日本刀は見た目が美しく、現代でも多くのファンが存在する古美術品に該当してきますが、実際に多くの敵を倒すには効率性が悪い特徴があります。本当の戦国時代の合戦で活躍した武器の特徴を理解すれば、日本刀がメインの武器にならなかったことが理解できます。
日本刀が槍に劣ってしまう理由とは
戦国時代にはいろいろな合戦がおこなわれましたが、敵に勝利をするために武器を工夫をしていた特徴があります。日本独特の武器といえば日本刀が思い浮かびますが、合戦ではメインの武器に選ばれることはありませんでした。
日本刀は少人数を相手にする戦いであれば、対等に戦うことができるので、技術力が高い人が勝てる確率が自然と高くなりますが、合戦などの大人数で戦う場合は、槍のほうが強い武器になります。
槍は長い棒の先に鋭い刃が付いているので、効率的に敵を倒していけます。仮に日本刀と槍で戦った場合は、余程のことが起きない限り、槍が圧勝することになります。長い棒を持ちながら先端の刃を相手に突き刺して倒すことができるので、槍を持っている側は無傷の状態で勝利できる可能性が高いです。
ボクシングなどの格闘技では腕の長さが重要になりますが、腕の長い選手のほうが遠距離から打撃を与えられることで腕の短い選手よりも圧倒的に有利になるのと同じで、槍に刀で立ち向かうのは、とても厳しいのが現実になります。
弓のほうが効率的に敵を倒せてしまう理由
合戦ではいろいろな武器が使用されましたが、弓もメインの武器として利用された歴史があります。弓は矢を敵に射るときに使用される武器で、槍よりもさらに遠距離から敵にダメージを与えられるのが特徴的です。
弓は矢があれば、短時間に何本も射っていくことができるので、敵の陣地に近づかないで効率的に勝利できる武器になります。近距離で敵と戦う場合は、矢を射るまでに時間が少し掛かるので、相手が槍などでも負けてしまう可能性はありますが、敵から一定の距離が保たれていれば、弓のほうが圧倒的に有利です。
弓を射るために専門の部隊を組んでいるので、数百人などのレベルの部隊が一斉に弓を射れば、大量の矢の雨が敵陣に降り注ぐことになります。大量の矢を一度に射ることが重要であり、弓を射る人間が一人だけであれば、脅威度はかなり低くなるのが現実です。
基本的に弓の部隊の役割は敵が自分たちの陣地に近づいてくるまでに、敵の兵力を削るのがメインの役割になるので、弓の部隊が敵側の大量の兵力を削ることに成功すれば、合戦に勝利できる確率が自然と上がるのが面白いポイントになります。
また矢の部分に糞尿などが塗りつけてあるケースもあり、より敵に大ダメージを与えるための工夫がされた歴史もあります。なぜ矢に糞尿を塗ると威力が強くなるのかといえば、矢が身体に刺さったときに糞尿が傷口に入り込むことで、破傷風などで敵を苦しめられるからです。戦場で破傷風になった人は治療を受けられないので、確実に敵を仕留められる可能性が高くなります。
何回も戦うことを想定した場合は、敵の兵が再び戦場に立てない状態にするのが大切なので、とても賢い方法です。このように工夫次第で威力が増す弓は合戦でとても重宝された武器に該当します。
鉄砲は敵を一気に倒せる最高の武器
弓は矢を射ることで遠距離から大量の敵を倒せるので最高の武器ですが、鉄砲はさらに威力が増した遠距離から敵を倒せる武器になります。現代のような本格的な鉄砲は、昔は存在しませんでしたが、火縄銃が活躍した歴史があります。
火縄銃は現代の鉄砲のように簡単に弾が発射されるようなシステムにはなっておらず、火縄を仕掛けに挟んでから引き金を引くと仕掛けが作動することで火薬に点火して弾が発射される流れです。特徴として火のついた縄を使用することになるので、雨が降っているときは使用できない特徴があります。
火縄銃は圧倒的な威力があり、弾が直撃した敵兵には大ダメージを負わせられますし、弓と同様に遠距離から多くの敵兵を削っていけます。合戦の途中で雨が降ってくれば使えなくなってしまいますから、弓よりも天候に左右されてしまうのがネックですし、発射までに手間が掛かるのも弱点です。
しかし万全の状態で鉄砲隊が活躍することができれば、合戦を圧倒的に有利な状態にできたのは事実ですし、刀で火縄銃の部隊に突っ込んでいけば、相手にダメージを与える前に倒されてしまうのは確実になります。
戦国時代は多くの合戦がおこなわれましたが、いろいろな武器が活用された歴史があります。日本刀が多く使われているようなイメージもありますが、実際には槍のほうが敵を効率的に倒せるので多く使われていますし、遠距離から敵を倒せる弓はさらに多くの場面で使用されています。
鉄砲も武器として採用されていましたが、火縄銃を使用していたので、雨に極端に弱い特徴があり、弓のほうが鉄砲よりも使い勝手がいい特徴があるのも面白いポイントです。