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公開日:2020/11/01  

古い日本刀と新しい日本刀はどっちの方が高く買取ってくれる?


日本刀を買取に出すとき、古さや新しさは査定にどういう影響があるのか、という疑問を持つ方もいるでしょう。一般的な品物なら新しいほうがよい場合も多いのですが、骨董品としての価値を考えると古いものほどよいということもあります。そこで今回は、古い日本刀と新しい日本刀はどっちの方が高く買取ってくれるのかお話しします。

年代が古いほど希少価値が上がる

日本刀は1000年以上の長い歴史があるものなので、古いといってもその古さのスケール幅が違います。そのため、普通の品物と違って古いものほど希少価値があり、骨董品としての価値が上がる傾向があるといえるでしょう。

製作された年代については、平安初期より前~戦国時代までのものと、江戸時代のもの、そして明治以降のものという3つに分けることができます。

平安初期より前~戦国時代までのものは、上古刀や古刀と呼ばれており、上古刀は最も古い時代のものとされているため希少価値が高く、中には博物館に展示されるほど考古学的価値が高いものもあります。古刀は平安時代から戦国時代のもので、このあたりから日本刀に特有の反りが見られるようになるといえるでしょう。

次に江戸時代のものは、江戸前期に製作されたものを新刀、後期(明和・西暦1764年以降)のものを新々刀と呼びます。新刀は、天下統一がなされた平和な時代のものなので、先ほどの戦国時代の古刀と比べると数が少ないのが特徴です。そして新々刀は、幕末に使われていたものがこれに分類されることが多く、よい状態で残っているものも多くあります。

またこの時代のものは、考古学的価値よりも、美術品としての価値や歴史的な価値が重視されることが多いといえるでしょう。明治以降のものは、正確にいうと廃刀令の出た明治9年以降のものであり、現代刀と呼ばれています。江戸時代以前のものと比べると骨董的な価値は下がってしまいますが、人間国宝といった有名な作者のものなら買取価格が高くなることもあります。

鑑定書の階級にも年代が関係している

日本刀は、鑑定書を発行してもらうことができますが、その鑑定書によって認められる階級(刀剣の価値をランク付けしたもの)には年代の古さも関係してきます。有名な協会が定めた階級によると、最も低いランクのものは「保存刀剣」と呼ばれ、基本的には江戸時代までのものが対象になりますが、明治以降でもできのよいものなどはこれに分類されることがあります。ただし最もランクが低いといっても、この階級さえ認められない刀剣も多いということも知っておくとよいでしょう。

次に、保存刀剣より階級が1つ高いのが「特別保存刀剣」で、このランクになると江戸時代のもの(新々刀)までが対象になりますし、基本的にキズのあるものは認められません。

そして特別保存刀剣より上なのは「重要刀剣」と「特別重要刀剣」であり、こちらも江戸時代以前のものが対象になります。

重要刀剣は、国が認定する旧重要美術品に準ずる価値があるものとされ、特別重要刀剣は、旧重要美術品に相当すると認められる必要があります。このような鑑定書を発行している機関は他にもあるので鑑定書によっては基準が違う場合がありますが、自分の所有している刀剣のランクを知りたい場合は、こうした階級を確認したり調べたりするとよいでしょう。

買取価格を決めるその他のポイント

日本刀は、古い年代ものほど希少価値があるため、買取価格も高くなる可能性がありますが、買取価格というのは他にもさまざまなポイントによって決まってくるので、そのこともあわせて知っておくとよいでしょう。では、実際にどんなことがポイントになってくるのかというと「切れ味やできのよさを示したランク」「作者」「刀剣のサイズ」などがあります。

たとえばできのよさを示すランクには、最上作、上々作、上作~といったものがあり、上位のものほど価格も高くなります。作者については有名で人気のある作者ものは需要が高いためそれが価格にも反映されますが、無名の作者でも質が高いと認められれば高値がつくこともあるでしょう。そして刀剣のサイズに関しては、2尺以上の「刀」と比べると、それよりも短い「脇差」や「短刀」は、ランクが同じでも半額程度になってしまいます。

さらにこれ以外にも、柄や鞘などに美しい細工が施されていると評価が高くなる場合があるといえるでしょう。また刀剣に限らず、骨董品などの買取では、品物の状態がどうかということも当然のことながら重視されます。刀剣の場合は、キズや錆があるとマイナス査定になってしまうのが基本ですが、戦いの打ち合いによってできたキズは「誉れ傷」と呼ばれ、その場合は問題にならないこともあります。

 

日本刀は年代が古いほど希少価値が高くなる傾向にあり、年代に関しては、平安初期より前~戦国時代までのものと、江戸時代のもの、そして明治以降のものに分けられます。鑑定書の階級については、最もランクの低い「保存刀剣」には明治以降のものが認められる場合がありますが、それより高いランクは江戸時代以前のものだけになります。買取価格を決めるポイントとしては年代の他にも、切れ味などを示したランクや作者、刀剣のサイズなどがあるといえるでしょう。

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