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公開日:2018/07/01  

日本刀の各部位の名称

日本刀の各部位の名称

日本刀について話をするときには各部位の名称を正しく知っていることが大切です。
日本刀を売りたいと考えているときにも買取業者とのやり取りをする中で何度も各部位の名称が出てきます。
そのときに困ってしまわないようにしっかりと覚えておきましょう。

 

日本刀の刀身部の名称について知ろう

日本刀は分解すると大まかには刀身に分けることができます。
・刃を含んでいる金属部分のことを刀身と言いますが、この全体構造の各部位には細かく名前が付けられています。
・先端部分のことを全体として切先と言い、その中でもカーブしている部分のことをふくらと呼びます。
・そして、切先の焼刃の部分を鋩子と言い、日本刀の価値を判断する上で重要な部分です。
・切先の下側には横向きに線が入っていますが、これを横手あるいは横手筋と言います。
・そこからさらに下に当たる部分が物打ちと言い、斬るときに使う中心的な部位です。
・次に刀身の反対側を見ると柄の中に収まる部分があります。
これをと言い、作者の銘が打ってある部分です。
この部分は錆びてしまいやすい場所で手入れを十分にしていないと日本刀の価値を大幅に下げてしまうことになりかねません。
茎はなかごと読み、しばしば中心という字を当てることもあります。
・茎にある穴が目釘穴で、刀身を得に固定するための目釘を打つ場所です。
・茎に打ってある銘の上辺りにはヤスリをかけてある部分がありますが、これを鑢目と呼びます。
習慣的に行われているものですが、鑑定の際には重視される部分なので有無を見ておくことは大切です。
・そして、茎と刀身の本体部分を分ける境界部分をと言います。
区はまちと読み、刃側の方を刃区、反対の棟側を棟茎と呼びます。
製法の都合上、日本刀が新しいときにはこの部分が深くくぼんでいますが、研ぎ直しをしているとだんだんと薄くなっていきます。
どれだけ研いできた日本刀かを判断する上でよく着眼される構造です。
・刀身の全体にまたがる部位の名称として刃の反対側が棟になり、刃の前提に見えている文様のことを刃紋と言います。
・また、横手から茎の下端に至るまで通っている線が鎬筋で、鎬筋と棟との間の平らな部分を鎬地と言うのが一般的な名称です。
日本刀について話をするときに鎬が高い、鎬が低いという議論を行うことがありますが、これは鎬地の部分が厚くて張りがあるかどうかを見ています。
この他にも全体の湾曲している様子を反りと言うなど、刀身に関する専門用語は多数ありますが、部位の名称という点では以上に挙げたものが代表的です。

 

日本刀の鞘や柄などの名称を知ろう

日本刀は刀身だけでできているわけではありません。
持ち手に当たる部位を、その間にある刀装具を、刀身が収まっている部分をと言います。
それぞれについてさらに細かな名称が付けられていて、構造が機能にも大きな影響を及ぼしています。
・柄の最も下側にあたる部分を、鍔に近い部分を切羽と言います。
・その下にある部分が縁、縁の少し下側には刀身を留めるための目釘が打たれています。
目釘の頭部には目貫という装飾が施されているのが一般的です。
全体には縁巻きが施されていて芸術性を高めると共に柄を持ちやすくする機能性も発揮できるように工夫されています。
・頭の部分には金属製の柄頭が取り付けられ、その反対側には縁金と呼ばれる金具が装着されています。
柄から鍔を隔てた反対側には、はばきと呼ばれる金属がありますが、これは刀と鞘を密着させて滑るようにして刀が抜け落ちてしまわないようにするための構造です。
・一方、鞘についても名称があり、はばきと接する口の部分を鯉口、鞘の先端部分はこじりと呼びます。
鞘に巻かれている帯は下げ緒と言い、刀を帯に巻きつけるために使われる部分です。

 

各部位の名称を知っておくと売買で有利

このような刀身、鞘、柄、鍔などに関わる細かな名称を知っておくと日本刀を売買したいときにも役に立ちます。
基本的に業者は安く買い取って高く売らなければならないため、あまり良心的な業者でない場合には日本刀に詳しくないと気づくとやや相場より高く売ったり、安く買い取ったりしようとする可能性があることは否定できないでしょう。
そのような不利益を被らないためには知識があることを示せるに越したことはありません。
日本刀について話をしているときに各部位の名称を正しく伝えられると、十分な知識を持っている人だという印象を持ってもらえます。
また、細かな話をするときにコミュニケーションを取りやすくなるというメリットもあります。
手入れをどのようにしているかという話をするにも茎という言葉を知っていると、その部分の錆取りもしていると伝えるだけで十分に手入れができているだろうという印象を与えることが可能です。
上手にコミュニケーションを取れるように細かな部位まで名称を覚えておきましょう。

〇まとめ
日本刀は刀身、柄、鞘などに細かな名称が付いています。
部位の名称を詳しく知っていると日本刀を買いたいときにも売りたいときにも便利です。
売買で不利益を被らないようにするためにも、業者とやり取りすると気には十分に勉強しておくのが賢明です。

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