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公開日:2020/07/15  

日本刀は左利きでも右手で扱うものだった!?

日本刀は左腰に帯刀し右手で抜くのが定番やスタイルとなっており、映画や時代劇のドラマでも目にしたことがあるのではないでしょうか。右腰に刀を指した侍の姿は見たことはなく、すべての人が右利きだったのかと疑問に感じたことがある人も少なくないはずです。その理由にはどんなものがあるのかを紹介していきます。

刀をぶつけないように左腰に統一していた

昔の日本は左側通行であり右腰に刀を差していると、すれ違うときに他の侍と刀をぶつけてしまう恐れがありました。刀をぶつける行為は非常に無礼であり失礼に当たるのはもちろんのこと、予期せぬトラブルに発展してしまう可能性もありました。

無駄な争いを避けるためにも、左腰に刀を差す必要があったということになります。もめごとの原因をなくすためにも、武士はみんな左側に刀剣ら日本刀を差すという統一のルールを作り、武家社会の平穏を維持することに努めていました。

合戦のときに密集隊形になることを考えたら、刀や槍、弓や鉄砲などすべてにおいてぶつかる可能性を避けるために右利きにも、統一していたほうが都合も良かったことは間違いありません。右利き用しか兵士に支給されていなかったこともあり、右利きであることが重要となっていたと言えます。

刀をぶつけないことがマナーであり右利きであることが当たり前とされていた時代があったからこそ、現代でも右利きの人の割合のほうがはるかに多いと言えます。もちろん今では左利きだからといった理由で責められることは一切なく、個性の一つとして認めてもらうことができます。しかし昔の日本では右手で刀を扱うことが当然とされており、武器類もすべて右利きに向けて作られていたことは間違いありません。

急所である心臓の位置を意識している

心臓の位置が左の胸であることから、右手で刀を持っていたほうが相手の左胸を突きやすくなり有利になります。そのことから右手で刀が抜きやすいように、左腰に帯刀していました。武士が誰かと会う場合には、敵意がないことを示すために刀は右におくことが必須となっています。

自分の利き腕とは逆に刀をおくことにより敵意がないことを相手に表す意味があり、これも右利き前提で作られた剣術の作法となっているので基本的にはすべてを右利きに合わせていたことは間違いありません。日本だけではなく海外でも当然左側に心臓があり急所となっていたので、こうした考え方は世界共通と言えます。

左利きでも右利きに矯正されていた

武将や剣豪の中には左利きだった人もいましたが、武家社会において左利きであることは敬遠されており多くの人が右利きに矯正させられていました。昔の日本は今よりも作法などに関してはるかに厳格に決められており、左利きであり右腰に差したほうが扱いやすかったとしても矯正させられていたことは確かです。

幼いときには左で箸や筆を使っていた人でも、矯正されたことにより右利きに直されているので刀を持つ年齢の頃にはすでに右利きに矯正させられていたことが考えられます。もともと左利きで矯正させられ右でも使えるようになった人は大勢いたことは確かですが、大人で左手しか使えないという人はほとんどいなかったと考えられるのではないでしょうか。

いくら矯正しようとしても、なかなかうまくいかない人の中には二刀流にしていた人もいると言われていますが、二刀流の人でも基本的には右側に差して歩いていたとされています。日本刀は左側に差すので必然的に右腕を使い抜刀するということを考えても、日本刀は右利きのほうが有利なものとい言えることは確かです。

武士にとって左利きは不名誉なことであり隠すべきことだったとされていますが、そのおかげで敵を欺くことができ戦いに勝利したケースもあると言われています。しかしどの場合でもまず幼い頃には矯正されていたことは確かであり、大人になっても左をメインで使っていた人はいないということは確かでしょう。

 

昔の人は左利きがいなかったというわけではなく、左利きであっても日本刀は左腰に差していたということになり、左に差すのには明確な理由があります。道などですれ違いざまに刀をぶつけてしまい、予期せぬトラブルに発展してしまう恐れを避けるためにも幼い頃に矯正されていたこともあり左手をメインで使っている人自体がほとんどいなかったと言えることは確かです。

もちろん大人になっても左手も使っている人もいましたが、基本的には恥ずかしいこととされ隠していたとされています。急所である心臓の位置も関係しており、少しでも有利に戦えるために右利きに直していたことは間違いありません。

武士同士の無駄な争いを避けたり戦いに有利になるなど、あらゆる理由から右利きに矯正されていたので左手をメインで使っていた人はほとんどいませんでした。そのことから刀も右手で使うことが当たり前であり、左手で使う人はいなかったと考えておきましょう。

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