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公開日:2020/02/01  

日本刀の飾り方に決まりはある?

日本刀を飾ったり展示したりする場合、どのように置いたら良いのか悩むことがあります。日本刀には古くから置き方に決まりがあります。正しく置くことによって、その魅力もアップしますから覚えておくと良いでしょう。

横向きに置くときの基本原則とは

刀掛けを使い、日本刀を飾る場合は横向きに置くことになります。このときの置き方は大きく分けて4つあります。飾った姿を正面から見たとき、柄を左にするのか右にするのか刃を上にするのか下にするのかで異なるのです。

これを判断する際に、重要な決まりごとがあります。まず刀掛けとは、もともとは飾るために置かれていたものではなかったということを理解しておく必要があります。かつて、日本刀は武器として使用されていました。自室で休憩していても、いつなんどき命を狙われるとも限りません。

そういった状況にもすぐ対応できるよう、刀掛けを使用していたのです。刀掛けから抜きやすいよう、また、すぐ腰に差したり、佩いたりできるようにしてあることが必要です。ですから、くせ者対策など実用目的で置かれていた時代は、左手で刀を掴み、右手ですぐに抜けるよう、柄が向かって右にくるように置くことが一般的とされていました。

しかし、現在では刀剣は武器ではなく美術品として扱われています。すぐに抜けるよう飾ることは失礼に当たりますから、柄を左側にすることが一般的になっています。

もうひとつは、刀の表を前に向けることです。日本刀には表と裏があります。どちらの面が表かは、刀身を柄から取り出すとわかるようになっています。

刀身には一般的に作者の銘が打ってあり、これがある方が表になります。これを前に向けると必然的に刀が上を向くか下を向くかが決まるのです。

実際には、種類によって刀をどちらに向けるべきかが決まります。太刀や刃を小太刀は下向きに、打刀や脇差は刃を上向きに向けるのですが、これは実際にどちらの向きで刀を帯びるのかによって決まっていると言われています。腰に吊すようにして佩く太刀は刃が下向きになりますし、腰に差す打刀は葉が上向きになります。このように、帯びたときに向く方向で刀を飾る際の上下が決まってくるのです。

つまり、柄は向かって左側にくるように、打刀なら刃を下向きに、太刀なら上向きにするというのが原則となります。

横向きの刀掛け以外にもある日本刀を飾る方法

横向きに置く刀掛け以外にも、日本刀にはさまざまな飾り方があります。また、種類によっては異なる飾り方が推奨されている場合があります。

その代表例が太刀です。太刀を飾るために作られた太刀掛というものもあり、本来、飾ることが目的で合えば、太刀は太刀掛を使うのが良いという考え方もあります。太刀掛は太刀を立てかけて飾ることができる台のことで、これを使用するときは、柄を下にするという決まり事があります。

かつて、武士が太刀を佩いていた時代、床に座って生活をすることが一般的でした。柄を下にすることで座ったまま左手で鞘を掴み、右手で太刀を抜くことができるのです。また、刃を下にすると鞘が傷んでしまう可能性もあります。

柄は元々丈夫にできているため、重い太刀を一点で支えても問題ありません。ですが、鞘はあくまでもケースですから、傷んでしまう可能性もあるのです。また、柄を下にすることで鞘の美しさや刀のそりの美しさをはっきり見せることもできるのです。

対になっている場合の注意点とは

日本刀は、太刀と脇差しで対になっているものも多くあります。このように、対になっているものを飾る際には刀掛けを使うこととされていますが、その置き方にも決まり事がありますから注意が必要です。

対となるように作られた太刀と脇差しを飾る際は、二段になっている刀掛けを用いるのが一般的です。また、太刀を下にし、脇差しを上に置くというルールもあります。これも実際に帯刀する場合は脇差しを先に手に取るからというのが理由だといわれています。

また、厳密な決まりではありませんが、対になっていない太刀と脇差しは同じ刀掛けには置かないように、ともいわれています。これはセンスの問題なので、どうしてもというこだわりがある場合はその限りではありません。

ただ、これを覚えておくと、日本刀を買取ってもらう際、店のこだわりを見抜くために役立ちます。知識が豊富でしっかりと管理をしている店舗なら、対になっていない太刀と脇差を同じ刀掛けに飾ることはないでしょう。

 

日本刀を飾る際には、さまざまな決まりがあります。まず、刀掛けを使う場合は、柄を左側にして表を正面に向けるのが原則とされています。また、太刀掛を用いるときには柄を下にして飾ります。

太刀と脇差の両方を飾る際は、脇差しを上側にします。また、対になっていない太刀と脇差しは同じ刀掛けには飾らないというのが基本的なルールです。

このようなルールを理解しておくことで、買取をしてもらう際にも店舗側が日本刀に対して相応の知識を持っているかどうか判断することができるでしょう。

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