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刀と太刀の違いとは?

刀と太刀の違いとは?

日本刀として代表的なものには刀と太刀がありますが、素人目にはあまり違いがわからないということもよくあります。
見た目は似ているようであっても性質が全く異なるものなので、どのような違いに基いて分類されているのかを確認しておきましょう。

 

刀と太刀のもともとの位置付けの違い

日本刀は現在では刃渡りによる分類が行われていて、刃渡りが二尺以上あるものが刀か太刀とされています。
それより短いものは一尺以上あると脇差一尺未満の場合には短刀というのが定義です。
刃渡りが長いものにだけ二種類に分類されているのは、歴史的に位置付けがまるで異なる日本刀が制作されてきたからです。
歴史的にはどちらも平安時代に登場してきたものですが、使用される場面が異なりました。
・太刀は基本的には馬に乗るときに使うのに対し
・刀は歩くときに使うという位置付けになっています。
その際にどのように身につけるかにも違いがあり、太刀は腰からぶら下げるようにして佩くのが基本です。
それに対して刀は腰に差して使うようになっています。
★この際に太刀は刃が下向きになるようにするのが特徴です。
これによって馬に揺られている状況でたちを抜いたときに、刃がはねて自分の方に襲いかかってきてしまう状況を避けられるようになっています。
これに対して刀の場合には刃を上向きにして腰に差すのが基本です。
これは抜刀したときにすぐに相手に斬りかかれるように抜きやすい向きの上側が刃になっている差し方だからと言われています。
★また、太刀は戦場でも用いられていましたが、祭祀にも比較的よく用いられてきた歴史があります。
お祝いに用いられる雛人形の内裏は刀ではなく太刀を持っているといった形で平安時代には太刀は刀に比べると品の高いものとして位置付けられていました。
戦場でも場上にいる人は地上戦をする人よりも身分が高いのが一般的で、太刀を佩くことができる身分の高い貴族が中心になって行う祭祀や儀式などでは重宝されていたのです。

 

置き方や見た目からわかる違いとは

刀と太刀について実際に見て区別する方法もあります。
★店頭などに並んでいたり、美術館や個人宅などに飾ってあったりするときにはその置き方で区別することが可能です。
・刀は必ず横向きにして左側を柄にし、右側に切先となるようにし、さらに刃が上向きになるようにして置きます。
・太刀の場合には二通りの置き方があり、刀と同じようにして横向きにするときには左側を柄、右側を切先とするのは同じですが、刃は下向きになるようにして置くのが基本です。
・また、正しくは横向きに置いてはならないという考え方もあり、太刀掛を使って柄を下にして立てかけて置くこともあります。
このような飾り方の違いだけでなく、刀身を見ても判別することが可能です。
刀や太刀の置き方は表が手前になるようにしているのが特徴で、その面には銘が入れられています。
無銘のものの場合にはわかりませんが、基本的には柄の中を見てみると銘が打ってあるのでどちらであるかは判別ができるのです。
★一方、見た目の違いからも大まかには違っているところがあります。
全体として、太刀は刀に比べるとやや長くなっているのが特徴です。
制作された時代による違いも大きいので制作年代についても気にかける必要がありますが、室町時代以降になると刀はやや短めのものが多くなりました。
反りについても太刀の方がしっかりと湾曲している傾向があります。
★また、重量についても違いがあり、江戸時代以前に作られたものの場合には太刀に比べて刀は軽い傾向があります。
地上戦で歩いて使うことになるため、基本的には片手で扱えるようにすることが求められていたからです。
戦乱の時代にはそれが重要視されていましたが、戦乱が収束して江戸時代に入ると身分を表す道具として用いられるようになり、しっかりとした重量のあるものが制作されるようになりました。
流儀としても両手持ちをするのが基本になったので重いものでも十分に扱えるようになった影響もあります。

 

価値の上では刀も太刀も変わらない

刀や太刀はどちらも日本刀の一種として高い芸術性を持っているため、現代でも貴重な品として親しまれています。
その売買をするときに刀や太刀の価値に違いがあるかという点が気になることもありますが、基本的には分類の違いで価値が左右されていることはありません。
相場もほとんど違いはなく、個々の出来栄えや作者などの影響の方が大きくなっています。
刃渡りが短い脇差や短刀の場合には刀や太刀に比べると取引価格がかなり低めになっていますが、刀と太刀については種類を気にする必要はないのです。
刀と太刀は現在の刃渡りの長さで行われている分類では同じになりますが、歴史的には歩いているときに使うか、馬に乗っているときに使うかで違いがあります。
それに応じて形状や重さ、置き方や銘を入れる場所にも違いが生じています。
しかし、芸術品としての価値は同じように高い水準にあるので、売買をするときに分類の違いを気にかける必要はあまりありません