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公開日:2018/05/15  

ナイフも刀剣ショップで売れるのか?

ナイフも刀剣ショップで売れるのか?

どこからどこまでをナイフと定義し、どのようなお店を刀剣ショップと認識するかによってお手持ちのナイフの行先が決まってしまいます。
平成20年6月の秋葉原無差別殺傷事件を機に銃刀法が改正され、それまで認められていたダガーナイフの所有が禁止されたことは記憶に新しいところです。
多くのナイフ愛好家やアウトドアショップ、ナイフメーカーがショックを受け肩身の狭い思いをしました。

その後、処分を検討する人がどれだけ増えたことでしょう。
何しろ刃渡り5.5㎝以上のダガーナイフが刃物から殺傷能力のある刀剣へと分類されることになったのですから。
刀剣類を所有するためには銃砲刀剣類登録証が必要になります。
刀剣ショップにある太刀、短刀、槍などの刀剣にはほとんどの場合、この登録証が付いています。
登録証の付いていないものは日本刀と認められず模造刀、あるいは刃物の類となります。

ナイフを取り扱う刀剣ショップもある

骨董店で日本刀を扱うこともありますし、リサイクルショップに展示されている日本刀を目にすることもあります。
刀剣ショップにナイフや包丁が置いてあっても不思議なことではありません。
刀剣ショップの中には幅広い集客を目的として、模造刀をはじめ包丁やナイフなどバラエティ豊かな刃物類を取りそろえているお店もあります。
これらの商品は銃刀法に抵触することもなく、気軽に道具として使えますし、デザイン性に優れた逸品が多く、鑑賞するだけでも十分に楽しむことができます。
ディープな日本刀ファンや外国人観光客、あるいはゲームアプリの影響を受けたばかりの新人愛好家までさまざまな客の出入りする刀剣ショップの対応は柔軟であり、ナイフの買取に対しても積極的な姿勢を見せています。

ナイフ所有に登録証は不要?

ナイフとはさまざまな用途を持つ道具であり、包丁やハサミなどと同じような刃物として分類されます。
ダガーナイフのように銃刀法に規制されない範囲であれば、基本的に銃砲刀剣類登録証の申請は必要ありません
もちろん買取り依頼に関しても同様です。
ただし、銃刀法に規制されるナイフの買取には登録証が必要となります。

目的なしの所持携帯は違反

いかなるナイフであれ、所持携帯することに関しては然るべき理由が必要であり、不用意に持ち歩くことは禁止されています。
それでもキャンパーや釣り人、ハイカーなどアウトドア嗜好の方々にとっては必需品であり、こだわりの一本を探し求める方が大勢います。
ナイフだけに固執するマニアも少なくありません。
刀剣類に比べ、安価で入手しやすいことからナイフだけの専門店も多く、A&FカントリーやA,G,ラッセル、アル・マーなど国内外の有名メーカーのナイフを取り揃え、集客に努めています。

ナイフの鑑定はあるの?

ナイフは用途により形も値段も大きく異なります。
メーカーによってはプレミアの付くナイフもあり、数千円のものから数万円のものまで実にさまざまです。
もっとも高価と言われるアメリカのボブ・ラブレスのカスタムナイフには10万円以上の値が付いています。
ナイフは鑑賞を主目的とする刀剣類と異なり、道具であり消耗するものです。
しかしながら、道具であるがゆえに丈夫に作られており、極端な損傷がなければ買取価格が下がることは稀です。
それぞれのショップの査定士によって公正な買取査定が行われ、適正価格が提示されることになります。

できれば餅は餅屋へ

日本刀の価値を理解できるのは刀剣ショップであることと同様、ナイフの買取はナイフ専門店を訪ねた方が賢明と言えます。
古物商を営んでいる方や鑑定士と呼ばれる方々は時代や国の隔てなく幅広い知識を持ち、慎重な審美眼を持っています。
しかしながら、餅は餅屋、専門店はそれぞれの特化した分野において流通経路を持ち、より深く新しい情報を得ることができます。
日本刀は刀剣ショップへ、そしてナイフはナイフ専門店へ買取依頼することが望ましいでしょう。

秋葉原無差別殺傷事件と富岡八幡宮事件

平成20年6月に起きた秋葉原無差別殺傷事件において使用されたナイフは刃渡り13㎝のダガーナイフでした。
この時点では銃刀法においても規制対象外のダガーナイフだったのですが、事件を機に平成21年1月より銃刀法が改正され、ダガーナイフの所有には登録が必要になりました。
そして、平成29年12月、富岡八幡宮において日本刀による殺傷事件がありました。
今後、日本刀の所有や在り方について議論される可能性も否定できません。
けれども銃刀法自体が曖昧な表現であり、いくらでも抜け道を模索できることも事実です。
日本刀の愛好家たちと刀剣ショップ、あるいはナイフマニアの方々とナイフ専門店、それぞれがそれぞれの業界を盛り上げて継承していくために正しい知識を共有し、できるだけ間違った使われ方をしないようお互いに気遣い合う必要があります。

道具は人間の使い方次第で変わる

ナイフは基本的に道具であり刃物の一種という認識の方がほとんどです。
道具は使う人間によってしあわせをもたらすこともあれば、取り返しのない事態を招いてしまうこともあります。
一振の日本刀が鑑賞者を感動させることもあれば、模造刀で殺生をしてしまう人もいるかもしれません。
人間の手によって作られた道具を生かすも殺すも人間であり、人間そのものを生かすのも人間です。

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