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公開日:2023/03/01  

国宝に指定されている日本の甲冑とは?有名な鎧兜をご紹介!


日本で国宝に指定されている甲冑は、全部で18領あります。国宝に指定されていなくても有名な鎧兜もあり、日本の文化が伝承されていることが分かります。甲冑は、大和朝廷の時代から江戸時代にかけて発展しました。現在は希少となっている木製の鎧も作られていました。歴史を紐解きながら鎧兜について見ていきましょう。

日本の甲冑の種類

大和朝廷の時代から江戸時代にかけて長い時代を歩んできました。

短甲

体の胴体部分を守るための鎧です。シンプルな作りとなっています。肩幅に対して腰幅が狭くなっているのは、動きやすさを追求したためといわれています。短甲が着用されるようになったのは4世紀頃で、当時は大和朝廷による支配が確立される時代でした。5世紀頃になると、少しずつ短甲が丈夫な作りになってきたといわれています。短甲の素材は木なので発掘例が少なくなっています。また、当時としては珍しい鉄や革の短甲が存在していることも明らかになっています。

挂甲

5世紀の中頃に登場したのが挂甲です。短甲よりも丈夫な作りとなっています。鉄や革を一般的な鎧にも使用するようになりました。胴丸式挂甲とうちかけ式挂甲があります。短甲との違いは機能性です。短甲は体の胴体の部分が固定されていましたが、挂甲は胴体の部分を固定されることがないため、動きやすくなっています。体を自由に曲げ伸ばしできるようになりました。しかし、当時はまだ制作に携わる者が少なく、素材も乏しかったことから大量生産はできませんでした。そのため、豪族とよばれる権力と財力を持った一部の者しか挂甲を着用することはできず、一般兵士は安価な材料で作られたものを着用していました。

大鎧

甲冑というと大鎧を思い浮かべる人がいるほど有名なものとなっています。平安時代は遣唐使が廃止されたため、唐の文化が入って来なくなりました。その代わり国風文化が栄えた時代でもあります。大鎧は馬に乗って戦う騎馬戦で着用されました。当時の武器は弓矢だったので、弓を射るときも弓から体を防護するためにも大鎧は大事な武具となりました。機能性と防護性の両方を兼ね備えています。こちらは弓矢だけではなく、刀からも身を守るためのものであったので頑丈で重量が重いのが特徴です。そのため、身動きは取りづらかったとされています。

胴丸

こちらは馬に乗って戦う武士のものではなく、徒歩で戦う武士のための鎧です。大鎧よりも軽くなっています。平安時代で着用されていましたが、室町時代までは胴丸ではなく腹巻とよばれていたとされています。

当世具足

戦国時代に生まれたものが当世具足です。この時代には弓矢と刀で戦うよりも、足軽や馬に乗った武士は長い槍を持ち、力強く相手の体を刺しにいきました。そして火縄銃も伝来したこともあり、より防護性にすぐれたものが必要になりました。また、当時の武士は目立つことを好んだため、赤、金、銀などをふんだんに使用したといわれています。

江戸時代に大鎧が再び作られるようになる

江戸時代は200年以上にわたり戦いがない時代でした。武士は戦いのために鎧を保管しているわけではなく、武家の格式を表すために保管していました。実戦で鎧が使用されたことはなくても、大鎧が再び作られるようになりました。これが、江戸時代の復古主義です。徳川吉宗や松平定信は、積極的に鎧の修理と調査を行ったといわれています。

国宝に指定されている甲冑

18領の甲冑が国宝に指定されています。

大山祇神社に所蔵されている甲冑

沢潟威鎧、紺糸威鎧、紫綾威鎧、赤糸威鎧が国宝に指定されている甲冑です。

厳島神社に所蔵されている甲冑

小桜韋黄返威鎧、紺糸威鎧、黒韋威胴丸、浅黄綾威鎧が国宝に指定されている甲冑です。

春日大社に所蔵されている甲冑

赤糸威鎧、黒韋威矢筈札胴丸、黒韋威胴丸が国宝に指定されている甲冑です。

櫛引八幡宮に所蔵されている甲冑

白糸威褄取鎧、赤糸威鎧が国宝に指定されている甲冑です。

武藏御嶽神社に所蔵されている甲冑

赤糸威鎧が国宝に指定されている甲冑です。

菅田天神社に所蔵されている甲冑

小桜韋威鎧が国宝に指定されている甲冑です。

日本の有名な甲冑と兜

一度は見聞きしたことがある有名な甲冑と兜を紹介します。

源氏八領

軍記物語にも登場しているのが源氏八領です。当時は難しかった薄金という技術が用いられているのが特徴です。

伊達政宗の甲冑

三日月の兜と黒い漆で塗られた具足はドラマでも有名になりました。こちらは戦国時代に作られた当世具足となっています。

直江兼続の兜

愛という文字がひときわ目を引く兜となっています。こちらもドラマで有名になりました。なぜ愛という文字を兜にしたのか真相はいまだ分かっていません。

まとめ

甲冑は時代の流れとともに発展しました。弓矢の時代、刀の時代、槍の時代、火縄銃の時代、集団で戦う時代など、それぞれの時代背景に合わせて変化しました。また、戦国時代では赤、金、銀などをふんだんに使用して目立つことを好む武将が多く存在した一方で、伊達政宗のように黒い漆で塗られた具足を着用した武将もいます。当時の歴史を振り返るために甲冑に触れてみるのもよい機会となるでしょう。興味がある人は、博物館などで鑑賞してみてください。

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