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公開日:2018/09/01  

日本刀の手入れの頻度はどれぐらい?

日本刀はなぜ折れない?

日本刀を所持しているときには劣化を防ぐために丁寧に手入れをしていくことが重要になります。
一般的にはどの程度で手入れをしていけば大丈夫なのでしょうか。
毎回行うべき手入れの内容についても理解して、日本刀の価値が下がらないように気をつけましょう。

 

手入れの頻度はどの程度が適切か

日本刀の状態を良好に保つためには手入れをこまめに行う必要があります。戦国時代や江戸時代などに日本刀を命として扱ってきた人たちの場合には毎日のようにして手入れを欠かさなかったとも言われていますが、実際にはそれほど神経質にならなくても十分に美しい姿を保たせることが可能です。

日本刀は今では観賞用として用いるのが基本なので、何かを切るわけではありません。ひどい汚れが付着してしまったり、刃こぼれなどを起こしてしまったりすることもないので誰でも手軽にできる手入れを適当な周期で行っていれば問題ないのです。普段は鞘に入れて大切に保管しているという場合には、鞘から出して鑑賞する度に行っておけば大丈夫でしょう。およその目安として三ヶ月に一度は鞘から出して手入れをすればあまり劣化してしまうことはありません。

鞘から出した状態で置いておくと汚れが付着しやすいのでもう少しこまめに手入れをした方が良いですが、そもそも危険を伴うので鞘に収めておくのが望ましいでしょう。ただし、鞘の状態や環境によって劣化しやすさにも違いはあります。高温多湿の場合には劣化が進みやすくなりますが、適度な湿度があって涼しい環境にあるとあまり劣化は進みません。

一方、鞘の状態については少し注意を払う必要があります。鞘の中がきれいであれば手入れの頻度は少なくても問題ありません。しかし、一度錆びついてしまったことがあると鞘の中に錆が残っていることがあります。それが原因で錆が付きやすくなってしまい、頻繁に手入れをしないと錆が目立つようになってしまうこともあるのです。

その状況の場合には鞘をクリーニングして一度錆をきれいに取り除かないと状況はどんどん悪化していってしまいます。鞘から刀を抜いたときに少し錆が目立つと感じたら鞘を疑った方が良いでしょう。そのような状態でなければ三ヶ月に一度の手入れをしていれば美しさを維持できるのが一般的です。

 

普段から必要になる日本刀の手入れ

日本刀の手入れとして大切なのは少しずつできてしまう錆をきれいに落とし、表面を覆うようにして保護しているを新しいものに取り替えることです。

まず古くなっている油を取り除くために柔らかいティッシュペーパーで拭き取ります。それだけではきれいに取り除くことはできないので、日本刀専用の打ち粉を使って拭くのが良い方法です。打ち粉を使うことによって表面に少しできてしまっている白錆も取り除くことができます。
ただし、あまりにも白錆が多いときには拭うだけではなかなか取れません。無理にこすってしまうと傷つけてしまうことになるので取れる範囲で取れば良いと考えましょう。

また、最近では油汚れを取り除くのに使われるクリーナークロスもよく用いられます。油の吸着力が高いメリットがありますが、商品によって含まれている成分が異なり、白錆を取り除くのにはあまり有効ではない場合もあるので注意が必要です。
この作業が終わってきれいに油がなくなったら、速やかに丁字油を塗布します。このときにもティッシュペーパーを使っても良いですが、柔らかい布を用いた方が適度に油を残すことができます。
油が見えるというほどでは塗り過ぎなので、何となく全面的に油があるように見えるという程度の量を塗布するようにしましょう。

このような手入れを行っていれば基本的には大丈夫ですが、錆が目立ったときにはメタルクリーナーを使って取り除いておくのが効果的です。

 

日本刀の手入れ次第で価値が大きく変わる

このような手入れを行うのが重要なのは日本刀の価値が大きく変化してしまうからです。錆が表面だけで済んでいればそれほど大きな問題はありませんが、内部にまで錆が進んでいってしまうと再起するのが困難になってしまいます。貴重な日本刀が残念な姿に変わっていってしまうのです。

これはただ観賞用として見るに堪えない状況になってしまうだけでなく、買取を依頼したいと思ったときにも大きく査定価格を下げる原因にもなります。日本刀はしっかりとしたものなら数百万円単位の値段がつくものなので、資産としての価値も十分に高いのが特徴です。その価値が失われてしまわないようにするには定期的な手入れを心がけるのが最も有効性の高い方法でしょう。

 

日本刀を所持しているときには三ヶ月に一度は鞘から出して手入れをするのが大切です。放置し続けてしまうと錆がだんだんと奥まで入り込んでしまって取り返しがつかないことになりかねません。表面にある錆と古い油を取り除いて、新しい油でコーティングするだけの簡単な作業なので定期的に実施しましょう。

鑑賞する度に手入れをするという習慣を作るのも良い方法で、自分なりのタイミングを決めることが重要です。

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