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公開日:2022/10/01  

日本刀の鑑賞をする際の見どころとは?鑑賞のマナーをご紹介!


鑑賞する機会があまりない美術品の日本刀ですが、鑑賞するときのマナーがあるので、今回の記事を参考にしてください。日本刀の鑑賞はそれぞれポイントがあります。初心者であっても最低限知っておいてほしいことを紹介します。初心者に向けたマナーを学べるイベントも開催しているので、鑑賞前にマスターしておきましょう。

日本刀を鑑賞する前のポイント

日本刀を鑑賞するのが初めてで何も分からない人でも、最低限これだけは知っておいてほしいことを紹介します。

品位ある服装で日本刀を鑑賞する

ドレスやスーツを着用しなければいけないわけではありませんが、その場に相応しい服装を着用するようにしましょう。事前に服装の確認はするようにします。服装の指定がない場合でも、大切なものを拝見するという気持ちを持って、動きやすく清潔感のある服装を心がけます。

また、アクセサリー、ブレスレット、腕時計などの貴金属類は事前に外しておきます。これは、日本刀が湿気や汚れに弱い美術品だからです。とくに指輪は、結婚指輪であっても外しておくのがマナーです。

日本刀の見どころ

日本刀を鑑賞するときの最大の見どころは、姿、刃文、地鉄です。姿は、刀身全体の姿や形状、刃文は、刃の白く見える部分に浮かび上がる模様、地鉄は、折り返し鍛錬の結果、現れた肌模様です。最大の見どころを押さえておくと、ぱっと見ただけでは分からない日本刀の奥深さを知れます。

姿、刃文、地鉄

刀の反りは、日本刀の反り具合のことを指します。反りの種類は、平安時代から鎌倉時代中期の日本刀に多い腰反り、鎌倉時代後期から室町時代に多い輪反り、室町時代以降に多い先反りです。反りは鞘から刀を抜きやすくするために作られたといわれています。

歴史が進むと、本来の目的に加え、見た目の美しさや艶やかさも表現するようになりました。刃文は、刃先寄りに白く浮かび上がる文様のことです。刃文は直刃と乱れ刃の2つがあります。乱れ刃の模様はさまざまなタイプがあります。

地鉄は、地肌ともよばれています。地鉄の模様がはっきり観えることを肌立つ、模様がきめ細かいときは肌詰む、光の反射で輝いて観えるときは明るく冴えると表現します。

日本刀を鑑賞するときのマナー

日本刀は美術品です。丁寧に扱うようにします。また、ほかの鑑賞者の安全にも配慮するようにして、自分だけではなく参加者全員が楽しめるようにします。

日本刀を手にしたら話をしない

話をすると唾が飛んで日本刀に付着してしまう可能性があります。唾は錆の原因になるので日本刀の劣化の原因になります。どうしても気になる人はマスクを装着して飛沫が日本刀に付かないように気を付けてください。また、鑑賞会では眼鏡やゴーグルの装着を依頼しているところもあります。これは、まばたきによる涙が日本刀に付着しないためです。

このような理由から、日本刀を手にしたら話をしないようにします。質問したいときは、日本刀を手にした状態ではなく、一度日本刀を床に置いて、席を外してから質問するのがマナーです。

日本刀は必ず刃を上向きにして鞘から抜く

刃を下に向けて引いたり、刃を横にしながら引くのは禁止です。理由は、刀身に傷が付く可能性があることと、ほかの鑑賞者の安全に配慮するためです。また、ほかの鑑賞者に日本刀を渡す場面がきたときは、必ず刃を自分に向けて相手に渡します。しっかり相手が日本刀を持ったことを確認してから手を離すようにするなど、日本刀の愛護と相手の安全に配慮した行動をとるようにします。

刀身は素手で触らない

人間の手から分泌されている塩分、水分、皮脂は、日本刀の錆の原因になるので、鑑賞会で刀身に素手で触れてしまったら、速やかに手入れしてください。または、スタッフに報告するようにしましょう。

基本的な作法

あまり知れ渡っていませんが、日本刀を鑑賞するときの基本的な作法があります。まず一礼します。日本刀は先祖代々受け継がれてきた家宝であることが多いので、鑑賞できることに感謝して一礼します。

次に、姿全体、地鉄、刃文、切先、茎の順番で観ます。最後に一礼します。なお、鑑賞会の前に初心者に向けた説明が行われることがほとんどなので、きちんと話を聞いておきましょう。

鑑賞後のマナー

日本刀を鑑賞した後は、保管のために手入れを行います。まず、保管用の油で拭く前に、刀に指紋や水滴などの汚れがあれば薄い布で取り除きます。その後に錆止め用の油を薄く塗り、茎に柄を装着します。日本刀は、貴重な文化財で数百年間も大切に保管と手入れをされてきたものです。次に鑑賞する人のことを考えて行動するようにしましょう。

まとめ

日本刀を鑑賞するときの見どころと鑑賞のマナーを紹介しました。初心者は、頭でマナーや作法を理解していても、いざというときに上手にできない可能性があります。大切なことは場数を踏むことで、何度も経験することで自信と落ち着きを手にできます。場数を踏むと鑑賞会を楽しめるので、失敗を恐れずに参加してみましょう。また、可能であれば経験者から教えてもらうようにしましょう。経験者の失敗談やうまくいかなかった話を聞くことができると自分の勉強にもなります。

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