Skip to content
公開日:2023/04/15  

中世ヨーロッパの騎士たちが振るった剣とは?種類と特徴を一挙紹介!


一口に剣といってもさまざまな種類が存在しますが、中世ヨーロッパでは、どのような剣が愛用されていたのでしょうか?武器ごとの特徴なども気になりますよね。そこで本記事では、中世ヨーロッパの騎士たちが振るった剣の種類と特徴について詳しく紹介します。昔の武器に興味がある方はぜひ参考にしてください。

中世騎士に愛されたロングソード

ロングソードとは、中世初期頃に広く愛用されていた剣と比べて刃と手で持つ部分が共に長く両手で扱いやすく改良された剣です。バスタードソードと表記されることもあります。ロングソードの起源には、片手で使用するアーミングソードから進化した説と馬に乗ったまま使用するためにサイズが大きくなった説があります。

平均的な長さは80~110センチ、重さは1~2キロほどです。出回り始めた初期に作られたロングソードの方が短く、後期に作られた物の方が長い傾向があります。名前から長い剣を想起させられますが、平均サイズからわかるように剣の種類の中では特別長いわけではなく、ショートソードなどとの対比で「ロングソード」と命名されています。

初期のロングソード

初期に開発された物と後期に開発された物では、サイズや重さに大きな違いがあります。初期に開発されたものは、全長が約80~90センチで、刀身が3~5センチとかなりの幅がありました。サイズは普通サイズながらも開発された時代から素材に鋼を取り入れることができず、それなりの重さがありました。素材に鋼が取り入れられないことから、刃の硬度を出すために刀身を厚くすることで対処していたと考えられています。

後期のロングソード

後期に開発されたものは、全長が約80~100センチくらいで初期に比べてサイズアップしています。後期の方が全長は大きくなっていますが、素材に鋼が利用されるようになったことで、刃を薄く軽量化することに成功しており、重さは初期と変わりません。

広く使われた鎌形刀剣ファルシオン

ファルシオンは刀と同様に片刃の剣で、剣先がカッターのように斜めにカットされた見た目をしています。従来の剣と比べて、安くて丈夫という特徴があり、操作も簡単だったことから簡単に剣を購入できないような平民層に好んで愛用されていました。

平均的な長さは約70~80センチ、重さは1.5~1.7キロほどです。短めな剣ながらも刀身が広いことでそれなりの重量があり、戦場では切るだけでなく打撃による攻撃や鎧を叩き切るといった使われ方をしていました。

鎧を斬り裂くツーハンドソード

ツーハンドソードは、両手で握らなければ振るえないほどのひときわ大きな剣です。見た目は先ほど紹介したロングソードによく似ています。一部ではツーハンデッドソードと表記されることもあります。

平均的な長さは120~180センチ、重さは1.5~3キロほどです。日本の刀の中にも、大太刀という150センチほどの武器が存在しますが、大太刀は馬に乗った状態での使用が想定されていたのに対して、ツーハンドソードは歩兵の使用が想定されていたため、使用にはそれなりの腕力と技術力が求められました。戦場では、多人数の敵との対峙や長柄武器に対抗する際などに用いられていたと考えられています。

戦場で活躍した短剣ダガー

ダガーは古代ローマの時代からサブの武器や暗殺武器として使用されていた小型の短剣です。ダガーという名前は、古代ローマ時代のダキア地方の住民が使用していたことが由来という説が有力です。平均的なサイズは約10~30センチ、重さはサブ武器として使用されていたことから2本目の武器として持ち歩けるほど軽量だったと考えられます。

なおダガーは、近年では短剣の総称として世間に定着しており、ダガーという括りの中にも片刃の物や両刃の物などさまざまなタイプが出てきました。刃が薄く片刃というというイメージが近年では主流ですが、中世では両刃で刃も分厚く、止めを刺す武器として実用性が高かったといわれています。

ダガーの歴史

起源は、石器時代から始まったといわれており、石器時代では主に狩猟に用いられていたようです。素材としては、青銅や鋼が使用されていました。

現代での利用方法

剣の大半が戦場での主戦力が銃火器に変わったことにより出番をなくしましたが、ダガーは携帯性能の高さから現代でも補助的に使用されています。また、近年では美術品としてコレクションする方も出てきており、戦闘以外にも利用されています。

重装騎兵の主力武器ポールアーム

ポールアームは、主に中世に戦場で活躍していた騎兵を馬から落とすために使用されていた槍型の武器の総称です。つまり槍のように長い棒状の柄があり、その先に矛などの攻撃用パーツが取りつけられている物はすべてポールアームということです。

日本で有名な物だと、薙刀や槍、桑などがあります。ポールウェポンと表記されることもあります。平均的なサイズは約1.5~2メートルほどです。使用用途や作られた時代によって剣先の矛部分にバリエーションがあり、名称も違ってきます。簡単に作ることができ、その上農機具の様に扱えたことから、使い手を選ばず多くの方が簡単に扱うことができたといわれています。

ポールアームにあたる武器

日本や東アジアでは、矛、薙刀、薙鎌、槍、竹槍、桑、鍬、ヨーロッパでは、ハルバード、パイク、スピアー、ランス、グレイブ、ギサルム、ローチン、パルチザン、ビル、トライデント、ウォーサイス、バルディッシュなどが分類されます。

現代での用途

現代の戦場においては銃火器が主戦力となっているため、戦場で利用されることはほとんどなくなりました。強いていえば、銃剣と呼ばれる銃口の先にナイフが装着されている小銃・ライフルがポールアームの現代の戦場での姿と考えられます。

まとめ

本記事では、中世ヨーロッパで愛用されていた剣の種類と特徴について紹介しました。いかがだったでしょうか?調べてみたところ中世ヨーロッパでは、沢山の種類の武器が使用されていたことがわかりました。戦場でも時代ごとに主流の武器は存在していたようですが、主流の武器に対して有効な武器が開発され、さらにその武器に対して有効な武器が開発されるといったように時代が進むごとにさまざまな武器が開発されています。本記事が、中世ヨーロッパ文化に興味を持っている方に役立てば幸いです。

よく読まれている記事