、収め方などを含め、正しい取り扱い方を知っていないと、怪我をしてしまう可能性も少なからずあります。

抜き方でのポイントになる鯉口は、切って緩めておかなければ、鞘口が壊れてしまうこともあるようで、ゆっくりと注意深く抜きましょう。姿、刃文、地鉄などの状態を見るときはふくさをもちいり、手で直接触れないようにしましょう。取り扱いは慎重に、ここも注意点です。

また、鑑賞する際に押さえておくべきは、刀掛けを使っての置き方で、飾ってある姿を正面から見たとき、柄の向きがありますが、刀掛けはもともと飾るための目的ではではなく、すぐに帯刀できるように刀掛けを使用していたようです。

反射的に刀掛けから取ったとき、すぐに腰に差すための向きがあります。左側に柄があると自然な動作になるので左を柄にすることや、刀の表を前に向けることです。実際には日本刀の種類によってどちらに向けるべきかは異なり、打刀の場合には刃を上向きに、太刀は下向きにします。

 

日本刀は、買取店に持ち込むだけでなく、自宅で保管することや、見る楽しさ、知る楽しさも味わうことができます。しかし、取り扱い方をはじめ、鑑賞する際には押さえておきたいポイントであったり、注意点もあります。それによって、日本刀の持ちにも関わりますし、人が怪我をしないようにはからうこともできるでしょう。

注意点を知るにも、買取店などでも実物が展示されているでしょうから、そうした店主からも話を聞いておきましょう。

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