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公開日:2019/11/15  

刀剣の相場はどのくらい?最高額はいくらくらいになるの?

銘のある日本刀は一定した価値を保ち、市場の変動にはほとんど左右されない特徴があります。

ただ、単に刀剣類といっても価値を決める要素は多分にありますので、刀剣類の売却を考えているなら同レベルの刀剣類の売却額を都度チェックすることが必要でしょう。ここでは刀剣類の取引相場や、歴代最高額などを解説します。

歴代最高額は江戸三作のひとつ

早速、日本刀の売却において歴代最高金額となったものを紹介しましょう。

刀剣類にはランク付けがあり、もっともランクが高いものは1,000万円前後が相場となっています。室町時代の著名な刀工に和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)という人物がいますが、この手で1,700万円ほどの値がつきます。

また某テレビ番組では三条吉則(さんじょうよりのり)の手によるものに5,000万円の値がつきましたが、これは大正天皇陛下から下賜されたため歴史的価値も認められたものです。

歴代最高額と言えば、刀匠の中の刀匠「江戸三作」の中で最も人気の高い源清麿(みなもとのきよまろ)の手によるものに、1億5千万円がつけられたことがあります。

源清麿は江戸時代後期に活躍した刀工ですが、深酒から脳震とうを起こしたことを悲観し、42歳で突如自害してしまった人物です。剣術の腕前も高く道場で代稽古もつとめるほどでしたが、寡作で知られ、生涯で鍛えたのはわずか130振り前後と言われます。

こうした名工の作は時代が変わっても価値が変わることはありませんが、それ以外はやはり値が上下したり、保存状態によって数千万円したものが数百万円にまで価値を落としてしまうこともあります。

一般的な日本刀の相場を紹介

前項の例は本当に稀な例であり、日本刀すべてにそのような高い価値がつくというわけではないので、そこはあらかじめ認識しておきましょう。日本の刀剣類の売買における市場相場は、現在のところ一振り数万円から1,000万円程度というのが一般的な見解です。

この数字の振れ幅ではなかなか相場を把握しにくいのも確かですが、刀剣類の価値はあらゆる要素で大きく左右されるためどうしても幅があります。例えば前述した三条吉則は非常に腕の良い名工ですが、やはり歴史的背景があっての額ですので一概には言えません。

ひとつの基準として、重要刀剣に指定されているものであれば相場は100万円~400万円程度と言えます。切れ味の格付けには、最上大業物~業物という古くからあるランクがありますし、出来の良さによる格付けは各鑑定組織や個人やつけています。

もちろん信頼性の高い格付けは売却価格に大きく反映されますし、一ランク上がるだけでも数十万~数百万円の差が生じるのが一般的でしょう。刀剣の種類によっても人気があり、例えば大刀に比べると脇差はどうしても相場が低くなる傾向にあります。

また、美術品ですから見た目の美しさは重要で、刀装具の美しさや細工の技術などによって芸術的価値が上がれば取引価格も高くなるのが一般的です。

保管には細心の注意を払おう

先ほども書きましたが、刀剣類は美術品ですので、鑑賞に耐え得る美しさが必要です。もちろん歴史的価値が高いものにも値はつきやすいですが、名のある刀匠の作であっても状態が悪ければ、銘のない作より値が低くなることもあるのです。相場を知るうえで重要なことは手入れをされた状態での価格であるという事実です。

錆びがあるような状態では買取価格は著しく低下しますし、破損や欠品があるようでは値がつかない場合もあります。これは、現在では美しい姿に戻せる職人の数が少なくなっていることも関係しています。

技術のある職人が時間をかけて手直しするとなるとそれだけで数十万円単位でコストがかかってしまうため、どうしても減額せざるを得なくなるのです。錆や傷は減額査定になる要因ですので、刀剣類を所有するなら保管には細心の注意を払ってください。

もし維持が難しいようであれば、状態が悪くなる前にしかるべき買取店に売却することをおすすめします。売却する場合は、できるだけ多くの買取業者に査定に出しましょう。例えば傷ひとつ取っても、保管中についたものと見るか、実戦に由来するものとして高額査定をするかは業者次第です。

また、買取後の販路によっても価格は変わりますので、業者ごとの特性を理解する必要があります。

 

刀剣類の売却相場はあってないようなものですが、強いて言えば数万円から1,000万円程度という広い幅になります。過去の取引実績では、億を超えるような最高額が出ているのも事実ですが、そうした事例は本当に稀ですのでそこはあらかじめ認識しておきましょう。

刀剣類は美術品ですので、価値を決める要素はたくさんあります。歴史的価値や銘、切れ味の良さや出来映えの良さなどさまざまな判断基準がありますが、大前提として美術品として鑑賞に耐え得る状態であることが大切です。

錆や傷など状態によって大きく価格が変動しますので、高く売却したい場合は保管にも細心の注意を払いましょう。維持管理に自信がない場合は、状態が悪くなる前に売却するのがおすすめです。

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