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公開日:2020/11/15  

侍が日本刀を二本差している理由は?


日本刀は鋼に特殊な金属をつなぎ合わせることでできた玉鋼を使い、何度も1000度以上の高温で柔らかくしながら専用のハンマーで打って作り上げる武器になります。日本刀には2種類あり、一般的に知られる刀のことを総称して打刀といいます。そしてもう一つが脇差しですが、この二本を所持していることが武士にとって重要な役割を担っているのです。

戦場には一般農民も参加していた

武士といえば里を守るために戦場で戦う人というイメージがありますが、実は戦場に出ている武士にもいろいろな形が存在します。実は侍と呼ばれた人間が戦場にいるのは将軍を守護するためであり、基本的に戦うのは将軍家からの御触れによって徴収をされた農民たちです。

一定の訓練を受けているとはいえ素人部隊の農民たちを統率するのが武士であり、装備を整えた馬に乗って戦場に向かいます。そして将軍陣営に敵が来たときは、技術や体格が優れた人材で徹底的に鍛え上げた侍が立ち向かうのです。

このように戦場は形成され、その中で手柄を挙げた農民が武士となり、そして武功を挙げた武士は将軍を守る役割として徴用されるという昇給システムが成り立っています。もちろん昇給システムなので、位が上がれば上がるほど給料が上がるだけでなく衣食住も充実することから農民の中にはこぞって参加する人も少なからずいたのです。

脇差しは侍を証明するために使う

戦争が終わり昇給システムの通告が終わると、周郡家は家臣と共に政治を始めます。ただ鎌倉時代から始まった戦国時代は、戦争が終わって落ち着いた様相を見せても他国からの侵略だけでなく内部からのクーデターも気を付かなければならないほどに治安が悪かったのです。

そのため将軍はいつ何時夜襲や暗殺をされるリスクは隣り合わせだったので、将軍の近くには必ず侍と武士を常駐させて守護をしてもらっていたのです。ただ農民にも少なからず刀を持つ物がいたことから、侍と武士そして農民の見分けが難しいという欠点があります。

そこで見分けをよくするために、戦場で使うための刀として持つ打刀のほかに、脇に差しておくことで証明する脇差し刀を持つことで証明していたのです。もちろん脇差しはあくまで侍の証明として使うものなので、硬い帯で厳重に固定されています。厳重に固定することで、将軍の謁見する際に模倣の意思がないことを伝えるためです。ただ侍は位が高くすべての人々に愛されていたわけではないため、襲撃にあったときに脇差し刀を持っておくことで自身の身を守るために使っていたのです。

あくまで守護をすることが目的なので脇差しは、相手が切りかかってきたときに防御するときに使います。ただ切りかかられたということは、相手から光線の意思があることがわかります。その段階で脇差しは武器として使ってもよいということになり、相手の攻勢が止まらないのであれば特権になる討ち入りをしてもよいということになるのです。

江戸時代以降は武士の正装として定められました。五代将軍綱吉が、武士だけの特権としたのです。
ちょっと出かけるときには脇差のみもあったようですが、走ってはいけない、左側通行、正装時は2本差し等など、特権でありながら義務でもあったと言われています。

自衛目的だがルールが設けられている

侍は、武士や農民と違い打刀と脇差しの二本を携帯することがその証明になっています。ただし侍になった段階で、誰もが好き勝手に人を切ってもよいというわけではないです。侍が人を切ってもよいとされるのはあくまで相手が光線の意思を示したときだけであり、基本的には相手が殴り掛かってきただけであれば合気道などの護身術を用いていなすだけで終わります。

もし武器を使わずに殴ってきただけの相手を刀で切り伏せてしまった場合には、それはご法度の闇討ちや試し切りとみなされます。もしご法度を犯してしまったときには、侍は二本持っているといいましたが実はもう一本だけ刀を所持しているのです。その刀というのが首切り刀であり、他の刀に比べて小さく懐に忍ばせています。

本来の使い方は戦場に出たときに敵将を打ち取ったときに首や紋章などを切り取って、自身が打ち取ったことを証明するために使うのです。しかし自身の過失で相手を殺してしまったときには、裁判を受けた後に情状の余地がないことがわかればその場で首切り刀を使って自害をすることがルールで定められていたのです。

もちろん脇差しも守護をするために用いるものですが、その中にはあえて固定を緩くしていつでも使えるようにした人はたくさんいます。そのため守護をするための脇差しにもかかわらず、実際に使用する人が後を絶たなかったため脇差しにも罰則規定が設けられていたのです。

 

日本刀には戦場で使う打刀以外に、守護を目的として脇差しがあります。脇差しがあることで守護をする人間という証明となり、この刀を持つことで位が高いということの小目にもなっていたのです。

ただ守護を目的にするために、刀を納めるための鞘だけでなく刀自体も簡単に折れないように熟練の技師が丹精込めて打っていることに変わりないです。そのため買取においても、打刀よりかは少ならず値は落ちますがそれでも戦国自体を象徴する刀として高値で取引されています。

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