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公開日:2019/10/01  

尖り刃の刃文が入った日本刀の買取


最近では、ゲームやアニメなど若者にもなじみ深い分野で日本刀に重きを置いた作品がたくさん作られていて、サブカルチャーとしての注目度も格段に上がってきています。

画面の中だけではなく実際に生で自分の目で見たいというファンも多く、日本各地の博物館の展示や神社にある奉納所までが人気のスポットとなり、日本刀に魅了されています。

尖り刃はどうやって作られるのか

現代のブームとなっている日本刀ファンの方々は、さまざまなポイントに魅了されているわけですが、細かく見ていくと日本刀にはこうしたポイントがいくつもあることがわかり、その奥深さがうかがえます。

中でも刃の個性がよく現れているのが刃文といえるかもしれません。私たちはそのきれいさばかりに注目しがちですが、実用面においても刀の強度の良し悪しがかかっている工程において出現してくるものなのでとても重要といえます。

刃文は、感覚だけでいちばん適した温度だと判断したと同時に、高温で加熱した刀身を今度は水に入れて急速に冷やすといった工程において作り出されます。この工程を焼き入れといいますが、人間がひとつひとつ作っていくものなので、大量生産品のように同じ文様をもつものがいつでも、いくつでも作れるかといったら、もちろんそれは不可能といえます。

焼き入れをする前にも、土置きといって、刀をつくるために粘土を刀身に盛っていく作業がありますが、この時に刀工は自分のつくりあげる完成品のイメージを頭に描きながら形にしていきます。粘土の種類は3つあり、平地用、刃文用、鎬地用とそれぞれの箇所に分かれていて、刃文にどのような文様が浮きがるようにするのか、という点ももちろん考慮にいれて粘土の土の配合から作業の順番などそれぞれの工程をこなして尖り刃にしていきます。

尖り刃とはとういった刃文なのか

日本刀の個性が現れる刃文ですが、いくつかの種類に分類することができそれぞれに名称が付きそれを得意とする刀工が存在します。 まずもっとも大きな分類でいう直刃(すぐは)と乱刃(みだれば)の二つが挙げられ、文字通りまっすぐか乱れているか、つまり波打ったような形状になっているかで見分けられ、さらに大別から細かな分類も可能で直刃、乱刃それぞれにいろいろな呼び名がついており多くのバリエーションがあります。

中でも尖り刃は互の目尖りともいい、その名の通りするどく突き出るように後の目が尖っているのが特徴で、孫六兼元(まごろくかねもと)は買取でも価値の高い名工として知られています。もちろんこの尖り互の目あるいは三本杉は、兼元系だけその刀工というわけではなく、ほかにも加賀国の末関陀羅尼勝国であったり、越前関といったよく知られた刀工があります。

さらにさまざまな流派によって作られてきたというだけではなく、互の目乱それ自体もひとつではなく、刃文との組みあわせによってさらに細かく枝分かれしていくので、それほど単純にカテゴライズできるわけではありません。

実際に実戦用として使用されていた時代と観賞用として求められている現代とでは、流行はもちろんどこに価値をみいだすのかも違ってくるので、これらを通して当時の時代背景や刀工の流派に流れる思いがあぶりだされるようにも感じられます。

尖り刃で有名な刀工や流派について

互の目尖りで代表的な作者として挙げられるのは、室町時代の後期に美濃国、今で言うと愛知県東部あたりで活動していた刀工の系統である兼元系です。 刀の中心部分の少しふくらみがあるところを鎬(しのぎ)といいますが、兼元系の特徴としては全体的に身幅が広く高さもありしっかりとした堂々たる印象があります。

また、刃文の波打っているような文様のことを互の目といい、それがだんだんに乱れているような変化を互の目乱といいますが、この互の目乱れが兼元の場合は、三つおきにだんだんと高く乱れていくという特徴があります。これは、その様子が三本杉の家紋の見た目に似ているので、そこから互の目尖りというよりも三本杉という呼び名が使われることも多いです。

この流派の中でも2代目は特に有名で、孫六兼元とか関の孫六という名前で呼ばれています。もはや、この刃文というよりも日本刀そのものを代表する名前といっても過言ではなく、たとえば正宗や村正、そして虎徹に肩を並べるほどの知名度があるほどです。

この孫六兼元がつくる刀は、当時においては切れ味に優れるという点でも実用面で武人たちに愛されたといわれます。現代人は観賞用としてきれいだと眺めるだけですが、実用の面でも高い品質を誇っていた兼元系は、現在までその魂が脈々と受け継がれていて、今の金子孫六氏は実に二十七代として数えられます。

 

これまでの一部のファンのみのコミュニティだった日本刀の買取市場も、多くの人たちの注目が高まっていて、活発に取引がされています。また、専門の買取業者もバリエーションが増えているので眠っているお宝を買取に出すいい機会かもしれません。

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