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公開日:2020/12/01  

日本刀の刀狩とは


日本刀は昔の日本で実際に使用されていた武器ですが、現代では骨董品として扱われています。しかし武器としての殺傷能力があるため慎重に取り扱う必要があり、昔もその危険性から刀狩が行われた歴史があります。日本の歴史にも深く関わることだけに、知っておくと役立つはずです。

歴史的な刀狩は豊臣秀吉のときが有名

日本刀は見た目の美しさから現代でも骨董品として愛好家が多く存在します。しかし銃刀法違反などの刑罰の対象になる可能性があるだけに、骨董品として持つ場合にもしっかりと許可などを得ることが求められます。通常の包丁などの刃物よりも刃の部分が長くなっている物が多いので武器として使用した場合は、斬りつけられた相手はかなり危険な状態なってしまう可能性が高いです。

昔は農民も山賊や悪いことをする人間と戦うために刀や槍の他に弓などを持っているケースがありましたが、農民一揆などで武器を使用されると危険なので、豊臣秀吉のときに刀狩が行われました。刀狩では刀槍と弓矢の他に鉄砲などの武器が没収されましたが、豊臣秀吉が1588年に武器没収令を発布したことで開始された歴史があります。

没収した刀槍や鉄砲は現代的なリサイクルとして大仏に使用する釘として再利用されたのも面白いポイントです。武器を大仏の釘にチェンジしてしまう所に豊臣秀吉の人柄を見てとることもできます。

ちなみに大仏の釘だけでは使い切れなかったので、朝鮮出兵をするための船などにも使用されたので、昔から物を大切に扱う日本人らしい特徴が垣間見られます。豊臣秀吉のときの刀狩は効果が抜群で、その後の武士と農民の身分固定にも貢献しているので、教科書で多くの国民が教わっているはずです。

豊臣秀吉のとき以外にも刀狩は行われている

柴田勝家は豊臣秀吉より前の1580年に刀狩をしている歴史がありますが、豊臣秀吉より有名ではないので知らない人も多いかもしれません。柴田勝家は国内の一揆を平定した段階で、武器や武具類を差し出すように命令しており、武器や武具類を差し出したときに農具を交付する約束をしています。

百姓などが所有している武器や武具類を差し出すことになり、品質がいいものは軍用に再利用して、残った物を農具作りに利用したり船橋用の鎖などを造るのに活用された歴史があります。そのためリサイクル的な活用方法は、豊臣秀吉より前に柴田勝家が採用していました。

柴田勝家は没収した武器などを民衆の生活が快適になるために有効活用しているので、民衆と敵対していた訳ではないことが読み取れます。明治7年にも江藤新平の乱の後に、刀剣類を没収している歴史がありますから、割と新しい時代にも刀狩に近いことは行われているのが現実です。

米軍に日本刀を略奪された歴史もある

日本は第二次世界大戦で米国を中心とした連合軍と戦いましたが、結果的に敗戦として戦争を終結させています。しかし米軍により日本の住宅にも多く存在した日本刀を軍人が略奪するような行ためが頻繁に行われました。刀狩とは少し違いますが、歴史的に日本刀を奪われているような状態ですから、日本人として知っておいても損はありません。

いろいろな流れがありますが、米軍最高司令部から日本刀は家宝の物だけを残して、他の購入した物はすべて没収するという命令も出されています。そのため一般人は刀剣を警察署に提出することになりましたが、提出しない場合は民家に捜索に入るような徹底ぶりでした。

集められた日本刀は審査委員によって審査がされることになり、美術品と認められた物は博物館に搬入されましたが、不合格になった刀は米軍によって廃棄された現実があります。その他にも大量の刀が米軍の軍人によって米国などの国々に持って持ち去られてしまいました。

その後の平和条約締結後に美術品の日本刀が戻ってきている現実もありますが、外国人による刀狩は豊臣秀吉や柴田勝家などとは違った感情を覚えるはずです。しかし外国人が日本刀に興味を持つキッカケになった歴史でもあるので、日本人だけでなく外国人にも刀の美しさを知ってもらい愛好家を増やした可能性もあります。

 

日本刀は日本を代表するような武器ですが、豊臣秀吉のときに刀狩が行われたのが有名な歴史です。農民から所有している刀槍や鉄砲などを没収していき、その没収した武器を釘にリサイクルして有効活用しました。柴田勝家のときも刀狩は行われており、農民は武器を差し出す代わりに農具を受け取ることができたのが面白いポイントです。

その後に明治7年にも刀などの武器が没収された歴史がありますし、第二次世界大戦の時代には米軍によって多くの日本刀が略奪、処分された歴史も存在します。いろいろな歴史を経て生き残った刀などの武器には価値があり、買取サービスの業者にそのような貴重な刀を持ち込めば、高値で買取してくれるはずです。

刀狩りというと「豊臣秀吉が行った」と答えてしまいやすいのですが、このように秀吉以外の刀狩りの歴史を知っておくと、日本刀に関する知識を広げることができるでしょう。

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