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日本刀は美術品としての高い価値がある

日本刀は美術品としての高い価値があるそもそもは武器として作られ、切れ味に応じて最上大業物、大業物、業物というランク付けもされていた日本刀ですが、現代においては美観、美術的価値が重んじられる傾向にあります。

しかしながら、歴史上の名刀と呼ばれている日本刀の多くは、切れ味と美観の両方を兼ね備えているのも事実。

切れ味においては最上大業物であり、美術的にも最上作と評価される名刀も少なくありません。

それらの名刀は所有者たちに大切にされ今日まで継承され、国宝、文化財の指定を受けているものもあります。

平和を重んじる世にあって、日本刀で斬り合う戦いはもはやあり得ません。

武器としての必要性がなくなった日本刀には、今後ますます美術的価値が求められていきます。

 

奇跡の日本刀

平安時代に作られた有名な日本刀大包平(おおかねひら)があります。

多くの愛好家や評論家から国宝中の国宝と絶賛されている日本刀です。

大包平がなぜそこまで高い評価を受けているかというと、あまりに美しい外観はもちろんのこと、ありえないほどの薄さと強じんさのためです

幅広で長い刀身でありながら重さは1.35㎏、太刀として非常に軽い部類に入ります

この軽さは刀身の薄さによるもので、現代の刀工らの手によっても不可能とされるほどの作刀技術と言われています。

匠の技術は伝承不可能かもしれませんが、技術の結集である作品は遺ります。

これからも保護継承していくことによって、いつか大包平を凌ぐ日本刀を作る刀工が現れるかもしれません。

 

美術品として日本刀を鑑賞する

日本刀を選ぶときはまず、全体の佇まいの美観が重要視されます

第一印象はとても大切です。

欧米の剣のように直線的でない、しなやかな反りは日本ならではの美意識。

鍔(つば)や鞘の細部にまで趣向が凝らされ、まさに日本文化のすべてが詰まっているといっても過言ではありません。

鞘から抜かれた刀身を鑑賞することはまた特別な喜びです。

鍛え上げられた刀身の妖艶な輝き、有機的に這う刀紋の美しさは心奪うものであり、時間を忘れて見入ってしまいます。

 

日本刀の収集とランク付け

日本刀の美しさ、美術的価値の高さに早くから気付いていた有力者たちは、日本刀が普及し始めた平安時代の頃から収集やランク付けをするようになりました。

見た目も美しく殺傷能力も高い日本刀を、最初に公的に収集しランク付けをしたのは室町幕府です。

 

日本刀の美術品としての継承

室町時代は戦乱の多い時代であり、幕府は戦乱を収めるために功績を上げた武将らに土地や馬などの報奨を与えていました。

そのひとつとして日本刀があり、銘や外観によってランク付けすることが必要だったのです。

当時から日本刀は装具すべてを含めて際立った美しさを持ち、武将の中にも多くの日本刀愛好家がいました。

その強じんさを併せもつ美しさは現在作られている日本刀をはるかに凌ぎ、現代の刀工の中には当時の日本刀を目標として作刀に励んでいるという方も少なくありません。

美とは時代の新旧にかかわらず普遍的なものなのです。

 

日本刀の全滅を救った美術的価値

美しいものを遺したい、未来に伝えたい、と思うのが人間。

ましてやそれが武士の魂である日本刀なら言うに及ばず。

明治時代の廃刀令により帯刀が許されなくなり日本刀の普及が著しく減少しました

昭和の時代、戦後の刀狩りによって多くの名刀が海に沈められ、焼かれました。

GHQによるこの措置は、すべての武器を排除するという目的のために行われたものでした。

けれども、日本刀はただの武器ではありません。

多くの日本人にはそういう認識があります。

早くから日本刀の美術的価値を高く評価していた愛好家や家宝として大事にしていた方々がGHQを説得し、やがて保護継承のための団体が立ち上げられます。

昭和23年のこと、文部省認可によって公益財団法人日本美術刀剣保護協会が設立されました。

 

日本美術刀剣保護協会とは?

日本刀を美術的観点から保護し未来へ継承していくために設立された団体で日本刀の鑑定や展示会などを中心業務として業界全体の保護育成に努めています

日本美術刀剣保護協会の主催する新作名刀展は多くの刀工の目標となり、若手作家の登竜門となっています。

また、刀剣博物館の設立や原料である和鋼、玉鋼の製造も行い、日本刀業界の中心として活動を続けています。

日本美術刀剣保護協会の発行する鑑定書は信頼性の高いものと言われています。

 

日本美術刀剣保護協会による美術的ランク

以前は切れ味で評価されることの多かった日本刀ですが、もはや武器として使用することはないため刀装および装具などの美観、保存状態が大きな評価対象になります

日本美術刀剣保護協会では、日本刀の銘や美観、保存状態を基準に

特別重要保存刀剣

重要保存刀剣

特別保存刀剣

保存刀剣 と4つに分類しています。

この分類は日本美術刀剣保護協会独自のものであって、他団体やかつての最上大業物、大業物、業物の分類とは全く関係ありません。

しかしながら、鑑定評価を下しておくことは、日本刀を美術遺産として保存し、未来へ継承していくために欠くべからずことです。

日本刀の美しさ、作刀に要する特殊な技術はいつまでも絶やすべきではありません